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この先に広がる無限の可能性
『僕が君の名前を呼ぶから』
を読みました。
乙野四方字さんが紡ぐ、心温
まるパラレルワールドの物語
です。
『僕が愛したすべての君へ』
と『君を愛したひとりの僕へ』
の世界観を引き継ぎながら、
新たな視点で描かれる愛の物
語に、私は引き込まれてしま
いました。
僕が君の名前を呼ぶから
乙野 四方字 (著)
人々が少しだけ違う並行世界
間で日常的に揺れ動いている
ことが実証された時代──虚
質(きょしつ)科学を研究する
母と専業主夫の父とともに暮
らす今留栞(いまどめ・しお
り)は、中学2年の夏休みに
訪れた元病院の敷地内で、内
海進矢(うつみ・しんや)とい
う青年と出会う。
彼は鬼隠しに遭って姿を消し
た少年について調べていると
いうのだが……
別の並行世界を生きた、もう
一人の栞の物語。
『僕が愛したすべての君へ』
『君を愛したひとりの僕へ』
に続く待望のスピンオフ長篇
乙野 四方字 (著)
Amazonより
物語の舞台は、並行世界の存
在が科学的に証明された近未
来です。
主人公の今留栞が、中学2年の
夏休みに出会う内海進矢との
関係性が、繊細かつ丁寧に描
かれています。
内海進矢は、元病院の敷地内
で栞と遭遇する青年で、鬼隠
しに遭って姿を消した少年に
ついて調べているという謎め
いた人物です。
この出会いが物語の重要な転
機となり、栞の世界に新たな
展開をもたらします。
読み進めていくと、私たちの
日々の選択がいかに重要であ
るかを深く考えさせられまし
た。
物語の中で描かれる並行世界
の概念は、私たちが日常的に
行う選択の重みを鮮やかに浮
き彫りにしています。
例えば、主人公の栞が内海進
矢と出会うシーンでは、もし
彼女がその日別の場所に行っ
ていたら、二人の運命はどう
変わっていたのだろうかと想
像せずにはいられません。
この「もし」の連鎖が、実は
私たちの人生にも常に存在し
ているのです。
並行世界の設定は、私たちが
日々直面する選択の一つ一つ
が、実は無限の可能性を秘め
ていることを示唆しています。
朝起きてどの服を着るか、ど
の道を通って学校や会社に行
くか、誰と話すか。
これらの一見些細な選択が、
実は私たちの人生の方向性を
大きく左右する可能性がある
のです。
さらに、この物語は「選ばな
かった道」についても深く考
えさせてくれます。
私たちが選択しなかった可能
性は、別の並行世界で実現し
ているかもしれない。
この考えは、私たちの選択に
対する責任感を高めると同時
に、選択の結果を受け入れる
勇気も与えてくれます。
虚質科学を研究する栞の母と
専業主夫の父という、少し変
わった家庭環境も興味深いポ
イントでした。
この独特な家族構成が、栞の
視点や経験に深みを与え、並
行世界という複雑な概念を身
近に感じさせる要素となって
います。
特に印象的だったのは、「鬼
隠し」という謎めいた事件を
軸に展開するストーリーです。
これが栞と進矢の出会いのき
っかけとなり、二人の関係性
を深めていく様子に、胸が高
鳴りました。
栞と進矢の関係性の発展や、
鬼隠しの謎を軸に展開するス
トーリーは、読者を惹きつけ、
並行世界の可能性や選択の重
要性について考えさせる仕掛
けになっています。
この作品は、『僕愛』『君愛』
のファンにとっては待望のス
ピンオフです。
別の並行世界を生きるもう一
人の栞の物語が明かされるこ
とで、原作の世界観がさらに
広がり、深みを増しています。
読み進めるうちに、選択の重
要性と、その先に広がる無限
の可能性について考えさせら
れました。
並行世界という設定は、私た
ちの日常にある「もし違う選
択をしていたら」という思い
を鮮やかに具現化しています。
感動的なラストシーンは、き
っと心に深く刻まれると思い
ます。
栞の願いが叶う瞬間に、私は
思わず涙しそうになりました。
パラレルワールドという斬新
な設定でありながら、登場人
物たちの感情や葛藤は非常に
リアルで共感できます。
恋愛小説が好きな方はもちろ
ん、人生の選択について深く
考えたい方にもおすすめの一
冊です。
Kindle版
![](https://assets.st-note.com/img/1736256442-a9oZsCijWJFqUEHgh5ufmyYt.jpg?width=1200)
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自己紹介
noteがスキ❤️になってきた。より
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