失敗事例1 子供の嫌いな食べ物にどれだけ厳しくするか

最近息子の偏食が少しずつ落ち着きつつある。
まだ食べるようになって数日なので油断はできないけど。
さて、この偏食、やはり私の気質を受け継いでいるのかなと思う。

私は幼少期、息子ほど激しくはなかったが、好き嫌いが多かった。
というか、今も嫌いなものが多い。
私の場合、味というより、食感由来の好き嫌いが多めだ。

母の対応は

私の母はなぜか私の好き嫌いに厳しかった。
第一子の姉が好き嫌いのない子だったからかもしれない。
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で、毎食のように嫌いな食べ物を出したという話をしたが、それは幼少期だけではなかった。
中2の冬、私はインフルエンザにかかった。
当時0歳の弟がいたので、ナーバスになっていたのもあるが、母は感染した私を責めた。
出席停止で家にいる間、毎日怒鳴られたり、お前のせいで昼ごはん作る手間が増えたと怒り狂った。
何か罰を与えたかったのか、母は私が好き嫌いするせいで病気がうつるんだ、他の家族は誰もならないのにと言って、毎日私の嫌いな長芋を昼食に出し続けた。
当然残すことは許されなかった。
私だけがインフルエンザになったのはべつに好き嫌いが多いからではない。
当時私は寮で集団生活をしていて、何人かの感染者と接触していただけだったのだ。
冷静に考えれば分かるはずだが、母は私の好き嫌いの多さが許せないと常日頃から思っていて、それに執着してしまったのだろう。

兄弟間での違い

この好き嫌いの厳しさを兄弟全員に適用していたらよかったのにと私は感じていた。
異常な厳しさも平等なら受け入れられた。
特に母は妹がお気に入りで、一番甘かった。
妹は小さい頃卵の黄身が苦手でゆで卵の白身だけ食べていたが、母は咎めることなく容認していた。
他にもこんなことがあった。
おせちの中にあんぽ柿というものが毎年用意されていた。
家族全員好きではなかったのに、父はそれを用意するのをやめなかった。
おせちにはこだわりがあったのだろう。
しかし全員が嫌いなので押し付け合いになった。
1人一つずつ盛り付けられてみんなイヤイヤ食べていたが、ある年は様子が違った。
食べたくなかった姉が私の見ていない隙に私の皿に移したのだ。
それを見た妹も真似をした。
私だって食べたくないのに三つになってしまった。
母はそんなことしないで自分で食べなさい!とは叱らなかった。
私はそれが理不尽で悲しかったのだ。

教訓

子供の好き嫌いについてどの程度厳しくするかという問題は親によって差が出るところだ。
少なくとも私は自分の経験から、兄弟間で対応を変えないということを第一に考えたい。
体が弱いとか嫌いなものが多いからとかで厳しくしたりするのは良くない。
それから私の母は、嫌いなものを残したかったらご飯全部食べるなと言っていたが、これもやりすぎだと私は思った。
味付けや調理法でもしかしたら食べられるかもしれないから一口は食べてみてほしいが、無理して完食するより、それが好きな人にあげて美味しく食べてもらえた方が作り手としては嬉しい。
その食材じゃないと摂取できない栄養素というのは滅多にないので、いくつかの食材が食べられなくてもそこまで気にする必要はないのではないだろうか。
そして母はこだわりが強く、食べ方を工夫するということをしなかった。
ある日「揚げた長芋なら美味しく食べられた」と母に話したら、そんなの食べる意味がないと一蹴されたのを覚えている。
母の中では長芋は生で食べると決まっていたのだろう。
確かに加熱すると栄養は減るが、そんなことを言ったらほとんどの食材がそうである。
私は息子がなかなか食べてくれない時、いろいろな工夫をした。
細かく切って何かに混ぜたり、味付けをあれこれ変えたり、調理法を変えたり。
せっかくだったら美味しく楽しく食べてほしいなと思う。
食事は栄養摂取が主な目的だけど、季節の食材を楽しんだり、食卓を囲んで団欒の時間にしたりという面もある。
だから、栄養のためにこれはこの食べ方と決めてしまったり、嫌いなものを無理強いしてしまうのは食卓をつまらないものにするという意味でもったいないことなのだ。
これから子供が大きくなっていく過程で好き嫌いが多くても、母のように取り憑かれてはいけないと自分に言い聞かせておこう。
ある程度の嫌いなものは許容しつつ、子が食べられる調理法を模索しながらやっていきたい。
ただし作る人への敬意は忘れてほしくないので、嫌いだからって簡単に他のメニューを要求したり、残しておいてお菓子ばかり食べたりとかは厳正に対処するつもりだ。
優しくするのと甘やかすのはやはり違うので。

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nico
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