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喫茶と散歩『きっさんぽ』Vol.3 扉の向こうは小さなフランス。阿佐ヶ谷一番街の隠れ家ビストロ

「皆さんはどうやってお店を選びますか?」


こんにちは
インスタよりも街を面白く伝える、たつなりです!

高円寺に住み始めて5カ月目。
3月頭なのに暖かくなったり寒くなったり。


桜も気温差にびっくりしている頃、私も三寒四温におっかなびくっりしながら、以前にも増して日夜、高円寺・阿佐ヶ谷を冒険する日々。

そんな中、ごはん時、喫茶や飲食店を探し歩く中でいつも抱く悩みがあります。


「お店が多すぎて決められない」


この日も晩御飯、どこにしようか決めあぐねて
阿佐ヶ谷駅周辺を1周、2周、空振り3周しそうなところ、飲み屋街の端っこでトキめいた
お手頃隠れ家ビストロを紹介していきます。


1.ディープさ光る、多国籍カオスロード【阿佐ヶ谷一番街】

焼鳥屋や飲み屋が軒を連ねる阿佐ヶ谷一番街の入口

今回の舞台は阿佐ヶ谷一番街。

駅の南口、パール商店街の入り口を左にそれた、メインストリートから外れたようなところに約260m続く飲み屋街。

一見、焼鳥屋さんやスナックばかり、、、

しかしよくよく見てみれば
右にインドやネパール、左に韓国
階段の先にはラム焼き専門店、街角には次郎系ラーメンまで。

なかなかカオスです。

左上から順にタイ、ラム焼、ペルシャ、韓国、インド、ネパール

昼間は千と千尋の神隠しに出てくる、あの屋台のように、提灯もネオンの看板も明かりを潜めている場所ですが、日が暮れ始める頃、ポッと灯ると徐々に賑やかになっていくのです。

リンゴのような赤提灯が印象的な夜の阿佐ヶ谷一番街


2.扉の先は小さなフランス

駅から徒歩5分、レトロな雰囲気漂う扉と石の壁が印象的なCHEZMOIさん

今回たどり着いたお店はそんな阿佐ヶ谷一番街の端にあるフレンチビストロCHEZMOI(シェモア)さん。

お店をどうしようか、きょろきょろしながら歩いていた時、阿佐ヶ谷一番街の終わりで目に留まったカレーの文字。

石壁と木の扉の四角い窓から漏れる店内の灯りに吸い寄せられるようにして、おなかが空いていた私は扉を開けていました。

レコードや調度品で彩られる店内、中世ヨーロッパのよう

扉を開くとそこはヨーロッパ感あふれる
アンティークな店内。

社会科の資料集で見たことあるような
中世ヨーロッパな世界観に胸が躍ります。 

開けたら世界が変わった、さっきの扉は
ハウルの動く城の玄関扉だったのでしょうか。

店内を暖かく照らすキャンドルやシャンデリア、座り心地のよさそうな椅子に、おひとりさまも気兼ねなく過ごせそうなカウンターもあります。

席は2人掛けテーブル席が3席とカウンターが2席。落ち着きたい人にはもってこいの隠れ家感です。

あたりを見回すと、物陰から猫がこちらを見ています。

ものかげから物陰から見つめる猫

猫に目がない私はつい
「猫好きなんですか?」
と店員さんに、聞いてしまいました。

この日は先客の男女が一組。
奥のテーブルでおいしそうに、料理をシェアして食べていました。

さて、カウンターに着席。
目の前のショーケースには前菜と思われるお惣菜が白鳥に見守られながら提供されるのを待っています。

お惣菜と白鳥

注文はカレーと決めていたのですが
初見のお店で宝の地図をスルーするわけにはいきません。どれどれ。

お宝の地図(メニュー表)

ビストロやバル、居酒屋では黒板に
「本日のおすすめ」などがぎっしり書かれていることがありますが、こちらのお店のメニュー表も余白までしっかり埋まっています。
メニューへの期待感も高まるばかり、ワクワク!

