ギレルモ・デル・トロ監督 『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』 : 失われし「完結編」
映画評:ギレルモ・デル・トロ監督『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』(2008年、アメリカ映画)
ギレルモ・デル・トロが、その個性を十全に発揮した作品には、いわゆるバッドエンドの作品が多いように思う。それは「悲惨な終わり」というよりも「悲しい終わり」という感じのものだ。
私はその理由を、デル・トロ監督自身の「異形」意識に求めている。つまり、彼自身が少なからず「この世界に、人間として生まれるはずではなかった、何か違ったもの」だという自意識なり疎外感なりを持っているから、それ