花粉症の症状がのどに出ているときの5つの対処法
花粉症といえば、鼻水や鼻詰まりなどの症状が一般的です。でも実は花粉症のアレルギー症状としてのどに異常が現れることもあります。
鼻の症状だけでも辛いのに、のどにまで症状が出ては日常生活を普通に送ることも困難になってしまいます。
そこで今回は、花粉症によってのどに出る症状と、季節ごとの代表的な花粉、花粉症の症状がのどに出ているときの5つの対処法をご紹介します!
花粉症によってのどに出る症状
なんだかのどがおかしい…花粉症は風邪と症状がよく似ています。花粉症の原因は植物の花粉によって引き起こされるアレルギー症状です。
花粉症の代表的な症状は鼻水やくしゃみ、目の痒みなので、のどの症状に関してはあまり気にされない方もいます。そのため、のどに症状が出ていても風邪だと勘違いして風邪薬を飲んでしまう方も少なくありません
では、花粉症によってのどに出る症状とは一体どのようなものがあるのでしょうか。具体的にご紹介します。
のどがイガイガする
花粉症は主に水っぽい鼻水や鼻詰まりなどの症状が出ますが、のどにイガイガした違和感を感じることがあります。
のどのイガイガ感は、アレルゲンである花粉がのどの粘膜に付着することで起こる場合と、鼻詰まりによって口呼吸になり、のどが乾燥して起こる場合があります。
また、口呼吸によって唾液の分泌量が減っている場合にも、のどがイガイガしたり違和感を感じたりします。
咳が出る
花粉症の症状には個人差があり、人によっては咳が出る場合もあります。花粉が鼻の中の粘膜に付着すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質が分泌され神経が刺激されることで咳などの症状が現れます。
花粉症で鼻水が多い状態が続いているときには、鼻水が後ろに流れ込んで後鼻漏になります。そしてその鼻水がのどから気管に溜まってしまい、そこから気管支の方に鼻水が流れて咳が出ることもあります。
のどが腫れている
ご存知の通り鼻とのどはつながっているため、花粉が鼻からのどへと流れ込んでしまい、のどに痒みを感じたり粘膜が傷ついてしまうことがあります。
傷ついた粘膜が、花粉による刺激で炎症が生じダメージを受けてしまうと、傷んだ細胞が過剰に水分を含み膨張してしまうためのどが腫れることがあります。
季節ごとの代表的な花粉
花粉症といえば春のイメージが強いですが、実は夏や秋の植物でも花粉症になる方も多く、花粉症は”通年病”とも言われています。
しかし、夏や秋の花粉症の存在を知らない方も多く、春ではないという理由で症状が出たとしても風邪だと思い込んでしまう方もいます。花粉症の場合、風邪薬では症状に対する効果はなくアレルギーの程度によって適切な治療の選択をしなければいけません。
春の花粉
花粉症にかかる方で最も多く発症するのが、春の花粉症です。アレルギー性咽喉頭炎を起こしたり、後鼻漏によってのどの粘膜を傷めることで炎症を起こしてしまう場合があります。
スギ
スギ花粉が飛散する時期は主に2~4月で、3月上旬から中旬がピークです。日本で花粉症の原因で一番多いのがスギ花粉によるものです。
スギ花粉は、花粉の飛散する距離が長いのが特徴です。飛散量が非常に少ない北海道と沖縄を除いた日本全国で猛威を奮っています。
症状が出るのは、鼻の他にも目やのど、皮膚などで、中には不眠や耳が痒くなるという方もいます。
ヒノキ
ヒノキ花粉が飛散する時期はスギより少し遅い3~5月です。スギ花粉症にかかっている方の約7割がヒノキ花粉にも反応すると言われています。そのため両方の花粉症が重なると症状が重くなることがあるので注意が必要です。
ヒノキ花粉はスギと同じように飛散距離が長く、福島県より南の地域から九州にかけて広く分布しています。
夏の花粉
花粉症は春だけだと思っていたのに、6月に入っても症状が治らないという方は、別の花粉症を発症している可能性があります。
鼻水などが続く方は、ただの夏風邪だと思わずに花粉症であることを疑った方が良さそうです。
カモガヤ
イネ科のカモガヤ花粉が飛散するのは5~9月頃です。飛散距離がスギなどに比べて短いので、カモガヤに近づかないことで症状を抑えることができます。
カモガヤ花粉と共通の抗原性が報告されているのは、スイカやメロンです。スイカやメロンを食べたときに口の中が痒くなってしまうという人は、カモガヤ花粉症の可能性があります。
オオアワガエリ
イネ科のオオアワガエリ花粉が飛散するのは7~8月で、道端や河川敷、空き地などの身近な場所に広く自生しています。
カモガヤと同じく、食物アレルギーとの関連が報告されています。のどが痒くなったり咳が止まらない場合は、アレルギー検査を受けることをおすすめします。
秋の花粉
毎年秋になると鼻やのどなどに不快な症状が現れるという方は、秋の花粉症の可能性があります。症状自体は春の花粉症と変わりませんが、春の花粉と比べて花粉の粒子が小さい秋の花粉はのどから気管にかけての症状に注意が必要です。
