違う立場になってみる
アクアスロンのボランティアに参加しました。アクアスロンというのは水泳とランニングを連続して行うマルチスポーツです。
会場の設置からはじまり氷、飲み物等の買い出し、受付を担当しランコースのスタッフとして手伝わせていただきました。
わたしは、トライアスロンの選手としてもトライアスロンレースに参加しています。選手の立場とそれを支えるボランティアの立場、ふたつの立場を経験するということは、いろいろなことにつながっていくと改めて感じました。
スタート前の不安な気持ち、泳いでいるときのも恐怖、トランジッションでの焦り、身体を連続して動かし続ける難しさ、楽しさ、ゴールの爽快感、仲間の大切さ、応援が力になることを知っています。
選手の方々の名前や育ってきた環境、仕事、年齢も知らないけど、今彼らが行っているスポーツの素晴らしさを知ってます。
身体と心と頭を連動させて、それらを全部使うことが一生懸命。
どうしたら彼らが走りやすいか。
どうしたら彼らのパフォーマンス、モチベーション向上に
つなげることができるか。
反対の立場にたったとき、相手の気持ちに寄り添うことができます。
認知科学の研究者である今井むつみさんが、無自覚なスキーマ(その人の当たり前みたいなもの)を持っていてそれをベースにしかコミュニケーション
は取れない、という事実を理解することが重要と言います。相手に伝わらないのは、相手の立場で考えられる力の不足が原因ならば相手の立場になれるという経験は貴重です。
選手とボランティアの関係だったけど、そこにはかすかなコミュニケーションがありました。
わたしのスキーマと彼らのそれは違うけど、共通の好きなことでつながってます。好きなことなら反対の立場になれるのではないでしょうか。
本を読むことと書くこと、音楽を演奏することと聴くこと、食べることとつくること。2つの経験と2つの気持ちがそこにあることがわかります。
トライアスロンは複合競技です。ひとつじゃないからおもしろい。
3つあるから逃げ道もあります。スイムがだめでも次頑張ろうと思えます。
選択肢がある、というのは世界が広がります。
未来のためにできること。
好きなことを大事にすること。
それだけじゃないと知ること。
違う立場になってみること。
参加者の方々、スタッフの方々ありがとうございました。
(8月31日・豊洲アクアスロン)
参考文献