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みんな、好きに生きてもいい。

【読書記録】

神さまのビオトープ / 凪良ゆう

ー心はいつだって自由で
.  これを阻むものはあってはならない

うる波にだけ見える幽霊の旦那と暖かい日々を過ごす
まさに心のビオトープのような物語。


優しい文章と穏やかな時の流れに相反して、
グサッと「幸福」の本質に迫ってくるギャップに驚く。

愛する対象が幽霊であれ、幼き少女であれ、
愛の形、その心の在り方は
多様であって然るべきなのだろう。

それなのに、正義の剣の下に、
個々が持ち合わせる、大切な価値観を切り捨てる社会....。
そんな窮屈な世界で
自分が見つけた大切な幸せを守るために、
世間にはびこる形式的な優しさを必死で消化して、
彼らは己の道をすすんでいく。

けれどもその人生を支えるのは
信念とか決意とか
そんな強くカッコいいものじゃない。
.
むしろ、もっとぼんやりした心模様の波にたゆたう
脆くて不安定なものであるように感じられる。


そして、薄氷の上に彼らの人生が成り立っている
その事実にどこか励まされた気がする。

凪良先生、素敵な感性の持ち主だなぁ。

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嬉しすぎて空飛べそうです。焼きプリンを食べます。