【読書】師匠 立川志らく著 志らくさんから学ぶ
七代目 立川談志に弟子入りした、立川志らく。
タイトル通り、師匠との日々を志らくの視点で描いている。
さすが、噺家さんが書いただけあって面白い。
話の緩急だったり、先を読みたくなるような展開、なによりテンポがいい。
私が無知で、落語に詳しくないせいだが、古典落語というのは代々引き継がれ、同じ内容をするものだと思っていたが、話を短くしたり、笑いのネタを仕込んでいって笑いを取っていくんだと。
寄席ってライブなんだと思った。
テレビからの印象ではあるが、立川談志は毒舌で破天荒。
すこし厄介なおじさん。
立川志らくも、歯に衣着せぬタイプ。カッとしやすい人なのかなと思っていた。
ふたりに共通しているのは、落語に対しての熱い気持ち。
思いや考えをストレートに表現するタイプだと思う。
志らくさんは、頭もいいのでしょう。談志との交渉のコツなどもつかんでみたり、それを見透かされてみたりと、ふたりのやり取りも可笑しい。
志らくさんの生き方に学ぶことがあった。
金原亭馬生に弟子入りしたいと思っていたのに、馬生が死んで葬式へ行く。
その葬式の後にたまたま談志の寄席で、運命の出会いを感じて弟子入りを決心する。
強く気持ちが揺さぶられたのだろう。
そういうものに巡り会う、それに気づくことができる。
気づいてもいろいろ考えて行動できないことが多い。
行動するかしないかで、人生も大きく変わるのかもしれない。
自分の気持ちに素直に行動できる人なんだと思った。
落語をするのに必要がないことは、したくないと兄さん達がしてることも、
やりたくない、行きたくないと断れること。
なんでもかんでも断れるわけじゃないと思う。
素直に自分の意見を言えるのは見習いたい。
自分に素直だから、ストレートな物言い、歯に衣着せぬなんて形容詞が突いたりするのかもしれない。
自分の気持ちに素直に行動したい。