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【イベントレポート】「なぜあなたは早起きできないのか ~習慣化がうまくいかないその理由~長続きをさせるための実践法」セミナーを開催!

ニューロスペースのイベント事務局です。

少し前となりますが、2020年7月3日(金)にエーテンラボ株式会社 代表取締役CEO 長坂剛さんをお招きし、「なぜあなたは早起きできないのか ~習慣化がうまくいかないその理由~長続きをさせるための実践法」イベントを開催しました。今日はその内容をご紹介したいと思います。

イベントでは長坂さんから習慣化を成功させるための秘訣、弊社代表の小林からは早起きのポイントなど、習慣化と睡眠の観点からそれぞれ語って頂きました。

自己紹介からスタート

長坂さんプロフィール
2006年ソニー(株)に入社後、B2Bの営業やプレイステーションネットワークのサービス立ち上げに従事。元々ゲームオタクで、ゲームのしかけがもたらす幸せを実生活に活かせないかと考えたことをきっかけに、ゲーミフィケーションを取り入れた「みんチャレ」を思いつく。ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」に採択され事業化し、その後独立、2016年A10 Lab Inc.を創業。人は自ら行動を起こすと幸せになるという行動心理学から、行動変容を促すみんチャレで、睡眠、ダイエット、学習などさまざまな習慣をサポートしている。

まず始めに、お二人が習慣にしていることをご紹介頂きました。長坂さんはご自身のサービス「みんチャレ」を使って、5年間朝コップ一杯の水を飲むことを続けているとのこと。その他にも、毎日6000歩以上歩く、食事の記録をとる、ストレッチ・筋トレ、6時間以上寝ることを習慣にしているそうです。

弊社小林は10回くらいの腕立て伏せや、日中のパフォーマンスを高めるために仮眠を積極的に取り入れることを習慣にしているとのことでした。

習慣化することがなぜ難しいのか?

最初のテーマは「なぜ人は習慣化に失敗してしまうのか?」、長坂さんに習慣化が失敗してしまう4つの理由をお伺いしました。

長坂さん(以下長坂):基本的に習慣化は難しいものなんですね。習慣化しない方が普通です。失敗するのが当たり前。まずそれを認識して頂ければと思います。

人は習慣化をしようと思うんですけど、失敗するのは自分の意思のせいではないんです。自分の意思でできる人もいるが、人の意思の力だけで習慣化をすることは難しい。

そのなかで①特に習慣化しにくいパターンは、目的や目標がないこと。なんのためにやるのかが明確でないと習慣化しにくいです。例えばダイエット。結婚式があるので、そこまで3キロ痩せたいと。期日と目標があれば身が入るが、なんとなく痩せたいなど、目標と目標設定がないと習慣化しにくい。

二つ目は②いきなり大きな目標を立てても習慣化しにくいです。いきなり10時間勉強するぞ、資格をとるぞでは難しい。

③忙しい=時間がなくて習慣化しないということもあります。あれもこれも全てやりたいが24時間に収まらないものは習慣化しにくい。だから、選ぶということも習慣化する上では必要。

最後は、毎日やるルーティンになっているものは習慣化しやすいですけど、週に1回やるとか週に2回やるとかの④ルーティンになっていないものは習慣化が難しい。例えば1週間に1回走ろうとして、土曜日に走ろうとしていると、雨が降ってしまった。二回連続雨がふってしまうと、3週目は忘れてしまった。毎日やっていると、やっていない日が気持ち悪くなってやりたくなるが、時々やるという習慣はかなり難しいです。

なぜ早起きできないのか?

