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ずっと将来の夢を探し続けていた

上司とのキャリア面談が終わった。昇進とかそんなことは考えていないからそんなにビビってはいないが、定期的に来るこの自分を見つめ直す時間、自分の考えを人に言葉で表現する時間は大切にしたいと思う。

社会人になっても自分の将来について考える機会が何度か訪れる。社会人になったら、就職したら、将来の夢は考えなくてもよくなると思っていた小学生の頃の私に、人生はそんなに甘くないと教えてあげたい。

思えば私は小さいころからずっと将来の夢を探し続けていた。

記憶にある一番初めの将来の夢は「お花屋さん」。

その次はカメラマン、栄養士、研究者、庭師、看護師、助産師、先生、司書、自然保護官、公務員、農業、海外のNGO。

学校で書かされる将来の夢の欄は毎年違うものを書いていた。

小学生のときから、図書館で職業に関する本を読み漁り、13歳のハローワークをPCで眺め、将来行きたい大学をネット検索するかなりおかしな子供だったと思う。まあまあニッチな職業を小学校の卒業文集に書いていたから、卒業して何年たっても友達に覚えられていてたまに恥ずかしい。

世の中にどんな仕事があるのかという興味ももちろんあったが、自分の将来の夢をはやく定めたいと思っていた。職業図鑑に載っているような、「○○」と明確に名乗れるような、たった一つの天職、そんな将来の夢を探していた。

色々な経験をすることで、
いつかきっとやりたいことが見つかるよ。

そんな私に、小学校の時の大好きな先生はこう言ってくれた。この言葉を中学のときも高校の時も大学の時も何度も思い出した。「体験」「経験」という言葉に惹かれ本当にいろんなことをした。本やインターネットの世界で気になることは都度調べた。習い事もたくさんさせてもらった。

だけど就活のときになってもなお、絶対これ!というものに出会えなかった。いや、何も出会えなかったわけではない。

これもこれもこれもやりたい。
世の中の様々な物事への興味が尽きなかった。
いろいろなことをやりまくった結果、やりたいことがありすぎる人間に育ってしまった。広く浅くできる人間になってしまった。悪く言えば器用貧乏。就活で自己分析をして、こんな自分に嫌気がさした。

そんなとき、Twitterでこの本に出会った。

まず、器用貧乏を「マルチ・ポテンシャライト」と言ってくれている…..!将来の夢を明確に書けないと市民権がない、とまで悩んでいた私の中の霧が晴れた。なんてポジティブな響きなんだろう。そしてこんな私みたいな人種も世の中にはいることを知って、そんな私たちの存在を認めてくれて、本当に嬉しかった。

「○○年間ずっとこれをやり続けています」
「小さなころから○○がとにかく好きで、これを仕事にしました」

こういう一途に何かが好きで、突き詰めて仕事にまでしちゃう人にはなれなかった。

だけど、今は「マルチ・ポテンシャライト」として、○○×◆◆みたいな自分の好きな分野を掛け合わせてだれかの役に立つ仕事をしていきたいと自信を持って言える。(そのために今は好きな分野の片方を極めるべく修行しているんだけど。)○○って職業で一言で終わらせれるようなものじゃないけれど、「○○みたいなひとになりたい」って言える。

前回のNHK朝ドラ(虎に翼)の主人公の娘が、私と同じようにあらゆる物事に興味をもっちゃってふらふらしている、みたいなタイプだった。「たくさんよりどころを作ってほしい」と娘に言ったものの、色々興味をもってひとつの職業につかない娘を心配する母親に対して言ったセリフが、私にも刺さったのでメモとして記す。

好きなこと、やりたいことがたくさんあるの。
それって最高の人生じゃない?
この先、私は何にだってなれるんだよ。

佐田優未のセリフを抜粋

そうだよね、これは最高の人生だよね。
1つのことを極めるのも人生。やりたいことがたくさんあるのも人生。やりたいことや興味のあることがたくさんあるからこそ、何にだってなれる可能性を秘めている。

あぁー、幸せな人生だな。

仕事で大変なことはもちろんあるけど、人間関係めんどくさいなと思うときもあるけど、それでも今、幸せな人生だなと思う。
考えすぎる性格故、もしかするとまた自分の「将来の夢」みたいなやつにこだわって悩むときも来るかもしれない。
そんなときも「あなたの人生は最高だよ」と自分に言ってあげられるように、今の思いを記録として残しておこうと思う。

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