本を通じてつながる
電車やカフェなどで、本を読んでいる人を見て、どんな本を読んでいるんだろうと気になります。
読書好き、はしです。
仕事と読書のお話です。
私は、病院で働く看護師です。
病院の待合では、何もせずにいる人、スマホを見ている人、編み物をしている人、短歌を作っている人、クロスワードやクイズを解いている人、パソコンで仕事をしている人などなどいろいろです。
読書をしている患者さんもいます。
たまに、患者さんと読んだことがある本の話などで、少し盛り上がることもあります。
患者さんからの要望
以前、本の話しをしたことがある患者さん。
体調や薬のことなどを確認していた時、
「おすすめの作家さんや本を教えてもらえますか。何を読んでいいか分からないので。」と、言われました。
すぐに自分の好みを並べてもいいのですが、ミステリー好き、ほっこり系、歴史、ファンタジーと小説と言っても人によって好みや読む傾向も違います。せっかくすすめるなら楽しんでもらいたい。
しかも、治療中の患者さんのことを考えると、元気がでるものがいいか、それとも気持ちが落ち着くものがいいか、ハッとするようなトリックがあるものがいいかと、逡巡します。
私は仕事中なので、いつまでも考えているわけにもいかず、自分の好きな作家さんを答えました。
今は亡き作家さん、現在も執筆している作家さんなど織り交ぜながら。
間に、好みの小説のタイプを聞いたりして、それならこの人のこのタイトルは?みたいに。
患者さんは、全てメモにとってくれていました。
後日、おススメした本を読んだ感想も聞かせてくれました、
中には、「ちょっと、理解しにくい話でした」というものもありましたが、「本を読んで、物語の中に集中していると、イヤなことを忘れることができていいですね」とも。
治療の辛さなども話されていたので、読書の時間だけでも病気から気持ちを解放され、気分転換につながればと思ったのでした。
私自身、選書サービスを利用したことはあったけど、いざ自分が誰かのために本を選ぶことになったら、本当に悩む。
本の好みだけではなく、今はどんな気持ちでいるか、読書に何を求めているか。
そんなことを考えながら、本を選ぶって大変だけど、本との出会いを運ぶ仕事は素敵だなと思いました。
本の紹介
『あすは起業日 森本萌乃』
※Amazonアソシエイトではありません。
タイトル通り、起業していく話。
リストラされた主人公が会社員時代に、副業でしていた選書サービスを本格的に事業展開していく。
ビジネス用語の解説も小説の中に出てきますが、知らない言葉がいくつも出てきて、調べながら読みました。
起業のノウハウ、資金調達・お金の流れ、出資・デジタルに関する仕事、働き方に関することも知ることができます。
読書ってひとりでするものですが、本を通して距離が縮まったり、会話が弾んだり、お互いを知ったりと、うまく言葉にできないのですが、
本で人と繋がる体験は、意味があるようにも感じます。
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