さよなら春の日々よ
机の上に
捨てられるように置かれた花束
きみのことを
誰かが思っいたって
本気で思っているの?
誰もいない廊下の先
光が反響して
きみはただ、一人で
学校用の決められた
薄汚いシューズで踊っていた
此処が土足だったなら
きみは踵を
気に出来ただろうか
分からない
分からないよ
もう答えをくれるきみは消えてしまったから
廊下を走る
きみのいない
階段を駆け上がる
そのさきの扉の
鍵の確かな反発が
きみの不在を更に浮き彫りにさせる
この腕は
きみの所為できれいだよ
それをきみに言えなかったのが
今はただ
唯一の心残りだ
▼詩集「きみの花」
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