中国食文化を徹底解説。会食・宴席で間違えられない重要ポイント
中国の宴席で大事にしたいこと
中国では、宴席で出される料理は、食べきれない量が出てきます。
足りないことはお客様に失礼に当たるという考え方です。
円卓は上座がなく、誰とでも公平に話ができるということでは便利な食卓ですが、食堂の出入り口に近い席が下座、一番奥が上座になります。
上座に通されたら、敬意をもって招待を受けたことですので、
深い感謝の意を伝えましょう。
お酒については乾杯=飲み干すこと
が大事ですが、最近は必ずしも必須ではありませんので、お酒に強くない人は事前に伝えましょう。
通常は仕事の話は避けます。
文化の違いや共通点など出来るだけ広い分野の話が出来るように引き出しを用意しておきたいもの。
仕事の話はしないといっても、
ついついその分野に話が及ぶこともあります。
直接的な交渉は公式な会議の場で行うのが筋です。
宴席での話は、前向きな、次につながるようにするのが理想です。
最近の中国人が気にすることは、日本で流行っていること、
売れているもの、サッカーなど中国でも盛んなスポーツなど、中国人でも知っている日本文化や芸能人などの話題に触れることも悪くありません。
せっかく出された料理についても触れることが出来れば良いです。
その土地の名物、有名な料理について一言添えるだけでも良いです。
私が説明を受けたなかの一つに、オフィシャルな番号が付けれらた北京ダックをいただいたことがありました。
中国人から説明を受けたのは、そのオフィシャルなカードを持っていると、偽物でない本物の北京ダックを食べた証明になるとのこと。
中国は、メンツの文化です。
相手の名誉を傷つけることなく、最大限の賛辞、誉め言葉を用意しておくことが大事です。
この北京ダックの事例では、私は日本へ帰ったら最大の接待を受けたことを自慢します、と伝えました。
以下は、その4大料理、8大料理について概略を説明します。
中国の食文化は、広大な土地と地域差、気候の差があり、文化も違いますので、種類が豊富です。
中国の料理、基本は火を通して(焼く、煮る、蒸す、炒める、茹でる、炙る、燻す、など多彩です)食べる料理です。
「中国料理」と「中華料理」何が違うの?
日本では「中国料理」と「中華料理」の言葉が使われています。
それぞれ使い方の違いはどこにあるのでしょうか。
<中国料理>
実際に中国で食べられている料理を言います。
本格的な高級レストランを指す場合が多く、主に北京ダックやフカヒレスープなどを食べることができます。
中国と言えば、円卓を想像するのではないでしょうか。円卓を囲んで食事をするレストランも中国料理のお店に多いです。
<中華料理>
上記で記載した中国料理を基本にしつつ、日本人の好みに合うようにアレンジされている料理を言います。
日本ではよく、ラーメン・天津飯・冷やし中華などを中華料理として食べられていますが、中国ではほとんど見かけません。
例えば餃子でも、日本では焼き餃子が多いと思いますが、中国では水餃子が主流です。地域によりますが、中国では焼き餃子はあまり見かけません。
「中国料理」と「中華料理」の違いが分かったことで、次は「中国四大料理」についてご紹介します。
▶︎ここでちょっとだけ中国の食の文化について説明しておきましょう◀︎
中国の文化のなかで、食の文化、
料理については四千年の歴史とも六千年の歴史とも言われます。
中国人は四つ足のあるものは、
椅子とテーブル以外は何でも食べるとも言われています。
私が感じたのは、中国全体では何でも食べますが、
それぞれの地域で食べられる食材はそれほど多彩ではありません。
地域によって好み、味付けが大きく違い、
地元の人は意外と何でも食べられるというわけではなさそうです。
それでも、野菜、肉、魚の種類は豊富、
但し新鮮な魚介類は日本が勝っています。
当然のことながら、海に面していない内陸には鮮魚はありませんし、
お刺身は日本料理店へ行かなければ食べられません。
最近は、日本食ブームで、お寿司を出す店も増えてきましたが、
魚のほとんどは冷凍で運ばれ、店内で解凍したものです。
中国四大料理とは
それでは、中国料理の種類はどのくらいあるのでしょうか。
中国料理の種類は、地域によって分けられます。
中国四大料理
日本で「中国四大料理」と言えば、以下の4つを指します。
●北京料理
北京や山東省などの北部の料理
●四川料理
四川省など、西方の内陸部の料理
●上海料理
上海など、沿岸東部の料理
●広東料理
広東省など、沿岸南部の料理
また、中国の料理の分類方法で、
●山東料理
北京よりやや南の北東部の料理
●江蘇料理
山東省の南の沿岸部の料理
●広東料理
沿岸南部の料理
●四川料理
西方の内陸部の料理
このような分け方を「四大菜系」と言います。
中国四大料理の詳細
中国料理の四大料理がわかったところで、それぞれの特徴や詳細をみていきましょう。
●小麦粉や肉類を多く使う北京料理
北京料理は、中国北部にある北京や山東省などで発展してきた料理です。
北京は歴代中国王朝の首都だったため、宮廷料理として華やかで洗練された料理が多いのが特徴です。
