#古賀裕人さん
ラストダンス【エンタメ小説】
※本文は1,840字数です。
生まれてはじめてのアダルトレビュー⭐︎は最悪だった。結局、世の中の誰も求めてやしない代物なのだから。煮ても焼いても炙っても、アダルトレビュー⭐︎はアダルトレビュー⭐︎にしかならない。
冒頭から「シンジ君!シンジ君!」と逆突っ張り棒をひたすら掲げながら一晩中踊り続けた。俺は明らかに赤面して、まるで自分自身があのハギワラシンジになったつもりでいた。
兎にも角にも
ヒロト⭐︎シンジ 1.2.3【ショートストーリー】_第六回私立古賀裕人文学賞投稿作品
ーこの物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ある映画の字幕にこうただし書があるのを僕は凝視していた。唯一無二の親友なのか、もしや恋人同士なのかわからない恍惚の表情を浮かべている。「我々はシンジンルイだ」と男二人は不敵な笑みを浮かべて。彼らは一体何者?その奇妙な邦画作品は古びた町にある最古のレンタルビデオ屋で見つけた。僕が生まれて初めて立
神々のオッサン達【ショートストーリー】
病室にいる間はずっと、何か自問自答を繰り返していた。誰かの声掛けがまるで病室を彷徨う羽虫音のようにも聞こえていた。
ーまるで、暗くまどろむような空間だった。
「裕人よ、どうしてこうなった?」鬼沼のようなドス黒い声だ。
「前日、仕事中に軽い眩暈がして、そのままフラーっと歩いたら三途の河が見えて・・・」裕人は2mもの大柄な体躯を揺らせて言う。
「第一だな、お前は死人リストには入っていないの
筋書きのないストーリー【ショートストーリー】_第五回私立古賀裕人文学賞投稿作品
「いいですか、みなさん。今日の宿題は、家族全員分の座右の銘ですからね」
教室中の皆が一斉に無口になり、状態が引き潮と化した。教師よ、どうしてくれるこの空気。
家族間のコミュニケーション不足が昨今の問題とはいえ、座右の銘を家族全員から聞き出すなんてあまりにも野暮過ぎないか。世知辛さを通り過ぎて、もう笑うしかない。
帰宅した後は自室に一人こもった。誰か話しかけてくれないかな、と考えてみてもすぐ