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『絶滅危惧職、講談師を生きる』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。


神田 松之丞/杉江松恋著 『絶滅危惧職、講談師を生きる』 
 (新潮社、2019)


私が大好き&便利なポッドキャストで、聴いているラジオの1つに「問わず語りの神田伯山」がある。
神田伯山のラジオの話し方は、早口で怒鳴っているような口調。
まるで、EMINEMのようだ。
彼の講談は聞いたことがないけれど、興味があるので買ってみた。



あらすじ

講談師、六代目神田伯山。
どういう人間で、どういう人生を歩んできたのか。

第一章 靄に包まれた少年期
第ニ章 受験よりも落語を優先した十八歳
第三章 ”絶滅危惧職”への入門
第四章 Fランク前座
第五章 二つの協会で二ツ目に昇進
第六章 真打という近い未来
第七章 松之丞時代の終わり

本書は文庫本で、伯山の名前を襲名してから加筆された7章を含む構成だ。

本書は、インタビュー形式のように話が進む。
伯山が答えているところもあるし、答える人は師匠や友人など様々だ。
伯山の答えるエピソードに、他者が修正を加えて答えているものもある。

第一章では、伯山が10歳の時に亡くなっていることが分かる。
陽気に振る舞う少年の持つ、陰の部分の根っこを知らされる。

第ニ章からは、寄席に通うようになったことをはじめ、学生時代のことが書かれている。
大学卒業からは講談師として、弟子入りする。

弟子である間は、ひたすら気を遣う。
それを「なんでやんなくちゃいけないんだ」というような、反骨精神を持ちながら稽古をする。

私が抱く神田伯山の印象は、誰かが「これはAだ」と言っても、それを真っすぐ受け止めないようなところだ。
その彼が歩んできて、思ったことが書かれている本だ。


感想

最近、自分が好きになる人に共通しているところを見つけた。
本書を読んで、なぜ神田伯山に興味を持つのか分かった気がする。

神田伯山も、「出過ぎた杭は打たれない」タイプなのかもしれない。
自分自身に暗い面があっても、それを笑い飛ばせるのがたまらなく好きだ。

自分の持つ深淵を自覚しながら客観し、その自分自身のネガティブ面としっかり向き合っている。
だから、笑い飛ばせて面白おかしく話せるのだ。
自分自身の闇と向かっていない人は、悪意ある悪口にしか聞こえない。
何がどう違うのかは説明出来ないが、神田伯山は私が好きなタイプのディスるタイプだ。

本書を読んでから、久世番子さんの「ひらばのひと」という漫画を読んだ。
神田伯山監修なので(めちゃくちゃ面白かった)

私は講談師としての神田伯山を知らないので、これを機にぜひ彼の講談も聞いてみたいと思う。
講談は落語と異なり、物語を読むというとろころに難しさを感じていた。
しかし思い出すと、落語もよく知らずに寄席に行ったけど笑えた。
聴く側が置いてかれないように、噺家は工夫してくださる。

前回、寄席に行った時に講談を初めて聞いて、張扇の音に驚いたが、苦手意識を持つのはまだ早い。
日本史が苦手(興味がない)だろうが、忠臣蔵を知らない私でも、きっと神田伯山は分かりやすく、臨場感たっぷりの面白い講談を聞かせてくれそうだ。

動画チャンネルで、神田伯山のインタビューを含めてもっと聞きたいと思う。
早くライブで見て、聞いてみたい!!


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