話しかけられ待ちの女の子の悩み
最近高学年の女の子から相談したい事があるという事で話しを聞きました。内容としましては、
クラスが変わって話しかけてくれる子が居なくなって孤立している
という事でした。この相談内容は昔から色々な所でよく聞く悩みです。特に女の子に多いかもしれません。一般的にこのような悩みの時はよく
自分から話しかけてみれば良いやん
っとアドバイスする事が多いと思います。まあ間違ってないと思います。そのアドバイスでその子が声をかけてみて友だちが出来るケースもあるかと思います。ただ、それが全員に当て嵌まるかと言えば別問題で逆にその言葉で追い詰めてしまうケースもあると言う事です。まずは声を自分からかけられない子の気持ちを理解する事が大切かなと思います。一番に理解しなくてはいけない事は
出来るならとっくにしている
という事やと思うんです。出来ないから悩んでいる訳でして前提条件としてそこが大切です。もう一つは
運要素が強い出来事
である事も頭に入れておく必要があります。大人でも人間関係の良い仕事につければ仕事は楽しいですし人間関係が最悪な仕事につけば仕事の印象は最悪になります。よく家庭環境が良ければ子どもは良い方向に成長するなんて言われておりますが、それは家庭環境だけではないと思います。
その他の環境の影響も子どもたちの成長には大きい
という事です。それは大人になっても引きずる事も珍しくないですよね。よく大人の世界で言われる体育会系の人なんてのもそうだと思うんです。学生時代の事を大人になって働いてまで引きずっている訳ですからね。そして、それを周囲が納得するような感覚まで出来ている訳です。体育会系の社会人と言ったら皆さん同じような人が頭に浮かぶと思うんですよ。いわゆるステレオタイプが出来上がっていると言う事です。固定概念ですね。最後にこれも理解しておきたい事で
自分から話しかけられる人は輝いて見える
という事です。大人の世界でもスマートに次々と初対面の人に話しかけたり新しい輪の中にスムーズに入っていかれる方はいらっしゃりますよね。私でも眩しく感じる時があります。そして、そういう人に話しかけられるとちょっと嬉しい気持ちも理解出来ます。
私はその子にこう答えました。
「先生も新しい学校とかに行ったらめっちゃしんどいで。新しい職員室とかめっちゃ緊張するし話しかけたら怒られるかな〜とか気にする時あるで。ガクガクのブルブルよ!」
大人でも不安で怖い時があるしみんな自信満々ぶってるだけやで〜っと言う事を伝えたかったです。この子だからこの返しにしました。この子とはこれで終わりでも一気に話しを進めるのでもなく少しずつ話しを聞いていければと思います。このようなケースで保護者の方とお話しする時は私は
色々なコミュニティに所属し本人を支える何本かの柱を作る事
をおすすめしています。特に大人がそこに居て間に入ってくれるようなコミュニティが良いです。理由は子ども同士だけで関係を作れるまでまだ到達していない可能性がありますので、その場合は間に大人が入って少しずつ関係を作っていけるような場からスタートするのが良いからです。習い事や家族同士の集まり、公民館などで開催されているようなものも良いと思います。学校というコミュニティだけに絞らないのが良いです。色々なコミュニティに所属しておく方が良い理由としましてはコミュニティとうまくいかなくなるケースも多いからです。例えば、Aの集まりがうまくいかなくなってもBやCの集まりがあるから支えとしては足ります。BとCの集まりに支えてもらっている間にDの集まりを探す事も出来ます。1つの集まりだけに絞っていてそこがうまくいかなくなった時何もなくなり問題が加速する事がよくあります。私の推察としましては、全てを失ってしまった経験とうまくいかなかった結果だけが残ってしまうのが要因の一部かと考えています。
あっちはうまくいかなかったけどこっちはうまくいってるしまあええか
っと思えるぐらいに常に持っていければ良いかと思います。
人間関係や人と人の関わりというのは中々しんどかったり怖かったりする部分がありますよね。それでも我々大人が頑張れるのはその先には親しくなってもっと楽しい事が待っている事を知っていたり、ここではない他の場所に楽しいと思える場所があるかもしれない事を知っているからだと思います。その事を子どもたちにも伝えていければと思います。