【企画物語】みんなでつくるみんなの学校
1.セミナーについて
「子どもが主語の学校のために問い直しましょう」という泰子さんからの呼びかけでセミナーがスタートしました。
最初に参加者に提示された問いは、
「学校って何のためにあるのでしょう?」
この問いの最適解を考え、
「学びの目的は・・・その子がその子らしく育つこと」
当たり前でありながらも見失っていた学びの本質を問い続ける内容となりました。
2.なぜ本イベントを企画したのか
映画「みんなの学校」が上映された2015年。その数年後に映画を拝見する機会がありました。筋書のない日常をありのままにさらけ出し、教員が悩みに悩み、常に学びの主語を子どもに置いたスタンスに心打たれたのを覚えています。そして、2023年の12月。私の住む青森県に木村泰子さんがいらっしゃるとのことで、対面セミナーに参加しました。
この場では書ききれないくらいの教育の神髄を学ぶ場になりましたが、「すべての子どもの学習権を保障する」という目的をどんと提示され、当たり前の言葉に頭をぶんなぐられる衝撃を受けました。そうか。自分は教育を再定義しなければならないのだと痛感しました。
そして、セミナーをお願いするに至りました。
3.セミナー前後の自分の変化
〇セミナー企画前の自分
教育の本質を見失い、主語が教員の教育になっているのではと感じる自分がいました。教員生活が10年を超え、1年間の流れは大よそわかる。45分の授業の組み立て方も自分なりに確立している。Aが起こればBになる。CをすればDになるという自分の中での予定調和が、逆に自分の成長を停滞させる原因になっていました。
子どもを主語にした学級経営をと大きくスタイルを変えた経験もありますが、うまくいきませんでした。そして主語が教員に逆戻り・・・。
〇セミナー開催とその後
「学校という牢獄に通うということ」
泰子さんが資料で示した子どものメッセージのタイトルです。
ありのままを真っ向から否定される子どものストレス。
どれだけ、同調圧力を強いた「指導」が蔓延しているのかを痛感しました。そしてそれをしている自分にも気づかされました。
「指導を捨てて環境を作る」
この決断が、教員にとってどれだけ苦しく痛みを伴うものか、想像以上のものがあると思います。しかし、そこには子どもを主語にした学校づくりが可能になった世界が広がるのだと感じました。
私自身の教師としての在り方。
学級経営、学級担任、この制度自体も再定義しなければと思うのですが、迷惑をかけないようにするために指導をする前に、子ども達の行動を見ていて「なぜ」と問いをもてるようになりました。
木村泰子さんからいただいた4つの力
「人を大切にする力」
「自分の考えをもつ力」
「自分を表現する力」
「チャレンジする力」
クラスの子にも、我が子にもつけさせたい力だと心の底から感じました。
4.読者にメッセージ
教育の本質を考え直す時間もなく、多忙な毎日を送っているのが教職員だと思います。特に、子どものためと強く思っている先生こそが、疲労感でいっぱいになっていると思います。
ここで、「教育って何?」「学校って何?」と問い直して、立ち止まって見ることが大切だと思います。
答えはありません。その時の最適解は、常に新しくしておく必要があると思います。10年スパンの学習指導要領改訂を待つのでは遅いです。
セミナーの中で、
「学級担任制廃止」「通信表の所見廃止」など、大なたを振るような意見もありましたが、数年後には、当たり前になっているかもしれません。
第二弾の要望も多数いただきました。
また、木村泰子さんと共に、学びませんか?
