禍話リライト「成功した十円」
当時大学生だった彼は、ある時、親戚のおばさんから「家の模様替えを手伝ってほしい」と頼まれたのだそうだ。
おばさんは早くに夫を亡くし、一人暮らしをしている。家は二階建てだし、おばさんというからにはそれなりの年齢だしということで、彼も快諾した。
そもそも、そんな頼みを持ちかけ、快諾する程度には彼とおばさんは仲がいい。それで、作業も終始和やかな雰囲気で進んだ。手伝いに来てくれた友人と一緒にありがたくお昼をごちそうになり、ついでだから掃除もやっちゃいますよ、とあちこちを綺麗にして回っ