味が濃い傾向にあり、米や魚よりも小麦粉や肉類が多く使われます。
北京料理の例:北京ダック、餃子、酸辣湯、饅頭、皮蛋、杏仁豆腐 など
●痺れる辛さが特徴の四川料理
四川料理は、中国西方の内陸部にある四川省などで生まれた料理です。
痺れるような辛さが特徴で、唐辛子、花椒(華北山椒)、胡椒の「三椒」を多用し、「麻辣(マーラー)」と呼ばれます。日本でもよく聞きますよね。
豚、鶏、米、大豆が多く使われ、海産物はあまり使われません。
四川料理の例:麻婆豆腐、担々麺、回鍋肉、青椒肉絲、棒々鶏 など
●甘く濃厚な味付けが特徴の上海料理
上海料理は、中国沿岸東部の上海などで食べられてきた料理です。
海産物の他、川や湖の淡水産の食材も多く取り入れられていて、砂糖、醤油、黒酢などを用いた甘く濃厚な味付けが特徴です。
上海料理の例:小籠包、生煎饅頭(焼き小龍包)、八宝菜、上海蟹 など
●薄味料理の広東料理
広東料理は、中国沿岸南部の広東省で発展している料理です。
素材の味を活かした薄味の料理が特徴で、海が近いため、貝柱など海産物の旨味を取り入れた料理も豊富です。
日本ではあまり受け入れられないような燕の巣、犬、蛇、ゲンゴロウなども食べられています。
広東料理の例:フカヒレのスープ、叉焼、酢豚、ワンタン麺 など
中国八大料理とは
続いて、中国八大料理を紹介します。
●山東料理
山東省は海に面した省で、北京よりも少し南東にあります。
農村と漁村の両方があり、豊富な食材が用いられます。
山東料理の例:木須肉、徳州扒鶏、糖醋鯉魚 など
●江蘇料理
山東省の南に位置する江蘇省。
海の幸はもちろん、長江と太湖を有するため、川や湖の食材も使われます。
江蘇料理の例:塩水鴨、清蒸鰣魚、無錫排骨、霸王別姫など
●浙江料理
浙江省は上海の南にあり、海に面した省です。
海、川、湖の幸の他、新鮮な野菜も多い。
浙江料理の例:東坡肉、叫化鶏、龍井蝦仁 など
●安徽料理
安徽省は、山東省と浙江省の間に位置する内陸の省です。
淡水産の食材や、山で摂れるキノコや筍、カエルやスッポンなども食べられます。
安徽料理の例:腌鮮鱖魚、毛豆腐、紅燒鳙魚、符離集燒鷄 など
●福建料理
福建省は、浙江省と広東省の間で、台湾と海を挟んで向かい側にある省です。
山間部が多いため、海の幸と山の幸両方が食べられます。
福建料理の例:佛跳牆(アワビやフカヒレなど高級食材の乾物で作ったスープ)、炒米粉(焼きビーフン)、牛肉麺、九門頭(牛モツのしゃぶしゃぶ)など
●広東料理
広東料理は、中国南部の広東省をはじめ、香港やマカオなどでも食べられている料理です。
海の幸が豊富であっさりとした味付けで、身体に良い食材を組み合わせたスープがよく飲まれています。
広東料理の例:叉焼、酢豚、XO醤を使った炒めもの、ワンタン麺 など
●湖南料理
南部の内陸部に位置する湖南省。
唐辛子を多様した辛い料理が有名で、四川料理より辛いという評価をする人もいます。
米や米粉の麺がよく食べられています。
湖南料理:酸辣湯、黒臭豆腐、左宗棠鶏 など
●四川料理
南部の内陸部、湖南省よりも西にある四川省。
辛い料理のイメージが強いですが、四川はサトウキビ栽培が盛んで、甘いものも食べます。
「麻辣」と呼ばれる、胡椒や山椒などの痺れるような辛さが特徴。
四川料理:麻婆豆腐、担々麺、回鍋肉、青椒肉絲 など
中国の料理と中国での宴席について
これらの地域ごとの料理の違いをおおよそ知っていれば、
その土地の料理をいただくことが楽しみになります。
宴席において、
相手がいかに敬意をもってもてなしてくれているかが分かります。
地域の特産、名産を知っていれば宴席での会話も弾みます。
購買業務において、業務から離れての会食も、その前後のビジネス業務、会議、交渉でプラスになります。
是非、中国での出張で成果を出す、
価値あるものにするために貴重な時間を有効活用してください。
購買業務において、会食・宴席は直接交渉しない、
しかし、自分を売り込み、相手を知る重要な時間です。
美味しい料理を味わい、相手のもてなしを充分理解したうえで、
いかに貴重な情報を掴むか、大事なチャンスです。
相手の中国人もしたたかです、いろいろなことを考えていますし、
接待するからにはそれなりのことを期待しています。
全てにおいて100%はありません。
三国志の歴史を持つ中国は、戦いの歴史でもあります。
信頼をすることは大事ですが、信用し過ぎないことも重要です。
日本の何倍もの広さの国土である中国は、亜熱帯、温帯、寒帯、乾燥帯など地域差が激しく、食文化も大きく違います。
くれぐれも衛生管理、健康管理を万全にして良い体調を維持して、
名料理を味わってほしいと思います。
最後に、中国の水だけでなく、お湯、スープ、油にも注意してください。
翌日の体調を管理も重要です。
一度限りの会食で終わるか、ビジネスが成功して、次回にはもっと盛大に会食で出来るかは、会議への準備とともに宴席も重要です。
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