深い余韻と感動
シリーズ完結巻『妖奇庵夜話
千の波 万の波』を読みまし
た。
深い余韻と感動に包まれまし
た。
2023年7月に発売されたこの
作品は、長年にわたってファ
ンを魅了してきたシリーズの
集大成として、見事な締めく
くりです。
妖奇庵夜話
千の波 万の波
榎田 ユウリ (著)
東京下町にひっそり立つ妖奇
庵。
そこは妖人茶道家・洗足伊織
の茶室だ。
《管狐》の夷、《小豆とぎ》
のマメとともに、穏やかな日
々を過ごす伊織のもとへ、久
しぶりに刑事の脇坂がやって
きた。
元水泳選手であり、トラブル
を抱えた妖人《河童》を連れ
て……。
ほか、青目と二人きりで密や
かに過ごした時間が、伊織視
点、青目視点それぞれで綴ら
れた物語も収録。
中村明日美子のコミックも収
録した、真の完結巻！
＊妖奇庵夜話の「き」は王扁
に奇です。
妖奇庵夜話
千の波 万の波
榎田 ユウリ (著)
物語は二つの章で構成されて
おり、特に印象的だったのは
「千波万波」の章です。
ここでは、伊織が青目に目を
捧げた後の二人の生活が、両
者の視点から描かれています。
海辺の家で過ごす静かな日々
は、一見穏やかでありながら、
常に哀しみが寄せては返す波
のように二人を包み込んでい
ます。
青目が和服を着付けられない
ため、伊織が洋服姿で過ごす
様子が中村明日美子さんの美
麗なイラストで描かれている
のは、ファンにとって貴重な
一枚となっているでしょう。
この視覚的な変化が、二人の
関係性の変化を象徴している
ようで印象的でした。
特に心を打たれたのは、青目
の心情描写です。「その瞬間、
俺ははじめて知った。
絶望という感覚を。」という
台詞に、これまでの青目の行
動の背景にあった感情が凝縮
されているように感じました。
「河童」の章では、新たな妖
人キャラクターの登場により、
物語に新鮮な風が吹き込まれ
ています。
元水泳選手という設定も相ま
って、水に関連する妖怪であ
る河童の特性が巧みに活かさ
れた展開が印象的でした。
中村明日美子さんのコミック
が収録されているのも、ファ
ンにとっては嬉しい特典です。
文章で描かれた世界観が、視
覚的にも楽しめるのは大きな
魅力です。
『妖奇庵夜話』シリーズは、
ミステリーとファンタジー、
そして人間ドラマが絶妙なバ
ランスで融合した作品でした。
この完結巻は、これまでの伏
線を丁寧に回収しつつ、新た
な可能性も示唆する内容とな
っています。
シリーズを通して描かれてき
た伊織と青目の複雑な関係性
が、この作品で一つの到達点
を迎えたことに、深い感慨を
覚えました。
同時に、妖奇庵の面々の今後
の物語への期待も膨らみます。
榎田ユウリさんの繊細な筆致
と、中村明日美子さんの美し
いイラストが相まって、忘れ
がたい物語体験を提供してく
れた本シリーズ。
この完結巻は、長年のファン
への最高の贈り物でした。
Kindle版
Audible版
３０日間無料
オーディブル登録はこちら
👇
………………
自己紹介
noteがスキ❤️になってきた。より
#私の本棚
#本
#読書
#勝手にオススメ本
#オーディブル
#朝のルーティーン
#本をオーディブルで読む生活
#本を耳で読む生活
#妖奇庵夜話千の波 万の
#榎田ユウリ