🎃ハロウィンの落ちカボチャ🎃
おふたりさんは緊張していた。
それはなぜか?
実はもう少しで、こびと界で噂の「落ちカボチャ」に
出会えるかもしれないから!
最近それを、RADIO「こびとの世界」で聞いた私は
そのことをおふたりさんに伝えてみたところ
ふたりは案の定「落ちカボチャ!絶対、絶対見る!」と言い出した。
それからというもの、ふたりはしきりに
「落ちカボチャ」「落ちカボチャ」とぶつぶつ言っている。
私はハロウィンの日までにと、ふたりに頼まれていたものがあった。
依頼の物は「カボチャの被り物」である。
その「ジャック・オ・ランタン」的?なカボチャの被り物が
たった今、完成したのだ。
完成したカボチャの被り物を渡すとふたりはすごく喜んでくれた。
早速被ってダンスをしてみたものの、まだハロウィンではなかったため
残念ながらカボチャは現れなかったけど。
それから数日が経ち
ついにハロウィン当日。
おふたりさんはカボチャの被り物を手に持ち
緊張した面持ちで外へ出ていく。
まずは三人で辺りを見回す。
秋らしく落ち葉がゆるゆると舞っていたが
当然カボチャは見当たらない。
地面には落ち葉が一面中落ちているが
その中にもちろんカボチャは、ない。
そこで我々はとうとうあの情報を確かめるべく
カボチャを被ってみることにした。
すぽっ
……………
するとどうでしょう。
なんと目の前には噂通り本当にカボチャがゆるゆると
落ち葉のように舞い始めたではありませんか!
小さなカボチャ達が一斉にダンスでもするように
そこら中ふわふわゆらゆらと、ゆっくり落ちてきたのだ。
私も驚きのあまりぽつりと呟く。
目の前で見る落ちカボチャは小さくてとても可愛くて、そして軽かった。
なんだか声まで聞こえてくるような気がする。
これは落ちカボチャさん達の話し声だろうか?
落ちカボチャが舞う中、おふたりさんはわぁわぁと大興奮している。
落ちカボチャを手に取ったり頭に乗せたりつついてみたり。
一緒におしゃべりまでしている。
そんなおふたりさんを見ていたら
なんだか私もとても幸せな気持ちになった。
そんなこんなで私たちは無事「落ちカボチャ」に出会うことができた。
本当に本当によかった。
落ちカボチャさんありがとう!
RADIOさんありがとう!
帰宅後、遊び疲れたふたりはそのままお布団に入って
すぐに眠ってしまった。
ふたりを覗くと、あらあら。
落ちカボチャが体中あちこちにくっついている。
今年もまたハロウィンを楽しむことができてよかったね。
来年のハロウィンもまた楽しみに待ってようね。
すると突然、ふたりにくっついていた落ちカボチャが
ふふふと笑ったような気がした。
もしかしたら落ちカボチャさん達も楽しかったのかな?
おふたりさん
落ちカボチャさん
今日は本当にお疲れさまでした。
(おしまい)
***
最後までお読みいただきありがとうございました!
明日がハロウィンということでまた急にカボチャが描きたくなりました。
最初はイラストのみの予定だったのですが
イラストを描ている内にどんどんお話が浮かんできたので
結果、おふたりさん登場の物語に🐨
ちなみにこれは去年描いたハロウィンのイラストです。
この物語を読んで、もし少しでも楽しいと思ってもらえたなら
それはとても有り難いことであります。
そしておふたりさんもカボチャを被って
もちろん全力で喜びのダンスをすることでしょう!
明日はハロウィン当日。
今年はこの物語をハロウィンに捧げたいと思います🎃~♬
ではまた。
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