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靴下を3つ折りにするには、どうやら許可が必要だったらしい

「私達は優しいからー、靴下を3つ折りにしても怒らないけど~」

このセリフ、なんだか分かりますか?

 * * * * * * * 

私は中学生の時、吹奏楽部に入っていました。
それまで楽器に触ったことはなく、友だちに誘われての入部。
文化部だし、上下関係も厳しくないだろうと思っていました。

結果的には……演奏以外で厳しい、不思議な世界。

大人からすると不思議なことでも、子どもにとっては真剣です。
スポーツ部並みに、厳しい一面がある吹奏楽部。
想定外でした。


その頃、短い丈の靴下がオシャレでした。
今のようにスニーカー用の靴下なんて存在していなかったので、3つに折って短くしていたわけです。
空気を読むとか、暗黙のルールとか、そういった類が苦手な私は(友達も)何の疑問もなく、靴下を3つ折りにしていました。

そこで飛び出したのが、冒頭のセリフ。

3年生 VS 1・2年生に分かれて「話し合い」をすることがありました。
演奏以外のことです。今となっては、覚えている議題はこの靴下のことだけというくだらなさ。
くだらないことでも、守る必要がありました。

 * * * * * * * 

靴下の他にも、1年生には許されていないことがありました。
寒い冬に……
・制服の上にカーディガンを着ること
・タイツをはくこと

実際に、生徒会の選挙で書記に立候補した1年生が、外でおこなう演説時にタイツをはいていた、という理由で落選。
落選理由はもちろん噂ですが、定員以上の立候補者が出ることが少なく、めったに落選者が出ない中での落選です。

その暗黙のルールを知らなかったのか、娘が風邪をひかないようにと、お母さんに勧められて断れなかったのか。
選挙の日、友だちと同情したのを覚えています。

他にも、やたらと後輩が先輩に謝っていた野球部。
「すみません」が「ません」になって連呼していました。
「ありがとうございました」は「した」でしたね。
※本当は「ありがとうございま」も言っていたのかもしれませんが、私の耳には「した」しか聞こえませんでした。


✅校則の範疇でのオシャレ
✅寒い日の防寒対策
✅スポーツマンシップに則った野球
大人であれば、どれも当たり前のことです。
それが、中学という特定の世界の中では、とても難しいことでした。

それは「合っている」「間違っている」と分ける類のものではなく、広い世界に飛び込む前の、ある小さな世界での日常でした。

所変われば品変わる

きっと、地域や学校の数だけ、不思議なルールはあるのでしょう。
大人は心配のあまり、正論で子どもの世話を焼く場合もあるかもしれません。でも、命の危険・心の危険がある場合を除いて、見守ることも大切だと思っています。

子どものいない、おひとりさまだから言えることかもしれません。
でも大人になったときに、あのくだらないルールは何だったのか?って思い出すと面白いですよ。

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