次に、今回のイベントのテーマである「なぜあなたは早起きできないのか」という点について、小林が睡眠のメカニズムの観点から早起きが難しい3つの理由をお伝えしました。

小林:早起きできないビジネスパーソンは実はたくさんいらっしゃいますし、単純に起きるのが辛いっていう方もいますが、そういったことは睡眠のメカニズム的に3つのことが原因だったりします。

まず自分の特性を知るというのが重要なんです。①一つ目は睡眠のクロノタイプと呼ばれるもの。朝型なのか夜型なのかという特徴です。そもそも朝自分が早起きしやすいタイプの人間なのか、しづらいタイプの人間なのか知ることが重要なポイントです。

また、いくら早起きしようと思っても、5時間睡眠、4時間睡眠といった短い睡眠時間で早起きしようと思っても難しかったりする。一人ひとり適正な睡眠時間は違うので、自分に②適正な睡眠時間は何時間なのか知ることが大事です。

あとは、③リズムが大きなポイントになってきます。7時に起きるということを習慣化するためには、サーカディアンリズムを作ってしまえば、目覚ましがなくてもその時間に起きれるようになったりします。

質という観点でいうと、①光のコントロール、②深部体温のコントロール(身体の内側の温度。内臓や脳の温度)、③睡眠圧力のコントロールという3つをコントロールすることが重要です。

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どうやったら早起きできるようになるのか?

睡眠の観点で早起きの難しさをお話し頂いた後は、習慣化の観点から、「どうやったら早起きできるようになるのか」3つのポイントを長坂さんからご紹介頂きました。

長坂:①目標を明確化する。なんで自分が早起きをしたかったのか。早起きして何を得たかったのか。自分の中で明確化することが大事です。身体に良いとか、リズムを整えたいとか、色々あると思うのでそこを明確化することです。

②ルーティンにする(毎日やること)今日は早起きして、明日はしないといったことは習慣化に向いていない。毎日、土日もすることが大事です。

③仲間とやる(一人では変われない)今までできてない人が一人でやろうとすると負荷があります。早起きできなくても自分が損するだけだと思うと、「いいや」となってしまいできない。誰かに迷惑がかかるとか、一緒にやろうと言っていた人に顔見せできないなど、仲間の存在が習慣を身につける一つのメソッドになります。

仲間とやるのがなんで良いのかというと、フィードバックがある。体調を良くしたい、早寝早起きしたいと思っても、体調が良くなったと実感するまでに長かったりします。半年やって、体調が良くなったとか。そこまで反応がないと、自分がやったことが良かったのか悪かったのか感じることができないので、習慣化しづらいです。一緒に仲間とやると、自分が行ったことに対して反応がある。反応があることが良いことだとなり、繰り返すようになります。

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悪い習慣を辞める方法はあるのか?

小林:悪い習慣を辞めたい。例えば、SNS中毒になっている人もいると思うのですが、習慣化を断つにはどういう方法があるのでしょうか。

長坂:身に付いた習慣をとるというのは難しい。食後におかしを食べるのを辞めたい。でも、習慣になっているのでお菓子を食べないほうが気持ち悪い。

何かをやったら何かをやるというのを紐づける「If thenプランニング」という習慣化のメソッドがあります。お腹がすいたら歯磨きをするというルールを作る。食後にチョコを食べたくなったら、ルールで決めたことをする。歯磨きをしたらすっきりするし、そこでまた歯を汚すのが嫌だなという気持になって食べるのを辞められる。

SNS中毒を辞めるためには、別の物に置き換えていきます。承認欲求を断つには、承認を他人ではなく、自分でする。自分に自信を持つために、他人を使うのではなく、自分の習慣を振り返って、ちゃんと毎日できている。だから私は良いと思えると、SNS中毒を断っていけると思います。

(みんチャレ)ユーザーの中で習慣化が上手くいっている事例はありますか?

長坂:習慣化が上手くいっている人は、できなかった日もきちんと報告しています。6000歩歩く目標に対して、5000歩しか歩けなかった場合、明日は頑張りますと一言添えている。できなかったことを認知することで、明日はやろうと前向きな気持ちに変えていける。やらなかった日は報告しないと、どんどんやらなくなってしまう。自己開示をしていくことが習慣化には重要です。

あとは、自分がやるというのを報告する人が習慣化しやすいというのもありますが、逆で他の人を励ましたりする人のほうが、どんどん習慣化が成功していく。他の人へ褒めたり励ましたりすると、自分もやらやなきゃという気持になる。他人への貢献度が高ければ高いほど、自分への習慣の成功率が高くなります。

