コーヒーの湯気とともに
川口俊和著
『コーヒーが冷めないうちに』
不思議な喫茶店「フニクリフ
ニクラ」を舞台にした4つの心
温まる物語を収録した小説です。
コーヒーが冷めないうちに
川口 俊和 (著)
あらすじ
この喫茶店には、過去に戻れ
る特別な席があるという都市
伝説が存在します。
しかし、その席に座って過去
に戻るには、複雑で厳しいル
ールを守らなければなりませ
ん:
喫茶店を訪れたことのない
人には会えない過去を変えることはできな
い特別な席には先客がおり、
その人が立ち去るまで座れ
ない過去では席から動けない
過去に滞在できるのは、コ
ーヒーが注がれてから冷め
るまでの間だけ
これらの制約にもかかわらず、
様々な思いを抱えた人々が喫
茶店を訪れます。
本書は4つのエピソードで構
成されています:
「恋人」:
結婚を考えていた彼氏と別
れた女性の物語「夫婦」:
記憶を失っていく男性と看
護師の物語「姉妹」:
家出した姉と食いしん坊の
妹の物語「親子」:
喫茶店で働く妊婦の物語
各話の主人公たちは、過去に
戻ることで大切な人との再会
を果たし、伝えられなかった
思いを伝える機会を得ます。
しかし、現実を変えることは
できないというルールの中で、
彼らは自分の気持ちと向き合
い、未来への希望を見出して
いきます。
解説
『コーヒーが冷めないうちに』
は、タイムトラベルという非
現実的な設定を用いながら、
人間関係の機微や人生の選択
について深く掘り下げた作品
です。
過去に戻れても現実は変えら
れないという制約は、むしろ
登場人物たちの内面的な成長
を促す触媒となっています。
物語は、「カランコロン」と
いうカウベルの音や、「コー
ヒーが冷めないうちに」とい
うフレーズを効果的に用いて、
ミステリアスな雰囲気を醸し
出しています。
同時に、コーヒーの湯気とと
もに時空を超える描写は、想
像力を刺激します。
各エピソードは独立していま
すが、喫茶店という共通の舞
台を通じて緩やかにつながっ
ており、全体として調和のと
れた物語世界を構築していま
す。
感想
『コーヒーが冷めないうちに』
は、心に深く響く作品です。
私自身、この本を読んで強く
心を揺さぶられ、涙を流しま
した。
特に印象に残ったのは、人間
関係の複雑さと、コミュニケ
ーションの大切さです。
身近な人でさえ、その本当の
気持ちを理解するのは難しく、
想像以上に異なる考えを持っ
ていることがあります。
この作品は、大切な人との関
係を大切にし、伝えるべきこ
とは今伝えることの重要性を
強く訴えかけてきます。
また、過去は変えられなくて
も、未来は自分の気持ち次第
で変えられるかもしれないと
いう希望のメッセージも心に
残りました。
この物語は、困難な状況にあっ
ても前を向いて進んでいく勇
気を与えてくれます。読了後、
私は自分の人間関係を見直し、
大切な人々ともっと真摯に向
き合おうと決意しました。
この本は、人生の岐路に立っ
たとき、あるいは何か困難に
直面したときに、再読する価
値のある作品だと感じていま
す。
ただし、感動的な内容のため、
公共の場で読むときは注意が
必要かもしれません。
それでも、この心温まる物語
が多くの人の心に届き、前向
きな変化をもたらすことを願
ってしまいます。
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自己紹介
noteがスキ❤️になってきた。より
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