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小説で知る言葉たち

「私は留守番電話のテープを巻き戻したあと、インデックスカードの情報をコロナスミスのタイプライターでまとめ始めた。」

今、探偵キンジー・ミルホーンシリーズを何度目かの再読中。
最初に読んだ20代後半から、もう20年以上経って、いつの間にかキンジーは私より年下になってしまった。
それなのに、キンジーの時代は止まっている。
留守番電話はあるけど、ポケットベルすらないし、ワープロさえなくて、タイプライターを使っている。
もちろんポケベルもワープロも身の回りに既になくなって久しい。

キンジーの生き方や考え方がとても好きだった。
完璧でなくて、ちょっとひねくれていて、でも真面目で一生懸命なところもあって・・・
今読んでも、同じようにキンジーは好もしい。

たまに食べるマクドナルドのクォーターパウンダーがおいしそうで、その頃日本にはなくて(今でもない?)、ハワイに行ったときに初めて食べたときは、「キンジーの好きなやつ!」と感動した。
このクォーターパウンダーは当時(本の中で)2,3ドルだったような記憶がある。今読んでるのに出て来てないので、正確に思い出せず・・・
2025年の値段は6.39ドルだそう。
2,3倍以上にはなっているね。

https://www.mcds-menu.com/


時代が随分と変わってしまって、私は読んでいても困らないけど、若い人が読んだら、「留守電を巻き戻すって何?」とか思うのかなあと思った。
思ったけど、私は江戸ものの小説も好きだし、陰陽師(平安時代)も読む。
なんとなく読めていけるもんなのかしら。

もし、今の時代にキンジーがいたら、スマートフォンに文句を言いながら使っているかも!
インデックスカードの代わりに、ジャムボードのようなツールを使うかもしれない。

この本で見知った言葉もいくつかある。
スタッコ塗りとか、モーブ色とか。
でも、今の今まで調べたことがなかった。
スタッコは漆喰の種類だとなーんとなく知ってたけど、正しくは「化粧漆喰」それから、モーブは、私なら単に紫と書くだろうという色だった!
まあ、訳にどこまで生かすかって話だね。

モーブ色


エンターテイメントだけでなく、語学の勉強においても本はとても役立つと思う。
特に継承語のような会話には困らないけど、それだけというケースでは、世界を広げてくれる。
新しい言葉や表現にたくさん出会えるだろう。
まあ、ちゃんと調べたらもっといいけど、重要じゃなければ、「モーブ色? 色の種類ね」「スタッコ塗り? 塗り方の方法かな」でもいいと思う。

私は中学生のころ、1日に本を10冊読んでいた時期があった。
あんなにドはまりしたことや、時期はない。
30分の徒歩通学も、歩きながら本を読んでいたし、通学途中に図書館に寄って、1冊はそこで読み、5冊を借りて帰って読んだ。
学校図書館でも毎日借りていたし、授業中にも読んでいたので、先生に本を没収されたこともある。
学校図書館で朝、本を借りて、授業中と休み時間で1冊読み終えて、返しに行きがてら、おかわりを借りた。

お得意の斜め読みなので、なんとなくで覚えている言葉がたくさんあった。
例えば、「とめどない」は「とどめ(止め)ない」だと思っていたし、「かどわかす(拐かす)」は「かどかわす」だと思っていた。
耳で聞いて覚えていない言葉は、私のようにちゃっちゃと読んでしまうと、こういう失敗が起こりうる!

もしいつか日本に住むなら、大きめの図書館のあるところに住みたい。
今でも帰国したら、何度かは図書館に足を運ぶ。
「図書館戦争」シリーズも持っているし、「税金で買った本」もヤンマガで読んでいる。
娘たちの補習校の保護者委員会も図書委員会に入っている。
図書館が大好きだ!

これからも本を通じて、知らない世界に足を踏み入れたい。

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