「涙キャンディ」
ジュンちゃんは泣いていました。
よく泣いていました。
ジュンちゃん、今まで色んなことがあったのでしょう。
これからだってあるかもしれません。
別に悲しいだけが涙ではありません。
嬉しい涙、悔し涙、淋しい涙、不安の涙、笑い涙…
そう。涙にも色んな涙があります。
その涙をね、おふたりさんはせっせと集めていました。
毎回カップを持って行っては
こぼれ落ちる涙をすかさずキャッチ。
これが結構大変な作業なんです。
もちろんキャッチするのが難しいってこともあるけれど
一番大切なのは
いつもジュンちゃんの傍にいて
いつだってジュンちゃんを「見ている」ってこと。
だっていつ涙がこぼれ落ちるか
わかりませんからね。
だからおふたりさんはいつも陰からそっと
ジュンちゃんを見ていました。
どんなジュンちゃんだって知っています。
そしてこれまでに集まった沢山の涙たち。
苦いやら甘いやらしょっぱいやら甘酸っぱいやら…
涙たちはそれはそれは色んな味がします。
おふたりさんたちはそれを分けたりせず
みんなまとめて、せーのでドボンッ!
それから混ぜ混ぜ。
よーく混ぜ混ぜ。
せっせと混ぜ混ぜ。
するとそれぞれの涙が混ざり合い
すべてが混ざった涙は
とても温かい色になりました。
「よし。あとはこれを固めたら……」
色んな味がした涙は、ある一つの味になりました。
それはとっても「優しい味」でした。
ほんのり漂う香りはすべてを包み込んでくれるようでした。
「涙キャンディの出来上がり~!」
おふたりさんはジュンちゃんの涙から
様々な形のキャンディを作りました。
キャンディの色はその時々で
違った温かい色に変化するそうです。
温かい色に優しい味。そして包み込むような香り。
そのキャンディにはジュンちゃんの全てが詰まっていました。
ジュンちゃんの涙は全部
優しい味のキャンディになったのです。
生きていれば様々なことがあると思います。
これからまだまだ沢山の涙を流すことだって
あるかもしれません。
涙を流すことは決して悪いことではありません。
流した涙は自分の大切な一部です。
それをおふたりさんは
素敵なキャンディに変身させてくれました。
そしてその涙キャンディを食べれば
あら不思議!
誰もがみんなちゃーんと優しい気持ちなれるのです♪
だからもう心配しないで大丈夫。
安心して思いきり
泣いてくださいね。
おふたりさんがあなたの傍で
ちょこんと見守ってますから。
***
このお話はじゅんみはさんのこちらの記事を読み
そこから影響を受けて作ったお話です。
主人公の「ジュンちゃん」のお名前は
じゅんみはさんの「じゅん」と、ねじりの大切な人のお名前の
共通部分をとって「ジュンちゃん」とさせていただきました。
先程の記事を読んで、じゅんみはさんのこれまでの人生には
色んなことがあったのだなぁ…と思いました。
そのじゅんみはさんの人生を本人以外の人が
簡単には語ることはできないですし
ねじりもここでは内容には触れませんが
すごく貴重なお話が書かれてありました。
大切なことが書かれてありますので
興味がある方はぜひ読んでいただければ嬉しいです🐨
じゅんみはさん、素晴らしい記事や作品の数々を
いつも本当にありがとうございます。
また、みなさんの所にもおふたりさんが
色んな涙をキャッチしに行くかもしれませんので
その時は遠慮せず思いきり泣いて下さいね。
だって涙は
「涙キャンディ」の大切な材料ですから。
ご協力よろしくお願いします。
ここからは涙に関する作品を少しご紹介させて下さい。
こちらは以前、小牧幸助さんの企画「1分マガジン」で
書かせていただいた物語です。
この中にも説明を書いておりますが、こちらの物語は
さわきゆりさんの物語から影響を受けて書いたものです。
基になったゆりさんの物語はこちら⇩
ゆりさんのこちらの作品、本当にすごくすごくいいお話なので
もしまだ読んでいない方がいたらぜひオススメしたいです!
よろしくお願いします~♪
それにしても涙って、いいものですね。
ではまた。
最後まで読んでいただきありがとうございます🐨! いただいたサポートは創作の為に大切に使わせていただきます🍀