しんちゃん@三浦真司
5.参加者の皆さんの声
学校、教育の本質を教えていただきました。また、お話聞きたいです。
本日はありがとうございました。今、クラスで気になっている子との関係がうまくいかず悩んでいました。でも、今日のお話を聞いて、自分のエゴや自分が主語になっていて、子どもが主語になっていなかったと気づきました。明日からまたがんばります。本当にありがとうございました。
皆さんの熱い想いをたくさん感じた時間でした。ぜひ継続してセミナーを開催できればと思います。
「すべての子どもの学習権を保障する」という命題に対してすべての教員がもう一度問い直しを行う必要があるのかなと思いました。でも、それは、一人で背負う必要もなくて。他の教員、保護者、地域と協力しながら、責任を分散しながら実現していくものなのかなと思いました。ありがとうございました。
実際の子どもたちの声を紹介しながらお話してくださったので、今の子どもたちの苦しみがわかり、何を求めているのか考えられました。人と人は違って当たり前、それを自然と子どもたちに感じてもらえるようにしたいと思いました。学校でも学校の外でも、ありのままの自分を出せる子どもたちが育つと嬉しいです。学校の先生たちは頑張っていると思います。真摯に、本気で。だからこそ頑張る方向が、子どもたちを苦しめない、幸せを感じられるような方向に向いていけばいいな、と参加者のみなさんの熱量を感じて思いました。
貴重なお話、ありがとうございました。子供たちが幸せに生きていく力とそれが可能な社会のために少しでも力になりたいと思っている現在小学校教諭5年目です。久しぶりにやすこさんとお話ができる会に参加でき、背中を押されたような気分でいます。大学生時代に大空小学校へ何度か遊びに行かせていただいていました。あの頃は自分の目指したい学校の姿、信念さえあれば大空小学校のような学校にできるのだと根拠のない自信を持っていました。現場に出るとその学校の雰囲気や価値観のようなものが自分の思考を変えていったように思います。もちろん、違和感を感じながらも型にはまろうとする自分がいました。初任だから何もわからない自分。教師はこうあるべきなのだ。(もちろん実際にあるべき姿であることもあると思いますが)自分に言い聞かせていたことを思い出しました。今回、心の中で顔が浮かんだ子供たちに謝りながら参加させていただきました。まずは、今ある価値観、言葉がこのままでよいのか、自分に問いかけ直ぐにはできないかもしれませんが、周りに問いかけられる自分になりたいです。
木村泰子さんの声に出会いたくて参加しました。 オンラインなのに、毎回、胸ぐら掴まれる思いになります。 自分の学校のことのことを重ねながら聞きました。 不登校傾向の1年生の児童が、教室にはまだ行けないけれど、別室に登校できるようになって2週間になります。 別室には、風呂敷をつないでくれた、大学生5人と地域の老人会のおじいちゃん、おばあちゃんも来てくれるようになり、1年生の子もかわいがってもらっています。 しかし、残念だったことは、1年生の先生が「別室は居心地が良すぎて教室に戻れなくなっている」と会議の場で言っていたことです。 半分は当たっているかも知れませんが、半分は違っていると思います。 なぜ、別室が居心地が良いのか。 なぜ、別室は安心していられるのか。 教室を少しでも居心地の良い場所にするのは不可能なのか。 「教室に戻れないのは別室のせいだ」というような、別室の否定をするのではなく、教室に入れるにはどんな教室を作ったらいいかを一緒に考えたいなと思いました。 今、教頭という立場で、地域の方と風呂敷をつなげていく喜びがあります。 職員と対話を重ねながら、進めていきたいと思います。 今日は、有り難うございました。
「指導」「学級担任」「学級経営」「所見」今までの当たり前を子どもの事実から問い直す。この大切さを感じました。何のためにするのか、まずは議論の波を身近な人から起こしていきたいと思います。
本日はセミナーありがとうございました。企画側として初めて取り組むセミナーが木村先生のセミナーで、本当にありがたかったです。子どもに対し、「舐められている現状から脱したい、指示が通るようにならなくては…」という意識ばかりが先行していました。教師になる前は、「自分にはないものをもっている子どもたちがたくさんいる。その子たちをリスペクトする気持ちを忘れないようにしよう」という気持ちを持ち合わせていました。しかし、いざ現場に入ると年功序列や地域独特の風土もあり、初任・若手であることでアイディアや意見を発信しにくい場面もあり、いつしか教師になる前に持っていた気持ちを忘れていました。明日から、指示をする・指導する…という視点は置いておき、子どもから学び、対話をしようとする意識をもっていこうと思いました。ありがとうございました。
今日は、貴重なお話をありがとうございます。 木村泰子さんのお話は、映画「みんなの学校」も拝見させて頂き、他の機会にもお伺いする機会があり、とても心にささる言葉ばかりだと感じておりますが、今日のお話での言葉も、幾つも心に響きました。 子どもの自殺が過去最多、不登校の子どもの数が過去最多、教員の休職が過去最多、これは、これまでの方向性が間違っていることの現れなのでしょうし、異常事態だと思います。子どもも大人も苦しんでいる状況で、まず変わるべきは、大人、教員だと改めて思いました。 シェアして頂いた子どもたちの言葉というのも、どれも心に刺さりましたが、泰子さんの言葉で、「指導は暴力になり得る、大空小学校では、指導という言葉を捨てた」がとても響きました。 実は、私、現在、一般の会社員で、これから教員を目指そうと考えており、今日、参加させて頂いたのですが、管理教育を目指そうとする管理者の評価に臆することなく、これからの教育を変えていこうとされている皆さまとの繋がりを育みながら、チャレンジして参りたいと思いました。勇気を頂くお話、ありがとうございます。
ありがとうございました。本題からずれてしまうかもしれませんが、4つの力の話をされた時に、さらっと「地域と共にある学校」が当たり前、前提のように話されてたのがとても印象的でした。教員間だけでたどり着いたのではない、保護者や地域住民との熟議を想いました。
子供達との接し方のヒントになりました。
音声オフの参加で申し訳ありませんでした。質問にお答えいただき、ありがとうございました。所見の話を聞かせていただいたとき、改めて本当に大切なものは何なのかと考えさせられました。学力向上や体力向上ばかりを言われ、子どもの活躍の場がなくされ、先生も子どもも学校が楽しくなくなっているような感覚で働いているので、今回の木村先生の話を聞いて、活力をいただきました。ありがとうございました。
まだまだお話が聞きたかったです。「違いを対等に」というメッセージも学びになりました。早速、朝の職員室で昨日の話をしています。受け売りの言葉もいくつか発しました。「完全に受け売りやん」自分で笑えました。なかなか盛り上がりました。
子どもが子どもらしく育つこと。先生が主語ではなく子どもが主語の学校。様々な問いから、教育の本質とは何か?良い教育とは何か?といった話が聞けて、とても深い学びになりました。発言やチャットでのアウトプットも盛んに行われて、とてもよい学びの場だったと思います。運営の方々に感謝です。そして何より、お忙しい中たくさんの言葉や問いを投げかけていただいた木村先生に感謝です。ありがとうございました!
