かなしく死ねるように思われた、太宰治の愛した宿
太宰治の「姥捨」は、小山初代さんとの心中事件が題材となった作品です。谷川温泉が舞台で『旅館たにがわ』の前身である『川久保屋』の老夫婦が登場します。太宰治は、『川久保屋』に療養のため1ヵ月近く滞在し、『創世記』を執筆しました。
2泊3日の登山、トレッキング、ラフティングを楽しんだ際に『旅館 たにかわ』にお世話になりました。
チェックインは、フロントに立ったままでなくきちんと、ロビーのソファに座ってで、食事の時間と夕食の岩魚を塩焼きにするか、唐揚げにするか、朝食の魚は鯖か鮎かの好みを聞いてくださいます。好みの浴衣を選び、部屋に案内していただきました。
案内していただいた方に、「靴下洗濯します」と言われましたが、靴下でなく登山のときのアームフォーマーとマスクをお願いしました。旅館の専務さん、お会いしてませんがトライアスリートだとか。サイクリストにも優しく、バイクジャージも洗濯します、とHPにありました。
登山で疲れた身体にやさしい温泉でした。
夕食は、個室でゆっくりいただきました。
群馬の食材をふんだんに使った、やさしく懐かしいお料理でした。お米が美味しい!!
お米が美味しくって、おかわりしちゃいました。
宿から2kmぐらいのところにも文学碑があります。
マイルがたまっていたので、JALクーポンにしてそれが使える旅館ということでこの旅館にしました。おかげでほとんどクーポンで支払うことができました。
嘉七は、水上の美しい自然の中での死を意識し、死を覚悟したはずのかず枝のずぶとさを感じます。
かず枝は、水上の宿のおばさんと気が合っていて。
宿の老婆が、宿を立つ嘉七とかず枝を追いかけてきて、手作りの真綿を手渡してきたようなほっとする気遣い。
それは、靴下を洗ってくださるサービスややさしいお料理につながって、引き継がれていると感じました。