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扁桃炎に鼻うがいは効果あり?症状を緩和する3つのセルフケアを紹介

扁桃炎とは扁桃腺に炎症が生じている状態です。
炎症の度合いによっては、のどの痛みや発熱などの症状を伴うほか、ひどくなると食べ物や飲み物を口にしたときだけでなく、唾まで飲み込めなくなるほどの強い痛みを感じることもあります。

発熱して扁桃腺が腫れ、のどに痛みを感じるのは風邪によくある症状のひとつですが、なかなか症状が改善しない場合、実は扁桃炎という病気かもしれません。

扁桃炎をただの風邪やのどの痛みだと思って放っておくと、入院が必要になってしまう可能性があるため、早めに病院で治療を受ける必要があります。

なぜなら扁桃の周辺にたまった膿が身体へ拡がり、首に膿がたまる深頚部膿瘍(しんけいぶのうよう)や、胸に膿がたまる縦隔膿瘍(じゅうかくのうよう)といった、重篤な病気へと進行してしまう可能性があるからです。

とくに糖尿病や腎臓病を患っている方は、病気の進行が早く命に関わる事態になりかねませんので注意が必要です。

また、通常の場合扁桃炎は病院で治療を受けると数日でよくなりますが、そのときの身体の状態によっては治りが遅く、治ったと思っても再び症状が出てしまうこともあります。

そのため扁桃炎は、適切な治療だけではなく普段の生活の中でも自分でできるケアを行うことが大切です。

本記事では、扁桃炎とセルフケアについてご紹介します。


扁桃炎とは

扁桃炎

扁桃炎は、小さな子どもや20〜30代の若い方によく起こるのどの病気です。一般的に、急性炎症を生じる急性扁桃炎と、その症状が繰り返されて長引く慢性扁桃炎があります。

普通に日常生活を送っているだけでもかかってしまう可能性が高く、他の人にうつしてしまう場合もあるため、扁桃炎を患っている方だけではなく、周囲の方も注意が必要です。

ここではまず、扁桃炎についての詳しい情報をご紹介します。

扁桃腺とは

扁桃炎は、舌の付け根あたりの両脇にある丸いこぶのような扁桃腺というリンパ組織のかたまりが、細菌感染によって炎症を起こしている状態です。

扁桃腺の大きさは人によって異なりますが、一般的には5〜7歳くらいで大きさが最大になります。そして、その頃までは身体の免疫機能のほぼすべてを担っている器官です。

その後は成長とともに徐々に小さくなり、大人になってからは身体のほかのリンパ節が免疫機能を果たすようになるので、扁桃腺はなくてもとくに身体に影響がない器官に変わっていきます。

しかし、子どもの頃に扁桃炎に繰り返しかかっていると、扁桃腺が肥大したままの状態になってしまい、大人になっても小さくならないこともあります。

扁桃炎の原因

扁桃炎は、溶血性連鎖球菌(溶連菌)や黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などへの感染が原因です。身近な細菌やウィルスに感染することで扁桃炎を発症します。

身体が正常なときは、このような病原菌は免疫が跳ね返してしまうので炎症はおきませんが、疲れやストレスなどで免疫力が落ちていると身体が病原菌に負けてしまい、扁桃炎かかりやすくなってしまうのです。

以下は、扁桃炎になりやすい状態の例です。

疲れがたまっている
ストレスがたまっている
アレルギーがある
のどが乾燥している
コントロール不良の糖尿病
ステロイド治療を受けている

このような状態にあるときは、身体の免疫力が落ちやすく病原菌も増殖しやすいため、扁桃炎に陥りやすくなります。また、気温の変化も身体に影響を与え扁桃炎が発症する原因になる場合があります。

扁桃炎の種類と症状

一般的に扁桃炎には急性扁桃炎と慢性扁桃炎の2種類があります。段階によって症状が変わっていき、慢性扁桃炎になるとほかの病気を併発する恐れもあるため注意するべき病気です。

初期の段階では喉が赤く腫れて痛みが生じ、飲食の際にのどに違和感をおぼえる程度ですが、進行するにつれて症状はどんどん重くなっていきます。

ここでは、急性扁桃炎と慢性扁桃炎の症状をそれぞれご紹介します。

急性扁桃炎

以下は、急性扁桃炎の主な症状です。

38度〜40度の発熱
食事や唾を飲み込む際の痛みが初期段階より増している
扁桃腺に白い膿のかたまりがつくこともある
頭痛
全身の倦怠感
関節の痛み
頸部リンパ節の腫脹
中耳炎を併発することもある

原因となったウイルスによっては、肝臓が一時的に機能障害を起こす可能性もあります。さらに、急性扁桃炎が悪化すると、腫れや痛みがさらにひどくなる扁桃周囲炎という病気に移行していきます。

慢性扁桃炎

以下は、慢性扁桃炎の主な症状です。

食事や唾を飲み込む際の痛みは初期段階より増す
頭痛
耳の痛み
のどの乾燥
咽頭異常感

急性扁桃炎を1年に2回以上繰り返し、さらに症状が重くなった状態を慢性扁桃炎とよびます。急性扁桃炎と慢性扁桃炎は症状に大きな差はありませんが、慢性扁桃炎になると合併症に気をつける必要が出てきます。