木村先生のお噂は聞いていましたが、初めてお話を伺いました。自分が教育現場に対して持っていた失望を払拭してくれるエネルギーを感じました。元中高理科教師でしたが、今は臨時採用登録をしているところで、もしまた教育の現場に戻る際に、今夜の4つのことを念頭に生徒と接していこうと思いました。また、私は教育者のためのマインドフルネスの会にも参加していて、木村先生の仰られることと共通のものを感じました。先日は南アルプス子どもの村小学校・中学校を同じ会のメンバーと見学に行きました。先生が参加されたシンポジウムの会場のポスターは子どもたちの手作りだったのですね。木村先生が公教育で実践なさったことがもっと広がれば…と思いますが、それを阻んでいるのは案外日本の社会なのかもしれません。未だにリクルートスーツを着て行う大学生の就活が、変わらない学力偏重の大学入試を生み、それに向けて高校では受験のための授業を捨て去ることはできないでいるように感じます。50代になってから教員採用試験に落ちまくっていますが、社会で役立つ人材を作る為の教育現場だということが感じられてなりませんでした。子どもの世界だけでなく、社会にも厳然と年令や性別で差別されることが多々あるのが現実ですから、それに対しては、大人も子どもも昨日の4つの力が必要なのだと思いました。まだまだ聞き足りないので、是非第二弾をまたお願いします。本当に有難うございました。
こども視点ということを深堀するいい機会になった。続きをお願いしたい。
私は、以前は特別支援学校、現在は、巡回相談、就学指導、教育相談等で子どもたちに関わっています。学校に伺うと空席があり、1週間後に行くとまた空席が増えています。就学指導で出会う子どもたちから、「どうせ、やっても無駄だし、先生は認めてくれん」、相談に来る子どもたちからは「なんで、学校があるんだろう・・・」。目の前の子どもたちは生きる力を持っていることを信じて、「大丈夫?何に困ってる?私に何ができる?」と子どもたちに問いかけ続けています。泰子さんが“やり直しをするまでそばにいる、寄り添う”ことの大切さを語っていました。子どもたちが自分らしく、自分の言葉で語り、自分探しができるよう、そんなサポーターになれたらと思います。ありがとうございました。4月から現場に復帰をするので、今回、学んだことを忘れずにやっていきます。(私は、泰子先生の本に出会ってから先生のことが大好きになり、オンラインや研修会等に参加しています。昨年は、私の地元である青森県のおいらせ町での講演会、十和田市での講演会等、お話を聞いては勇気や元気をもらい、そして、考え直して学びなおしをしています。これからも、泰子さんに会って学びを深めたいと思っております。また、来てくださいね)
全ての子どもの学びを保証する、必ず青森で実現したいです。
泰子さんのセミナーがあるというのを知って、申し込んでから、泰子さんの本を読んだり、茨城県教育センターのYoutubeでEd Cafeを見たりしました。本日のセミナーも非常に楽しく、充実した時間でした。ぜひ、学校CHLOOSで第2回もやりましょう!!ありがとうございました。
第2弾があれば、担任制撤廃以外の環境づくりもお聞きしたいと思いました。目標があれば方法はそれぞれかもしれませんが、参考にしたいです。
楽しみにしていた会なのに、いろいろあって遅れての参加になりました。木村泰子さんを追いかけながら、子どもが育つために教師はどうあるべきか考え続けて行きたいと思います。これからもともに学ばせてください。
住んでいる町にもコミュニティースクール制度は以前からあるのですが、双方向とはとてもいいがたい状況です。小学校の下駄箱で子どもたちに声掛けする地域ボランティアをしている時、軽やかに楽し気に走って飛び込んでくる姿を見かけます。もっと「4つの力」へたどり着いたときのように、学校の思い、保護者地域住民の思いが交差する地域のハブとして学校が機能しないかなぁ。