マイナースポーツでスクールを経営するのに必要な能力って?
スポーツを一生懸命続けてきている人たちは、一度は「このスポーツで将来生活していきたい」と思ったことはあるんじゃないでしょうか?
しかし、メジャーなスポーツならまだしも、マイナーなスポーツで食べていくにはそれ相応の覚悟と信念が必要となってきます。
今回は、当時はマイナーで、現在は多少世に知られてきたダブルダッチを仕事にして食べていくと決めた自身のスクール経営までの流れと現在まで続いている今だから言えることを書き記していこうと思います。
初めは仕事の副業として始めました。
まずどの業種としてそのスポーツを仕事にするか悩みどころですよね。選択肢は色々あります。しかし、一番シンプルに思いつくのは指導者という立場ではないでしょうか?
僕がマイナースポーツで食べていくと決めたのは、大学生時代ですが、こちらは「ダブルダッチ教育家物語」で書いているので省きます。
当時10年計画でスクールを開業して食べていくと決めていましたが、10年後にポンっとできるとは思っていなかったので、修行期間中で療育施設でサラリーマンをやっていた期間から、密かに休みの日を利用して週に1回ダブルダッチスクールを立ち上げました。
もちろん、信念はあるものの、どういった指標で、何を目標にし、どう顧客満足を得るかなどはほとんど定まっていません。基本的には勢いです。
ただ、まずは一度試してみたかったのが本音です。今後経営していくためにはいくら経営知識を身につけて、いくら必要な技術を身につけても、実践経験に勝るものはないからです。
案の定、立ち上げて1年間で入会した生徒は14人。入っていただけただけ幸運ですが、基本経費で赤字となるので、うまくいっているとは全く言えません。
結果から見るとマイナスですが、逆の見方をすれば、「スクール運営未経験でも14人も入ってくれる人がいた」という成功体験が得られたと考えられます。
ここで経営に必要な力の一つがわかりました。
「ネガティブな事象をどうポジティブに変換するか」ということ。
これは、サラリーマン経験がある方はわかると思いますが、雇用されているとお金を生み出すためのシステムを創る側ではなく、そのシステムの一部を担う側になるため、余程自身が天職として自信をもち、好きな仕事と考えないと「やらされている感」を感じるようになります。そうなるとネガティブなことをボジティブに変換ではなく、ストレスへ変換します。
自分が好きだからこそ全てが自己責任、そして自由。その代わり壁は常に立ちはだかり、超えた先に新しい世界が見える。これを学びました。
独立してからは壁しかない。
結局のところ、独立するかしないかは、本人の覚悟次第なところがあります。「十分にお金が貯まってから」「もっと経営学を学んでから」、もちろん大事なことですが、そうこう言っているうちにチャンスを見逃していき、歳を重ねるだけです。
ネガティブをポジティブに変換する能力を学んだ僕は、基本どんなことがあっても生きてさえいれば行動できるという根本原理ができ、スクール設立1年後に独立しました。
自己資金と貯金は創立にかかった経費などを抜いて約60万円。ダブルダッチスクールはスタジオを借りて週1回開講している教室のみ。利益はマイナス。給与はない。マンション購入していてローンがある。さらにこの時、妻と妻のお腹に息子がいました。
この情報を見て、どう考えますか?
「60万円あれば何ができるかな?」と考えた方は事業者向き、「この60万円を節約して使わなきゃ」と思った方はサラリーマン向きですかね?
僕は前者で、明らかにマイナススタートなこの状況でも、不思議となんとかなる気がしていました。ちなみにこの60万円は、人脈作りと投資に充てました。
細かく言うとキリがないほど、事業をしていると困難が次々訪れます。そんな時に乗り越えられるのはプラスな可能性を見出して行動できる人だと思います。これも経営には重要な能力の一つですね。
設立当初の自分と現在の自分で明らかに違うこと
設立して、どうしても初め捨てられなかったのが「プライド」です。自分の好きなことに自信を持って取り組んでいるので、誰にも負けない、負けたくない気持ちが強く、変な見栄を張っていました。
具体的には、合同会社なのに肩書きを「代表社員」ではなく「CEO」にしたり、いきなり雑誌取材を受けて大きく取り上げて欲しいから高額な料金払ってみたり、レッスン料金を倍に上げて自身の価値を勝手に上げてみたり、、、
それでいくらのお金をつぎ込んでたくさん落ち込んだことか、、、今ではいい勉強代です。
ただ、この「プライド」もいい方向に転ぶこともありました。
事業者同士の伝手で、知り合った方で、初対面なのに独立するためお金を貸して欲しいと言われ、年齢も下だったので見栄でその日に貸してしまったことがありました。それからしばらくは生活ヤバかったですが(笑)
でも、数年経ってその方は独立して今も生き生きと頑張っています。その応援ができたことはあの時の判断は間違っていなかったと思いました。その後も僕に利のある繋がりを持ってきてくれたりもしたのでありがたい縁でした。
ここでさらに経営を続ける上での大事な能力をもう一つ、「人を信じ、人から学び、助けてもらう勇気をもつこと」。
紆余曲折と壁を乗り越えるうちに、自分の中のプライドはなくなり、同じ視点をもつ経営者の皆さんを尊敬するようになりました。業種は違っても熱意と人や社会に貢献する視点、方向性は一緒なので、話していて自身の事業にもとても参考になるし、新しいことが生まれることもあり、すごくワクワクします。同じ苦労と壁を乗り越えてきたからこその「仲間感」がとても感じられます。なので苦しい時は素直に「助けて」と言えます。
この世界は、サラリーマンではほとんど味わえないと思います。だってそこにネガティブな言葉なんて出てこないから。みんな自分をさらけ出して夢の話しかしません(笑)
現在スクール経営を始めて5期目に突入しました。人に誇れる経営者とはまだまだ言えませんが、現在は教室も4教室に増え、生徒も約150名ほどです。ダブルダッチを主軸として、ダブルダッチに必要なアクロバット、体操、ダンスもクラスにあり、幅も広がりました。他にもイベントコンサルティングや人材マネジメントなども行っています。事業者の知り合いもたくさん繋がっていただき、助け合ってお互い事業をしています。
今回お話しさせていただいた内容をまとめると、スクール経営に限らず、その他の業種も含めて言えることだと思いますが、以下の項目です。
・「ネガティブな事象をどうポジティブに変換するか」
・「物事のプラスな可能性を見出して行動できるか」
・「人を信じ、人から学び、助けてもらう勇気をもつこと」
以上のことが重要かと思っています。
「実際にお金を稼ぐやり方はわからないじゃん!」と思うかもしれませんが、そう思った時点で事業者向きではないことをここではお伝えしたいです。
僕は「お金を稼ぐ方法」は分かりませんが、「お金が巡る方法」を今実践しているつもりです。
同じようなマイナースポーツで経営者をしている方やしたいと思っている方々と繋がって何かしてみたいと常日頃思っているので、そんな方いらっしゃいましたらフォロー、コメントお待ちしてます(^^)