失われていく愛しさ
『愛しさに気づかぬうちに』
川口俊和著「コーヒーが冷め
ないうちに」シリーズの第6
作目です。不思議な喫茶店
「フニクリフニクラ」を舞台
に、4つの心温まる物語が展
開されます。
愛しさに気づかぬうちに
川口 俊和 (著)
あらすじ
喫茶店「フニクリフニクラ」
には、過去に戻れる特別な席
があります。しかし、その席
を利用するには厳しいルール
があります。
この制約の中で、4人の人物
が過去に戻る決意をします:
お母さんと呼べなかった娘
彼女からの返事を待つ男
自分の未来を知りたい女
亡くなった父親に会いに
行く中学生
第一話では、継母との関係に
悩んだ岸本アザミが、大人に
なって初めて継母の愛に気づ
き、謝罪するために過去に戻
ります。
第二話では、中学生の沖島友
和が、誤解から気持ちを伝え
られなかった小崎カンナに、
7年越しの思いを伝えるために
過去に戻ります。
第三話では、癌の診断を受け
た加部利華子が、5年後の自
分の運命を知るために未来に
行きます。
第四話では、突然亡くなった
父親に会いたい中学生の須賀
ツグオが過去に戻ります。
解説
『愛しさに気づかぬうちに』
は、「すれ違い」をテーマに
しています。
近くにいたからこそ生じるす
れ違いや、気づかないうちに
失われていく愛しさを丁寧に
描いています。
川口俊和さんは、人生の分岐
点について深く考察していま
す。
「もし、未来が見えるのなら
後悔は回避できる。
それができないから苦しむの
だ。」という一節は、本作の
テーマを象徴しています。
感想
『愛しさに気づかぬうちに』
は、心に深く響く作品です。
私は読みながら、自分の人生
を振り返り、大切な人々との
関係について考えさせられま
した。
特に印象に残ったのは、継母
との関係を描いた第一話です。
家族の形が多様化する現代に
おいて、血のつながりを超え
た愛情の形を描いた点が心に
響きました。
川口俊和さんの優しい筆致は、
登場人物たちの心の機微を丁
寧に描き出し、共感を誘いま
す。
過去を変えられなくても、そ
の経験を今後の人生に活かす
ことができるという希望が、
物語全体を通じて伝わってき
ます。
この本を読んで、私は自分の
周りの人々との関係を見直す
きっかけを得ました。
日常の中で見落としがちな「
愛しさ」に気づくことの大切
さを、身をもって感じました。
本作は、人生の岐路に立った
とき、あるいは大切な人との
関係に悩んだときに、再読す
る価値のある本だと感じてい
ます。
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自己紹介
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