わたしはわたしのままで

自分以外の人たちと関わるようになって実感したことは、わたしは、誰かに頼ること、相談すること、甘えることがとても苦手だということ。

元々一人で何かをするということが好きだったのもある。高校生くらいから親に頼ろうという気持ちがなくて、むしろ頼ってしまったら共倒れしてしまうと思っていたから頼れなかったのもあるし、色々な要因が重なって、人を頼ることへのハードルが随分と高くなってしまっているなと思う。

それは友達や恋人、仕事の人に対してもだ。

絶対にキャパオーバーになると分かっているのに自分一人で抱えてやり切ろうとしたり、色々な愚痴を言いたいけど雰囲気が悪くなるかなと思って言えなかったり。
それが溜まりに溜まって、自分の気が落ちてしまう。

どうやったら上手く甘えられるだろう。
人に頼れるだろう。


なかなかすぐに答えが出なかったけれど、最近になってふと、その気持ちの中には、"わたし一人だって全然できるし"という強がりもあるのかもしれない、と思った。
他の人の仕事を増やしてしまって申し訳ない、とかこんなのも出来なかったら幻滅されるかも、とか思っているよりも様々な感情が重なっていることに気がついた。

そのたくさんの感情を少しずつ剥いでいくと、わたしの人生を変えたひとつの大きな出来事があって。

ああ、生きていくためには一人でなんでもできなくちゃいけない、と思ったあの時の気持ちが、未だにずっと根底にあるから、上手く助けを求めることができないでいるんだ、と腑に落ちた。

でもあの時頑張ったから、今はもう一人でなんでもできているよ、生きていけてるよ、と過去の自分を慰めることで、今の自分が少しだけほっとしたように思えた。そうやって過去の自分を見つめることもわたしには必要だった。

恋人に対しても、甘えたいと思ったことはあまりなくて、お互い人生を楽しく生きていけたらそれでいいと思っているから、干渉はしない良い距離感で過ごしているのだけれど、

この間、少し緊張する場に行くことが決まったとき、恋人が隣にいてくれたら安心するのになあ、とふと思ったことがあって、
頼りたい、傍にいて欲しいという気持ちがしっかり出てきてる！と謎に感動してしまった。
そして、わたしにとって恋人が安心する存在であることも改めて実感して、そうか、これが甘えたいという気持ちか……と新しい自分の気持ちに気付くことができた出来事だった。

恋人はあまり物怖じしないタイプというか、緊張してると言う割にいつもと変わらない感じで過ごせる人なので、きっと一緒に行ってくれたとしても普段と同じように接してくれるだろうなと想像がつく。
わたしにはそれができないから、本当に凄いと思う。
にこやかには出来るけど、初対面の人に対しての警戒度はいつもMAXになっている。

その姿を近くで見ていたからこそ、恋人がいてくれたら…と思うのかもしれない。
自分で言うのもなんだけど、ちょっとドライ気味なわたしにもそんな可愛い一面があったんだね！！と思って笑えてしまった。

普段あまり意識はしないけれど、こういう時に自分の中で自然と恋人の存在が大きくなっていたり、生活に溶けていたりするんだと実感する。
それはいつも色々な場面で恋人が安心をくれるからだと思う。
わたしもちゃんと恋人に伝えているかな。安心とか、何かあった時頼ろうと思えるのとか、甘えられるとか、同じくらい渡せているだろうか。
足りていないかもしれないから、溢れんばかりの思いをちゃんと伝えなくては。

そういえば、あれほど弱音を吐いていた転職活動、無事に終わりまして。
4月から全く違う新しい職場になります。
年度末に向けて忙しさが増していくので、全て終わらせながらも着実に進んでいけるように頑張らねば、と気合を入れているところです。

転職についても、あまり人に相談せずに自分の思うままに決めたけれど、それはそれで良かったと思う面もあるから、状況に応じて上手く人に頼ったり甘えたりできれば良いのかもしれない。

決して周りが頼りないとか、話しても分かってくれないという気持ちではなくて、自分が納得できなければ続かないと分かっているからで。
自分の直感はこれからも信じていきたいので、どうしようもなく迷ったら人に相談する、という目安を持つことにした。

何でもかんでも一人で決めようとしなくていいんだよ、と過去の自分に話しかけてみる。
今は周りに素敵な人たちがいるからね、わたしのことを気にかけてくれる人はいるからね、だから大丈夫なんだよ。
わたしはわたしのままで、生きていけるよ。

春が来ますね。

きっとまたざわざわすることもあるだろうから、定期的に自分の心と体を整えて。
ほっと安心できる場所を大切にして。

何かと揺らぎがちな季節なので、無理せず。
温かくして、光をたくさん浴びて、素直に伸びていけますように。