春 ど真ん中 ニケと歩けば
日曜日の朝、久しぶりにゆっくり寝たのか窓の外はすっかり明るくなっています。といっても六時前。
ニケも珍しくまだまどろんでいますが、私が起き上がるとひょいと頭を上げて後ろ足を伸ばしています。
公園に着きました。昨夜の雨で地面は未だ濡れています。木々の枝葉も水滴でキラキラ、自然が作るさまのなんときれいなことかとちょっと感心しながらその下を歩きます。
桜の満開時を経て青葉は未だ木々を覆うほどではなく、木漏れ日が地面のちいさな野花にも届いています。みんな顔を上げて暖かな光を浴びていて動物も植物も自然の恩恵を受けるのは同じです。
その隅っこにタンポポの黄色に混じって白くはかなげなレースの綿帽子を見つけました。
この場所だけは、風よ吹かないで!もう少しこのままの姿が見たいと
今にもほどけそうなその姿をしばし見とれているとニケは「美味しそうなものでもあった?」とのぞき込みます。
シロツメ草の絨毯を踏む時、ちょっとつま先立ちにはなるものの、
なんとすぐに元の姿になるさまは可憐な中にも勇ましく自分の置かれている環境や生き方までが見え隠れするようで、そんな大げさなことを考える私は春の温もりの中、気持ちが和らいでいるのでしょう。
いつもと同じ公園なのになんだかすべての景色が輝いているように見えます。
近くの山は桜のまだらが無くなってスッカリ新緑。
その上は雲一つなくどこまでも青い空です。
時折黒い鳥が三羽、つかず離れず東に向かって時には大きく旋回したり上に下にと気持ちよさそうです。あの飛び方、小ささからカラスやツバメではなさそうですがそれを見分けるには高くて…。
スッカリ太陽が隅々まで光を届ける時刻。空気が澄んでいるからなのか船の汽笛がすぐ近くのように聞こえます。おなかも空いたようで素直に家路につくニケの後姿は何とも愛おしく自分の顔が緩んでいるのが分かります。
ブランチにとたっぷり目、レーズンブレッドのトーストにバターをのせて、ブラウンマッシュルーム、ブロッコリー、アスパラガスにポテト、卵は半熟。味付けは淡路島の藻塩にブラックペッパー。エスプレッソはダブルにシナモンパウダーをひと振り。お気に入りのメニューです。
今日もいい日にしましょう!