haveの大冒険(2022/8/25)
みなさんご存知でしょうか?
というよりは
考えたこともないかもしれませんね(笑)
でも面白いので
是非お手持ちの辞書で
調べてみてください。
おそらく
思っているより多いと思います。
お馴染みの「英辞郎」では
13の意味が掲載されています。
※ちなみにWeblioには
更に多くの意味が掲載されています。
(haveって名詞もあるんですよ~)
haveの意味・使い方・読み方・覚え方 | Weblio英和辞書
なんでこんなに
意味が多いのでしょうか?
今回はそんなことを
書いてみたいと思います(^^)/
まずは"have"の語源から。
どうやら
「ゲルマン祖語(Proto-Germanic)」の
「*habejanan」という語が
語源のようです。
その後
皆さんおなじみの
「ゲルマン民族の大移動」とともに
グレートブリテン島に
アングロサクソン人の言葉が持ち込まれます。
この大移動が
本格的になったといわれるのが
449年ごろ。
この頃から
現代の私たちが使っている
英語の「祖」となる
「古英語」が発生します。
※厳密には…
古英語で書かれた文書が登場するのは700年頃と言われているので
その頃を「古英語」の始まりとする場合もあります。
そんな中で
「*habejanan」は
「OE: habban」という形に
変化します。
この変化のタイミングについては
様々な意見がありますが
ファンタジーの祖といわれる
『ベオウルフ(Beowulf)』の中に
「OE: habban」が登場しています。
参考:Old English Aerobics Glossary Entry
つまり
『ベオウルフ』が書かれた(とされる)時期
700年から800年ころには
「OE: habban」は使われていたという
推測ができます。
つまり"have"は
古英語から数えれば「1300歳」
ゲルマン祖語から数えると
それ以上になるわけです。
長生きですね(笑)
その後
中英語(1100~1500年頃)に
「ME: haven」⇒「have」と
変化します。
この流れを踏まえると
前述した
(haveは)なんでこんなに
意味が多いのでしょうか?
の答えが見えてくると思います。
簡潔に言うのであれば
「長い間使われてきたから」
です。
歴史的にみると
グレートブリテン島は
様々な国・民族によって
征服され
統治されてきました。
統治者が変われば
言語の状況も変わります。
例えば「ノルマン・コンクエスト(1066)」です。
この時に起きたことは
支配層=フランス語
被支配層=英語
という状況でした。
当然のことながら
当時のフランス語が
英語に流入して
英語として
使われるようになります。
(-tion みたいな語や料理名など)
そして
英語はアメリカへ渡り
世界中に波及します。
今度は
「外の」国・民族の間で
英語が使われることにより
"have"は意味を増やしていきます。
そして気付いてみたら
"have"の意味が増えていた
という構図になるのです。
今後"have"を目にするときは
是非1300年分の歴史を
感じてみてください。
そうすれば
「なんでこんなに意味があるんだー!」
なんて怒らないはずです(笑)
ねぎ