小林:報告しあう仲間として、利害関係があるほうが良いのか、ないほうが良いのでしょうか。

長坂:自己開示が進むかがポイントです。本当に気心がしれた仲間とか、家族とか。ちょっと友達とか、利害関係があると自己開示が進まなくなる。心理的な安全性が保たれないと、できなかった日が報告できなくなる。できなかった日に報告できないと、遠ざかってしまいます。

質疑応答コーナー

最後の質疑応答コーナーでは、習慣化や睡眠について、参加者から頂いたご質問にお答えしました。

Q:新しい習慣を始める際に意気込みすぎて、短いスパンでの変化を求めてしまい続かないことが多いです。習慣を定着させるためのスタートのコツを教えてほしい

長坂:変化があるとやった感があって、どんどんやるようになりますが、変化を求めすぎてもいけません。変化がなかった時にやってる意味があるのかと思ってしまい、習慣が続かなくなるパターンがある。習慣の内容によって、すぐ変化があるものと、ずーっとやってやっと変化がでるものもある。信じてできるかというとこでもあるが、目的目標を持つところ小さくスタートすることも大事。ルーティンになってきたら、強度をあげていく。筋トレの場合も、軽い筋トレではじめて、徐々に強度をあげていくのが、習慣化しやすいです。

Q:サービス(みんチャレ)にも有料版があるが、お金を払うことは習慣化を助けるメリットになるのか?

長坂:習慣の達成を高めるためには、お金をはらってコミットしたというエントリーの事実を作ることで効果があります。みんチャレでも、プレミアムでお金を払ったほうが、達成率がだんぜん高い。コミットした事実が習慣形成を助けています。

小林:お尻に火をつける観点もある、お金を払っている自分に自信がもてるというのもあるのでしょうか?

長坂:コミットしていることを自分で自覚することができる。お金を払うということで、人間の経済活動として、自分はこういう価値があると信じていることを示すポイントになるので、じゃあやろうという風になる。参考書でも、他の人からもらった参考書より、自分で買った参考書のほうがやりますよね。

あとは、習慣化の法則として楽しくしないと習慣化しない。早起きした時に楽しいという感覚を身体に覚えさせる。朝起きたらコップ一杯の水をのむ、うがいをするなど。朝起きたらストレッチをするというチームもあって、身体がほぐれて気持ちが良い。早起きすることと快楽を組み合わせることで成功しています。

Q:どのくらいの期間続けたら習慣化できたことになるのか?

長坂:意識しないで気づいたらやっていた。やらないと気持ち悪いと感じたら習慣化になっていたということです。習慣化の期間は行う内容によるという研究結果がある。1 アクションの簡単な習慣は21日間続けると、その後7割習慣化する。起きてから水を飲むなど。勉強とか複雑なプロセスが必要なものは、かなり長い間やらないと習慣化しません。

Q:半年ごとに生活環境が変わるので、そのタイミングで失敗してしまう。環境の変化に負けないコツはありますか?

長坂:環境の変化は習慣化の一番の敵です。人は環境によって習慣が変わる。難しいものと受け入れてどうしたら最適化するか考える。もしかしたら、今までの習慣が新しい環境にあってないかもしれません。

Q:睡眠アプリのうまい使い方ありますか?
小林:
自己認識をするという点では、昨晩の睡眠を振り返ることができるので良いと思います。行動習慣を変えてみて、どう睡眠が変わったか。結果として睡眠に表れるので、結果を振り返るという意味でも良いと思います。

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まとめ

セミナーにご参加された方々からは、以下のお声を頂きました。

睡眠と習慣化の全体感とTipsを効率よく学べました!
習慣化の手法の有効性に関し、論理的な説明があった。
睡眠の話と行動経済学のはなしの両方を聞くことができた。

「ダイエットのために運動しよう」と思ってもなかなかできなかったり、「今年こそは英語の勉強をしよう!」と思っても、ついついさぼってしまったり、、。習慣化は難しいものですが、習慣化のテクニックを取り入れて、やりたいことにチャレンジできたら良いですね。

以上イベントレポートをお届けしました!





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