ひとりはかなしくうれしいこと #文学フリマで買った本
大島に向かうジェット船、大型客船、インバウンド船と呼んでいる観光客をたくさんのせた松本零士デザインの船、貨物、消防船、練習船、夜にはたくさんの屋形船。様々な船を見て暮らしていると、いつかあの船に乗ってみたいどこかにいきたいと思うのだけど、たぶんそれはひとりじゃないような気がします。
ひとりでいく、という自由さと孤独さは知っているつもりです。ハワイ、タイ、フィリッピンはひとりでいきました。だけど、マラソン、留学、レース等の目的がありました。留学は生活でしたが「ひとりでいく」というのとはだいぶ違うような気がしました。
ひとりでいく 関根恵
noteで尾道の旅行記を読んでいたのでこれはまちがえなし!もっと知りたい、読みたいと購入しました。著者の関根恵さんにもはじめてお会いしお話ししながら本を選べたのがうれしかったです。
南伊豆、尾道、奄美大島、京都、大阪、神戸、博多、うきは、久留米の旅行記。アートワーケーションプログラム参加、仕事、取材もあるけど家を借りての生活です。
お買い物にいってご飯をつくったり、お散歩したり昼寝したり美容院にいったり知り合いに会ったり。旅の中でも日常が自然に流れていてそれがとても心地いい。
声高々に旅にいってきました!ひとりです!というのでなく、じんわりと静かに凛として。
旅でもそうでなくっても人に出会うとこういうことがある。ひとりでいって人に会う。人に会ったことで広げていくことが好き。
ご自身が地のものでつくったご飯や知り合いの方々がつくっているご飯もおいしそう。映像や写真でなく文字でおいしそう、と思える描写で臨場感があるけど力が抜けている。さらりと。だからおいしさが伝わる。
ひとりって、緊張感があったり力がはいっちゃう気がするけど素直に抜いていて。
素直にひとりということを肯定し潔く生きていく、落ち着いた大人の旅行記です。
ありがとうございました。