1枚目には前菜やメイン、季節のおすすめ、
2枚目はドリンクとデザート。

メニューをめくる時、メニュー立てが直立でなくお客さんが見やすいように角度がつけられていることに気づきました。

食べながらでもメニューが見やすい優しい仕組みです。

この日はやることも終えたのでお酒を飲んでも大丈夫と自分に言い聞かせ店員さんに注文を告げます。

3.まろやかでスパイシー!これぞ欧風、チキンコンフィカレーと珈琲焼酎ミルク割り

まずはアミューズ。
居酒屋で言うところのお通しです。

アミューズ

ラディッシュにイタリア産のサラミ、酸味控えめのピクルスと黒オリーブ。
黒オリーブは杉並区の真上、鷺ノ宮で収穫されたものだそう。

都内で黒オリーブが取れることに驚きました。

シャキッとみずみずしいラディッシュに
サラミの塩味とオリーブの風味が広がります。
ピンクペッパーが華やかな香りも。

ほどなくしてやってきました
『チキンコンフィカレー』

チキンコンフィカレー


ピンクペッパーがちりばめられたカレーと
鮮やかなターメリック玄米ライス
骨付き鶏のインパクトがすごいです!

スープポットが雰囲気を醸し出しますね。

コンフィとはオリーブオイルなどで肉や魚を煮るフレンチの調理技法のこと。

食材を柔らかくジューシーに仕上げられるため、古来では固い肉や砂肝などの内臓を煮たりするのに重宝されてきました。

このチキンもホロホロと身が柔らかく
「骨付き肉がスプーンでこんなにきれいにお肉がはがれたことあるか?」
というくらい綺麗に取れました笑

綺麗に取れました

カレーはスープカレーとおうちカレーの中間くらいのとろみ。玄米ごはんによく絡みます!

インドカレーのようにスパイス感全面に、、
というよりは、ルーのまろやかさとチキンのうまみが溶け合ったマイルドさの中にスパイスの香りが広がる感じです。

食べていくとスープポッドの中にお宝発見!
この中にも大ぶりの鶏肉がいました!
ちょっと得した気分。

自家製珈琲焼酎ミルク割り

ドリンクは最近珈琲のお酒にはまっていたので即決で自家製珈琲焼酎のミルク割りに。

「自家製」という言葉に弱い私です。

焼酎の香りと珈琲の苦く深い味がミルクの中から時折感じさせてくるいい塩梅。

まろやかでスパイシーなカレーの後にピッタリです!

4.隠れ家な雰囲気が落ち着く、地域と繋がるビストロ

扉のそばには焼き菓子がたくさん!

私が食べていると、後から老夫婦が一組入店。
「あら、こんばんわ~」
と言葉を交わし合う店員さんと夫婦。

旦那さんとあれこれ言い合いながら注文を決めている姿が微笑ましいです。

前菜が運ばれてきたとき、店主の奥さんが
「ごめんなさい、今日ちょっと量が多いかも」
と言うと老婦人が
「やだ、困るわあ、うれしくて」
と笑い合います。

初回の私が次は誰と来ようかな、なんて考えていましたが地域の方もしっかりお店の虜になっているみたいです。

都心のビストロはどこに行っても賑わいがあり、それはそれで楽しいですが、
どうしても一人で入りづらかったり、
もう少し落ち着きたいな、

なんて思ってしまうことがありますが、ここではそんな心配は無用でした。

おおいしいご飯、2軒目いきたいな
まだ友人や恋人とゆっくり話したな
一人で気軽においしいフレンチが食べたいな、

そんな時にピッタリな場所を見つけたと心の中で密かに笑顔になります。

ちなみにお昼はカレーと焼き菓子のテイクアウトもやっていています。
晩御飯のおかずにテイクアウトもいいのでは。
私は今度散歩がてらおやつを買いに来るのもありかな、なんて思ってます。

それではまた次回📖 𓂃𓈒 𓂂𓏸

お店の詳細はシェモアさんのインスタグラムを見てくださいね。
➡@chez_moi_asagaya_bistro

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