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ハンモックは不安定なスタートレイル
近所で毎年催される梅祭りが楽しみでそわそわ。梅はもちろん、売られている花やサボテンも綺麗でして…!しかし私は小さいサボテンすら枯らせてしまうので、遠くからウォッチングするだけにしております。色々と申し訳ない…!
今回は今回は言葉の添え木様のお題で作った詩4編と、Hoshiboshi様主催の140字小説コンテストに投稿した作品を1つお届けします。
スタートレイル
通りすぎていく星は
こちらを見ていて
ちらりと横目に
孤独の引力に気づいて
星が通らなかった空間
そんな場所は夜空に無くて
星の足跡に満ちた夜に
僕らは孤独を感じて
どうか月に連れていって、と
寂しく歌ったりしていて
不安定
自分が生まれた日の天気は
誰かに教えてもらうしか
知る術はなくて
晴れます降ります
曇ります吹きます
平坦な声のお天気ニュース
降水確率50%
晴れに心踊る日も
霧雨に安心する日も
私が亡くなる日の天気は
誰かに覚えていてほしい
願うしかなくて
ハンモック
背中に空気のクッションありて
ハンモックに委ねた身体
こんなに重かったんだなぁ
手離した瞬間に分かること
そよそよ流れるクッションありて
ハンモックから離れた身体
そうそう、この重さです
取り戻した瞬間にうなずく
びよんびよん弾むハンモックありて
夢
青い白昼夢が終わらない
突然BGMが転調してからずっと
耳鳴りしても
綺麗な音が聞こえなくても
声が返ってこなくても
鼓膜が抵抗している
覚めるものかと
無音が続こうとも
きっと青の白昼夢は終わらない
冬の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「広」、水原月として投稿)
被験者はこちらへ、と通された部屋はかなり広く、物が一切無い。入って早々に背後の扉が閉まった。
バイト代の使い道を考えつつ歩き回っていると、角で小さな黒い箱を拾った。よく見ようとしたら暗くなった。停電か?前に歩こうとしたら壁にぶつかり、よろめいたら後ろにも壁が。左右にも壁。ん?
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