ブタクサ
秋の花粉症の代表といえるブタクサ花粉症の飛散時期は8~10月です。日本全土に分布していて、スギ・ヒノキに次いでかかる人の多い花粉症です。
ブタクサは背が低い草なので飛散距離が短く、近づかなければ避けることもできますが、風の強い時間帯には飛散しやすいので注意してください。
スギやヒノキと比べるとのどや肌に症状が出やすいので喘息の方やアトピーの方は特に注意が必要です。
ヨモギ
ヨモギ花粉が飛散するのは8~10月頃でピークは9月頃です。花粉の飛散距離はブタクサと同じように短く数十mほどなので、河川敷などヨモギが生えていそうなところには近づかないようにしましょう。
冬の花粉
冬の花粉は、春と同じで主にスギ花粉とヒノキ花粉によって引き起こされています。毎年2月頃から猛威を奮い始めるスギ花粉とヒノキ花粉は冬の時期から症状が出始めて春が終わる頃まで続く方が多いです。
冬は花粉症だけでなく風邪やインフルエンザにもかかりやすい時期なので、併発して症状が悪化しないように注意しましょう。
花粉症の症状がのどに出ているときの5つの対処法
花粉症は鼻や目の症状だけでなく、のどの痒みやイガイガした違和感、咳なども引き起こします。場合によっては喘息になるなど重症化してしまうケースもあります。
のどの痛みや咳は本当に辛いものです。そこでここからは、のどの不快感を少しでも和らげるための対処法を紹介します。
家に帰ったらシャワーを浴びる
まずは上着に付着している花粉を軽くはたいてから家に入りましょう。その後手洗いうがいをし、そのままシャワーに直行して体や頭についた花粉を洗い流しましょう。
シャワーから出たあとは、新しい洋服に着替えると外からの花粉の影響を受けずに済むのでおすすめです。
花粉の飛散量が多い日は外出を控える
日頃から花粉情報に注意し、花粉の飛散量が多い日は必要以上の外出を控えるようにしましょう。
最高気温が高い日や雨上がり後の晴れた日、風が強い日などは花粉の飛散量が多くなります。
外出せずに家の中にいるときも、加湿器などを使って部屋の中の湿度を保つことで粘膜が乾燥するのを防ぎ、異物排出機能を高めてくれます。
アレルギーの薬を服用する
花粉症の症状を抑えるためには、抗アレルギー剤を用いての治療が非常に有効です。鼻水や鼻詰まり、のどの不快感を抑える効果が期待できます。
花粉症の症状を出さないためには、花粉が飛散する前から抗アレルギー剤を服用して花粉症シーズン中に症状を出さないようにする初期治療がおすすめです。
花粉症に効く食材を食べる
花粉症に効く食材を意識して食べることも対策として効果があります。その食材とは、ポリフェノールを含む食材とヨーグルトです。
ポリフェノールは人間の体内に入ると、抗酸化物質として有効に働くことが明らかになっており、鼻水や目のかゆみの原因となるヒスタミンの生成を抑える効果があります。ヨーグルトは摂取すると腸の中の善玉菌が増え、アレルギーの原因物質を作る悪玉菌を減らしてくれる働きがあるからです。過剰にこれだけを摂取するなどは逆に良くありませんが、普段の食事に少し取り入れてみるくらいの気持ちで、バランスの良い食事を心がけましょう。
鼻うがいをする
花粉症の症状がのどに現れているときにおすすめの対処法は、鼻うがいをすることです。鼻うがいは鼻の中を洗い流し、花粉や雑菌を洗い流して綺麗にしてくれます。
鼻うがいは痛そうと思われる方も多いですが、正しいやり方で行えば痛みもなくのどの不快感まですっきりと取ることができるので非常におすすめです。鼻うがいの正しいやり方をマスターしてのどの不快感をなくしましょう!
まずは準備するものを紹介します。
水1Lを一度沸かして食塩9gを溶かしたもの(生理食塩水)
コップ
1度の鼻うがいで使用する生理食塩水は200~300ccです。人肌くらいに冷ましてから鼻うがいを行いましょう。次に鼻うがいの正しいやり方をご紹介します。
顔を下に向けて斜め方向を向く
顔を横に傾けて生理食塩水を入れたコップから鼻に差し込む
アーと声を出しながら生理食塩水を鼻に流し込んでいく
反対側の鼻から生理食塩水を出す
同じことを反対側でも行う
鼻うがいを行っているときはツバを飲み込まずにゆっくりと行いましょう。終わった後に生理食塩水が鼻に残っていると感じたときには鼻をかまずに顔を前に傾けるなどして生理食塩水を全て出し切るようにしてください。
このように自宅でも簡単に鼻うがいをすることができますが、忙しい方や自分で生理食塩水を作るのが面倒という方は、市販の鼻うがい器具と洗浄液のもとを使うとさらに簡単に鼻うがいを行うことができます。
まとめ
花粉症によってのどに出る症状と、季節ごとの代表的な花粉、花粉症の症状がのどに出てしまったときにできる5つの対処法をご紹介しました!
のどの不快感は集中力を奪ったり、咳は体力さえも奪っていきます。本当に症状のひどい方は日常生活を続けるのも困難となります。
花粉症でのどが気になるという方は、ぜひ今回ご紹介した対処法を実践してみてください。