夏目ジウ
これまでnoteに掲載した小説をまとめてみました。
寒い朝に君といる幸せ 離れないで心と身体 君が居ない未来・・・ 到底考えられないから 寒く無くたって君が愛おしい 愛しているなんてまだ軽々しく言えないけど 君がいないと私は生きていけないから 君の温もりが愛しくて なぜか少し切なくてちょっぴり怖くて涙が出た ずっと好きでいよう そうつぶやいたら君が泣いた 本当は自分に言い聞かせたはずなのに ずっと離れないで 君に言ったら何も言わず頷いてくれた 初めての朝 窓から漏れる陽は優しかった 【了】
昔から小説小僧だった。 小学生の頃通っていた進学塾が発行していた文庫本(芥川龍之介)を読んで感銘を受け、小説の魅力にはまっていった。両親が小説好きだったこともあったと思う。当時自宅の書庫にあった三浦綾子『氷点』、五木寛之『青春の門』などの名作を片っ端から読んだ記憶がある。祖母(父の母方)も小説が大好きで拝借した芥川賞の全集を一年ぐらいかけて読破した。大学時代は図書館に一日中籠って小説ばかり読んでいた。面白い小説かそうでは無いかを判別するのが楽しくて、人に小説を勧めるのが楽
1.君の瞳に僕は映らない 瞳に収まらない魅惑の姿は君の心に響く どこに居たって叶わない恋は何かで繋がっている 叶わなくたって願うだけでいつの日か愛になる 消えないで僕の恋心 つかまえたい野心 どうせなら死ぬまで君を想い続けたい 自分で自分を鷲掴みにして心とらわれたい 奪われたマジックハート 君のせいでキュン死させられました やけくそだらけの一方通行みたいな恋 歌そのものを謳う奇跡の物語 僕の恋心よ美しい歌に乗ってどこへゆく 2.君の脳裏に僕は残らない 頭に残らない不変の型(
生まれて来れて良かった 一瞬でもこう思えたら幸せである みな悩みを抱える 重いか軽いか 感じ方一つで変わる 一つだけ言えること 悩み過ぎないこと 悩み過ぎは生き急ぎるから もっと楽に考えよう 明るく前向きに good luck for me! 人生はいついかなる時も自分次第 なるようにしかならない 最後は風に任せるしかない 「生まれて来れて良かった」といっぺん呟いてみる 幸せか不幸せかはいつだって自分の心が決める 【了】
ぶれないと言いきる人は大概ぶれる ぶれるのは考えることが出来ないから 何も言わず黙っている人は自分を持っている 自分の意志のままに動くことを知っているから 過去や過程を気にする人はいつまでもネチネチと話をしたがる 自分の話を聴いて欲しいだけなのか それとも現実に満足していない表れなのか 自分の言葉にどれほどの影響力があるのか 言葉で伝える以上にどんな責任が伴うのか 知らぬ間に変な重荷を背負わされることはないか しっかり考えて行動できる人が一番強い デキる人とデキない人 一見
燦然と輝く星々にまだ見ぬ希望を想う 見知らぬ大切な人は今頃どうしているだろうか 今出逢えていないのは私が人見知りだからか 素直になれない頑固さが何かの邪魔をしている その人は近くにいるのか 近くにいるとすれば同郷なのか ひたすらに自己嫌悪の渦に嵌ってゆく 出逢っていれば人ひとりを幸せにしていたのか 私も幸福で何不自由のない暮らしをしていたのか だって今の私は幸せではないから もしかすると幸福感にまみれた生活だったかもしれない いや人生そのものが違うもので人生観すら違っていた
結婚して12年が経った。生まれて初めて、直近で一回りの周期が独身ではなかったことになる。その間に長女が産まれて、長男が産まれた。私の中にもだいぶんの気持ちの変化や、身体の衰えがあった。 12年もの間、良いことも沢山あったがショックなことも沢山経験した。一番ショックなことは自分自身がオトコではなくなったこと。世の中の綺麗な女性を見て全く何も思わなくなってしまったのだ。いわゆる異性に対しての一目惚れの感性が全く無くなった。 結婚したのは34歳だったから、ある程度は予想してい
遥か先に見える水面に三つの生命体が映る 朧げな記憶は君を繋ぐ強い運命(さだめ) 忘れたくなかった 忘れるはずなどなかった あの時脳裏に焼きついた台詞が今甦る 悲しい出来事 後悔の念だけはなぜか消し忘れてしまった 自分だけが生き残ってしまった激しい嫌悪感 本当は悔やみきれなかったはずなのに 深すぎる悲しみが自我すらも崩壊させた 妻も娘も息子も亡くした悲しみは怨念 生まれ変わったのか いやいつ自分は居なくなった 本当の自分探しの為にココにいるのか 泣きながら妻子を探す 向こう
