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「ミステリ・SFなど(純文学系以外)」関連書のレビュー

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もとより文学におけるジャンル分けは恣意的なものとならざるを得ないが、ここでは「娯楽性」に主眼を置いた、小説やマンガ、映画などの作品を扱ったレビューを紹介します。
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記事一覧

サマンタ・シュウェブリン 『救出の距離』 : 「超自然」を超える「日常に潜むもの」

書評:サマンタ・シュウェブリン『救出の距離』(国書刊行会) どう紹介すればいいのか、なか…

年間読書人
20時間前
11

スタンリー・ドーネン監督 『シャレード』 : 愛らしい小品

映画評:スタンリー・ドーネン監督『シャレード』(1963年・アメリカ映画) 本作主演のオード…

16

北村紗衣 『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100…

書評:北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選…

年間読書人
12日前
28

斉藤佳苗 『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』 : うんざりだ。

書評:斉藤佳苗『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』(鹿砦社) まずは、タイトル…

年間読書人
3週間前
29

小川哲 『スメラミシング』 : これは私たち自身の戯画である。

書評:小川哲『スメラミシング』(河出書房新社) 本書は、「宗教」をテーマにした短編集だが…

年間読書人
3週間前
25

アレックス・ガーランド監督 『シビルウォー アメリカ最後の日』 : 本当は「難解」…

映画評:アレックス・ガーランド監督『シビルウォー アメリカ最後の日』(2024年・アメリカ映…

年間読書人
4週間前
25

安田淳一監督 『侍タイムスリッパー』 : 文句なし、 評判どおりの傑作

映画評:安田淳一監督『侍タイムスリッパー』(2024年) あまりにも評判どおりの傑作なので、付け加える言葉が見つからない。 ひとまず、ありふれた言葉にはなるが、「とにかく見に行け」という他ないだろう。 本作は、インディーズ(独立系)映画の低予算作品でありながら、その口コミによる評判の高さから始まる快進撃に、かの大ヒット作『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)の再来かと騒がれている作品だ。 この先、本作がどれくらいヒットするのかはわからないし、さすがに『カメ止め』ほど稼

岩井俊二監督 『Love Letter』 : 岩井俊二の「オカルト趣味」

映画評:岩井俊二監督『Love Letter』(1995年) およそ、私にはそぐわない映画である。 普通…

年間読書人
1か月前
31

サム・ライミ監督 『死霊のはらわた』 : 古典を鑑賞するということ

映画評:サム・ライミ監督『死霊のはらわた』(1981年・アメリカ映画) 本作は、基本的には、…

年間読書人
1か月前
20

アルフレッド・ヒッチコック監督 『見知らぬ乗客』 : 「北村紗衣流ミソジニー論」は…

映画評:アルフレッド・ヒッチコック監督『見知らぬ乗客』(1951年・アメリカ映画) 本作を、…

年間読書人
1か月前
30

黒澤明監督 『天国と地獄』 : 善と悪と『罪と罰』

映画評:黒澤明監督『天国と地獄』(1963年) エド・マクベインの「87分署シリーズ」の1作『…

年間読書人
1か月前
19

ネルノダイスキ 『ひょうひょう』 : 二次元オブジェの異様な世界

書評:ネルノダイスキ『ひょうひょう』(アタシ社) なんと評したら良いものか、なかなか悩ま…

年間読書人
1か月前
16

ドン・シーゲル監督 『ダーティハリー』 : さそり座の評論家・北村紗衣

映画評:ドン・シーゲル監督『ダーティハリー』(1972年・アメリカ映画) ひさしぶりに『ダ…

年間読書人
1か月前
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フィリップ・K・ディック 『宇宙の眼』『虚空の眼』 : ミズ北村紗衣のキャンセル宇宙

書評:フィリップ・K・ディック『宇宙の眼』『虚空の眼』(ハヤカワ文庫・創元SF文庫・サンリオSF文庫) フィリップ・K・ディックの出世作(第4長編)であり、日本でも早々に翻訳されて、ディックの名を高らしめた作品。 1957年に原書が刊行され、2年後の1959年には「銀背」の新書版で知られる「ハヤカワ・SF・シリーズ」から邦訳版が刊行された。 今でこそ、刊行とほぼ同時に訳書が刊行されることなど珍しくもなくなったが、それはインターネットの普及によって、海外の出版事情をリアル