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対岸の家事:朱野帰子


今回貪った本→https://amzn.asia/d/6wzSCeR

会社も、保育課の人も、量くんも、みんな、どうしてそんなに私を独りにするの。私たちはこれだけやりました。感謝しなさい。後はあなたがなんとかしなさいって。助けてくれたのは詩穂だけだった。隣に住む専業主婦だけだった。でも、それにすら、利用しているとか、対価を払えとか、責める人がいる。


子育てだけに限らないけれど、ハウツー本を読むよりも物語を読んだほうがなにかと頭に入るタイプなので実用的ななにかも期待しながらこの本をチョイス。子育て世代として「あるある」と頷きながら読み進められました。

まず、このタイトルに惹かれた。「子育て」というのは、当事者になってみてはじめてわかることだらけだという事実を見事に表現していると思う。

巷で話題になるベビーカー問題もそう、公共の場における赤ちゃんの泣き声問題もそう。

他人事としているうちは何もわからない。

自分も「赤ちゃんだった」「こどもだった」ということ忘れない大人になりたいと改めて思いました。

内容はといえば、絶滅危惧種となった「専業主婦」が主人公の物語。

主人公の専業主婦、詩穂を「え?!イマドキ主婦?!!」とバリバリ共働きをするキャリアママがあからさまに見下してくる。

そんな中、ひょんなことから「時間だけはある」主婦が「時間がなく追い詰められるママ」を助けていく。

物語が進むにつれ、主婦かどうかなど関係なく、助け、助けられる関係になっていきます。

人間は大人も子どもも関係性の中で育まれていくんだなあと改めて思えた本でした。

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