慢性扁桃炎の合併症としてよくあるのが、関節リウマチや腎炎などです。日常生活に支障をきたすこともある病気なので、慢性扁桃炎に移行してしまった場合は十分注意しなければいけません。また、慢性扁桃炎は発症してしまうと薬で改善することが難しく、手術をしなくてはいけない状況になる可能性があります。

以下は手術が必要になる状況の例です。

扁桃腺肥大で睡眠中のいびきが大きい
炎症が強く高熱が出て学業や仕事に影響する
中耳炎や副鼻腔炎に繰り返しかかってしまう
腎炎など他臓器に影響する恐れがある

昭和40年代までは扁桃腺が大きいだけで積極的に全摘出手術を推奨していましたが、現在では日常生活に出る障害の程度や年齢的な変化を勘案し、長期的な視点から総合的に判断するようになっています。

そのため、手術の必要性に関しては病院で医師とよく相談し、判断を仰ぐとよいでしょう。

扁桃炎の3つのセルフケア

扁桃炎

病院での扁桃炎の治療は、軽度の場合うがい薬やトローチの処方、ある程度炎症が強い場合は抗生剤や消炎鎮痛剤、解熱剤などの処方で行います。

通常は約1週間程度で症状は改善していきますが、病院での治療と並行して自分でもセルフケアを行い、扁桃炎の改善をサポートしてあげましょう。

ここでは、扁桃炎の改善をサポートする3つの簡単なセルフケアをご紹介します。

腸内環境を整える

一般的に扁桃炎の原因となる免疫力の低下は加齢や疲れ、過剰なストレス、冷え、睡眠不足などさまざまな要因で起こります。そのため、免疫細胞を活性化させるために免疫細胞の約70%が存在する腸内環境を整えることが重要です。

腸内環境を整えるためには、以下のような食べ物を積極的に摂取する必要があります。

納豆
ヨーグルト
味噌
キムチ
漬物
フルーツ
海藻類
穀物
根菜
きのこ類
豆類

発酵食品や水溶性食物繊維、不溶性食物繊維を毎日欠かさず食事に取り入れ、腸内環境を整えると免疫力のアップが期待できます。発酵食品は、含まれる菌や栄養素がそれぞれ違うため、複数取り入れましょう。

また、胃腸を温める八角やシナモン、フェンネルやナツメグなどのスパイスを活用するのもオススメです。

加湿をする

扁桃炎の痛みやのどの腫れは、のどの乾燥と関係しています。そのため、マスクをしたり加湿器を使用したりしてある程度の湿度を維持するように注意しましょう。部屋の湿度は50〜60度を目安にし、必要以上に加湿しないよう注意が必要です。

また、マスクは自分の吐息で喉を乾燥から守れる手軽な湿度対策です。とくに寝ているときはのどが乾燥しやすいので、就寝時にマスクをつけておくのもよいでしょう。

そのほかにも水をこまめに飲んだり、のど飴を舐めたりするのも、のどの潤いを守る方法として効果的です。

鼻うがい

鼻うがいは、のどに行ううがいのように鼻の中を洗い流す方法で、鼻をかんでも出にくい鼻水や花粉、アレルギー物質、病原菌やウィルスなどを取り除く効果があるといわれているセルフケアです。

扁桃腺は鼻の奥から食道につながる部分にあります。鼻の奥を直接洗い流す鼻うがいは、普通のうがいでは洗いきれない病原菌やウイルスを洗い流せるので、扁桃炎に有効だといえます。

ただし、鼻うがいは正しい方法で行わないと効果を十分に実感できないので、正しい方法を知ってから行いましょう。

以下は、鼻うがいの正しい方法です。

一度煮沸した200〜300ccのぬるま湯に、洗浄液のもとを入れる
鼻うがい用の洗浄器具に作った洗浄液を移す
洗浄器具の先端を鼻に差し込む
体を少し前に倒し顔を斜め下方向へ向ける
「あー」と声を出しながら洗浄器具を押し洗浄液を鼻に流し込む
これを数回繰り返す
反対側の鼻も同様に洗浄液を鼻に流し込む

洗浄液を流し込んでいる最中はつばを飲み込んだり、大きく上を向いたりすると耳に洗浄液が流れ込み、中耳炎を引き起こす可能性があるため注意しましょう。また、鼻うがいはやりすぎもよくありません。1日1〜2回を目安に行いましょう。

塩分濃度0.9%の生理食塩水を自分で作り、洗浄液として使うこともできますが、はじめて鼻うがいを行う方は、市販の鼻うがいキットを使用するのがオススメです。

まとめ

扁桃炎と自分でできるセルフケアについてご紹介しました。扁桃炎は症状が風邪によく似ているので、自己判断で放置してしまう方もよくいますが、その結果さらに重大な病気に発展してしまう可能性があります。

そのため、発熱やのどの痛みなどよくある風邪の症状が現れ、風邪薬を服用しても改善しない場合は早めに病院を受診するようにしましょう。

そして、扁桃炎を早期に改善するためには、セルフケアでのどをいたわることも大切です。生活習慣を整えるのはもちろんですが、鼻うがいを行うことで鼻の奥から病原菌やウィルスを洗い流し、急性扁桃炎から慢性扁桃炎への進行をストップさせましょう。

のどに痛みを感じている方、扁桃炎かもしれないと感じている方はぜひ参考になさってください。


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