ごく自然に君を瞼に浮かべる 歩んだ茨の道も星数の挫折も栄光に向かっていた いつも上手くいかないと人のせいにしていた 自省なんかありゃしない自暴自棄の生活 誰も自分なんかに見向きはしない 誰も自分なんかを人間だとは思わない そんな僕に女神に似た明るい未来が舞い降りた 神様が降臨するなんて夢の世界にしかないと 初めて君を見てから眠れない日が続いた 現実よ醒めないでと夢に向かって叫んだ 君はどこから来たの なんで笑ってくれたの 僕の名前を優しく呼んでくれたの 君に出逢った長く続
人気があるからと言って一旦逃げる (自分は大丈夫だ) 見える 他人のお金を使っておいて私利私欲を働かす 見えない 味方が無職になっても自分は生き残る 見えない いつの間にか泥船になっていく 見える いつの間にか人気が落ちていく 見える 人気が落ちるどころか人が離れていく 見える 人が離れるどころか自分が落ちていく 見える 自分が落ちるどころか存在が消えつつある 消える 最初は王様だったのが裸の王様みたいになっていく 脱がされる 裸の王様ではなく裸の大将みたく
あいつは運が無いって言うだろ ついてないから良かったんだよ 変にババ引かなくて こう言って自分に光が当たらないことを 誰からも注目されないことを 異性から相手にされないことを 嗤っている ヒーローになんかなれなくていいんだ アンチヒーローのままで終わるから楽なんだ 誰からも存在を認められなくて 誰からも尊敬なんかされなくて 天涯孤独でずっと暗黒時代で ドン底しか見てやしないんだ 一回でいいから前向きになりたい 一回でいいから前向きになりゆく 誰に影響されるのか誰に出逢うのか
生まれてきたこと ーなかったことに 愛し合っていたこと ーなかったことに リーダーを選んだこと ーなかったことに 「なかったことに」という幻想 全ての過去がやり直せるならば生まれてこない 私が神だったら人類自体を創生しない そのくらい呆れている 「あなたは誰ですか?」 「神です」 「世の中は大丈夫ですか?」 「かろうじて、残っています」 「残っているとは?」 「国の偉い人たちはダメですが、ごく普通の人々には生きる権利があります」 「じゃあ、まだ大丈夫ですね」 「だから、大丈夫
人は変わりたいから生まれる 優しくされなくても 思い通りにならなくても 生まれ変われば現実になる 普通が一番 高望みは良くない ましてや自分に不相応の人なんて 普通に挨拶できる 普通に会話ができる 普通に人間関係が築ける 普通って普通にしておけば出来ること 少し人を小馬鹿にしたり 少し人を蔑んだり 少し人を貶めしたり そうする人は自分も他人からそうされている 自分が矮小になる 自分が卑屈になる 自分の常識を疑う 自分の生き方を否定する 思ってもいないことを空想する やが
つまるところ人の間に壁は無くならない 奥ゆかしさや 人情や はたまた愛や 何かが無いとルールが出来ないから 誰かが話して昭和的だの平成的だの令和的だのだっていまだに消えない さらに厳しくなって『ハラスメント』が登場してからは人はコロナになりあまり表向きには出れなくなった 答えを言ってはならない世の中になった これからも物を申せない日々は続く でも意見や主義やはたまた思想は持つ 自分を見失わないように これからも自分と付き合っていく 言葉と生きていく 【了】
結婚する前の自分は本当に独りよがりだった 自分の骨なんか海にでも撒いてくれればいいと さらには子供が出来て180度変わった 誰かを守らなくてはならないと 単にオトナになったのか コドモではなくなったのか それは分からない 少なくともコドモの立ち位置に自分は居れなくなった たった一人で逝きたいというささやかな夢は消えてしまったという想いは今でも残っている 一人じゃなくなっても 孤独にはなれなくても 人は一人で考える 考えが変わってしまっても 重荷を背負わされても ヒトリノジブン
地元大阪の某市にある母校中学校校歌の作曲をされたキダ・タロー先生が今年5月14日に亡くなった。主に関西に根付き、数多くの楽曲やCMソングを手掛けられた天才作曲家であった。全盛期には一日に数十曲の制作もあったというから、間違いなく不世出の芸術家『ナニワのモーツァルト』である。 中学校時代の音楽の授業前は毎回御大が創られた校歌を歌わなくてはならなかった。正直苦痛に思っていた。嫌々歌唱するのにその素晴らしさに気付くわけがない。今となっては、もっと歌詞を味わえなかったものかと悔悟