積まれた洋書

どうして今まで水城せとなを読まなかったのか【読書記録】【201901】

「おもしろい本を紹介しよう」とこれまでタイトルつけていた方、芸がないですね!!!

2019年1月の読書記録です。今月からタイトルはその月の読書内容に合ったものを考えることにしました。

このタイトルにたどり着くまで20分ぐらいかかりました。何事も訓練です。来月もがんばってひねり出します。

2018年12月の読書記録はこちらです。

2018年に読んだ本のベストイレブンを作りました。こちらもぜひご覧ください。

1月に読み終えた本は21冊でした。

では読んだ本の中からおすすめの3冊を紹介します!

世界で一番、俺が〇〇(水城せとな)

改めて1巻から読み返すと、ちょっとした台詞や小道具が後の展開の伏線になっていることが分かります。水城さんは伏線の張り方が巧みです。一度読んだだけでは気がつかないことも多いと思います。何度読んでも新たな発見がある作品です。いつかイケメン若手俳優3人を主役に深夜ドラマになりそうな物語ですね。

人はみな自分の内面を直視することを避けてしまいがちです。水城さんの作品は、登場人物が発する言葉を用いて読者の目の前に鏡を置いてくれるようです。読むと自分の内面を嫌でも見つめさせられる気がします。僕は主人公3人と年齢が近いです。彼らの台詞には心に重くのしかかるものがありました。正直、読んでいてちょっとしんどいときもあります。しかし、先が読めない面白さと一つ一つ言葉の重みが僕のページをめくる手を止めません。早く続きが読みたいです。(※既刊6巻)

【あわせて読むなら・・・?】

ダ・ヴィンチ2017年10月号
『世界で一番、俺が〇〇』について水城さんのインタビューが載っています。「いつかいつかって思っていると、いつかは永遠に来ない」という言葉は心に深く刺さります。

放課後保健室(水城せとな)
この作品も伏線の張り方が上手です。ラストに読者をあっと言わせます。水城さんの持ち味が出た作品だと思います。

教養としてのプロレス(プチ鹿島)

プロレスに興味がなくても何か熱中している趣味がある人はぜひ読んでほしい一冊です。鹿島さんのたぐいまれなプロレス知識から汎用できる学びや教訓を導きだし、社会問題や日常生活に当てはめて論じています。本の冒頭部分に「プロレスとは『モノの見方』のことである」と書かれています。僕たちもプロレスに限らず自分の趣味を通して『モノの見方』を学んでいけるのではないかと思います。

そしてあとがきでは「考えることを捨てるな」「思考停止になるな」と鹿島さんは強調します。物事を斜に構えて見るのではなく、正面で受け止めて考える。プロレスを通して思考を続けてきた男の熱い思いが感じられます。

【あわせて読むなら・・・?】

メモの魔力(前田裕二)
この本に書かれている『事実→抽象化→転用』のプロセスを見事に実践しているのが『教養としてのプロレス』です。ぜひ合わせて読んでください。

プロ野球死亡遊戯(中溝康隆)
プロ野球を見てサラリーマンの生き方に重ねたり、転用している部分がいくつかあります。文章そのものが面白いので野球にあまり詳しくなくても楽しめる本です。

ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる(片山杜秀)

片山さんは「受け取り手の存在が芸術では大事」と明言します。特に音楽は演奏する人、聞いてくれる人、スポンサーになってくれる人など他人が必ずいないと表現することができません。だから音楽は常に時代に合わせたものが世に残って現代に伝わるのです。片山さんの着眼点は目からうろこでした。

一番印象に残ったのはベートーヴェンの話でした。当時は『市民の時代』でした。彼は『運命』に代表されるような「わかりやすく明快で覚えやすい」、「うるさく刺激が強い」、「常に新しさを取り入れて完成度の高い」という特徴を持つ作品を世に送り出します。これらは市民が求めるものを的確に見抜いたものでした。ベートーヴェンは近代社会が生んだ優秀なマーケッターだったのかもしれません。

【あわせて読むなら・・・?】

権力の館を歩く(御厨貴)
こちらは建築と日本近代史の話です。場所や空間が政治家など権力者の思考に影響を与えるのではという仮説を立て、彼らの思考のプロセスを読み解いていきます。

帳簿の世界史(ジェイコブ・ソール)
会計の制度や方法から世界史を読み解いた本です。宗教や政治、産業と会計の発達が互いに影響し合っていることが分かります。わくわくしながら読めるおすすめの歴史本です。

おしまい

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本編では書ききれなかったことや書くときにどんなことを考えていたか、記事を振り返った所感などをおまけとして書きます。

今回は『本編で紹介しきれなかった本』についてです。1月に読んだ本の中から本編で紹介していない何冊か選んで簡単に紹介します。

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