NATSUKO

アートとヨーロッパ一人旅が好きな社会人芸大生。アートライティングを勉強中です。アートに…

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アートとヨーロッパ一人旅が好きな社会人芸大生。アートライティングを勉強中です。アートについて書くときは、拙くても、自分の視点を提示することを心がけたい。そういう見方もあるね、と受け取ってもらえたら、それは私にとって何よりのプレゼント!そんな素敵な連鎖が生まれますように……。

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自己紹介|社会人芸大生|2022年8月 note始めました。

はじめまして、NATSUKOです。   私は、アートについて書くことを仕事にしたいと思っています。そのせいでしょうか。最近やたらと「note」の文字が目に留まるようになりました。 遅まきながら、これはnoteを始めろという啓示かも?と思い、早速、プロフィールを書いて登録!   主に、次の2テーマに関する記事を書いていきたいと思っています。 ① アートの鑑賞経験を言語化すること ② 旅先で出会ったアートを紹介すること(ヨーロッパを中心に) ⇒予定   ① について アート

    • 「世界のオザワ」が遺してくれた最後のオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』

      2024年3月23日、小澤征爾音楽塾のオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』を東京文化会館で鑑賞しました。小澤征爾氏が音楽監督を務めた最後のオペラです。   開演に先立ち、献奏が行われました。曲はモーツァルト「ティヴェルティメント ニ長調 K.136 第2楽章」。おだやかな弦楽四重奏が心に染みました。   オーケストラの構成員は、小澤氏の下にオーディションを受けて集った若手音楽家(塾生)たち。献奏前の挨拶には、「(小澤氏が)私たちに光をくれた」という言葉がありました。塾生らにとっ

      • 水面のゆらぎ/抽象画の兆し〜展覧会「モネ 連作の情景」@上野の森美術館

        2024年に入って初めて訪れた展覧会が、「モネ 連作の情景」です。 会場の上野の森美術館はかなり混雑していました。さすがモネ!大人気ですね。   第1回印象派展(1874年)から150年の節目を機に催された本展は、1890年頃(モネ50歳頃)に編み出された「連作」に焦点を当てつつ、画業をたどるという内容。   私が特に注目したのは、「印象派前夜」の時期にオランダで描かれた作品と、水面の表現でした。 モネとオランダ、「印象派前夜」 今回、モネがオランダで活動していたことを初

        • アート | されど光〜名和晃平「PixCell」シリーズに見た光の功罪

          モノを見るには光が必要です。   美術鑑賞の場においても、照明は大事です。作品に光が当たっていればいい、というわけにはいきません。時に光は作品本来の姿を隠すことがあるからです。 その極端なケースを目の当たりにしました。彫刻家・名和晃平の「PixCell」シリーズを鑑賞した時のことです。   まずは、角川武蔵野ミュージアムで開催された「タグコレ 現代アートはわからんね」(2023年2/4〜 5/7)の様子から。   この展覧会は、美術コレクター・田口弘氏のコレクション展で、斬新

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        自己紹介|社会人芸大生|2022年8月 note始めました。

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        • 水面のゆらぎ/抽象画の兆し〜展覧会「モネ 連作の情景」@上野の森美術館

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          記録・技術・アート 〜 展覧会「植物と歩く」@練馬区立美術館

          8月6日、「練馬区立美術館コレクション+ 植物と歩く」(7/2~8/25 練馬区立美術館)を観に行きました。 本展は、練馬区立美術館の所蔵作品を軸にした企画展です。大学生は300円!ありがたい!   お目当ては、大好きな須田悦弘の作品でした。練馬区民ではない須田の作品をここが所蔵しているとは、意外です。 展示ケースに入った作品がありましたが、思いがけない場所にひょこっとあるその佇まいと、あたかも宝物をみつけ出すようなワクワク感とが須田作品をより光らせるように私には思われます。

          記録・技術・アート 〜 展覧会「植物と歩く」@練馬区立美術館

          ディオール展でコラボ!繊細でラグジュアリーな切り絵アート~展覧会「柴田あゆみ かみがみの森」より

          切り絵アーティスト・柴田あゆみさんをご存知でしょうか。   「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展(東京都現代美術館)のB1展示室で、モネが愛したシヴェルニーの庭を連想させる美的空間を「しらかみ」だけで創出したのが、柴田あゆみです。 草木が豊かに茂る川辺に、色とりどりに咲き誇るロマンティックなドレスたち。そこは春爛漫、かぐわしさを感じる空間でした。 使われている紙自体が薄くて白いので、密集しても軽やかだし、また見る側の想像力がぐんと広がります。なによりドレスの美が際

          ディオール展でコラボ!繊細でラグジュアリーな切り絵アート~展覧会「柴田あゆみ かみがみの森」より

          展覧会「ルーヴル美術館展」@国立新美術館〜太陽王は魔女アルミ―ダの恋物語がお好き♡

          3月3日、「ルーヴル美術館展 愛を描く」(国立新美術館)に行きました。 夜間開館を利用して鑑賞しました。会期がはじまったばかりで、お客さんは少なめ。おかげで作品が他の方々にさえぎられることがほとんどなく、ストレスのない状態で観られました。   ルーヴル美術館のコレクションは、太陽王ルイ14世(在位1643年−1715年)の美術コレクションを礎にしています。 絶対王政の全盛期を築いたルイ14世は、国王の権力を誇示するため、優れた美術品を収集しました。即位した時点で数十点だった絵

          展覧会「ルーヴル美術館展」@国立新美術館〜太陽王は魔女アルミ―ダの恋物語がお好き♡

          展覧会「エゴン・シーレ展」@東京都美術館✖「肉体と精神、タブー」@mumok(ウィーン)から見えてきたこと

          2月4日、東京都美術館(以下、都美)で開催中の「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」を観に行きました。 本展はエゴン・シーレの個展ではありません。ウィーンにあるレオポルド美術館の所蔵品を中心に、シーレとその時代、すなわち19世紀末から20世紀初頭のウィーン・モダニズムを、シーレを中心に概観するものです。 会場は1章~14章に分けられています。この多さは、最近観た展覧会では珍しく思われました。つまり、それだけ内容が多岐にわたっていました。盛りだくさ

          展覧会「エゴン・シーレ展」@東京都美術館✖「肉体と精神、タブー」@mumok(ウィーン)から見えてきたこと

          キモかっこいい!?最高峰のフラメンコ|スペインのカリスマ=ヘスス・カルモナ《THE GAME》を観て

          1月27日、世界的なフラメンコダンサー、ヘスス・カルモナの舞台《THE GAME》(渋谷区文化総合センター大和田)を観てきました! NYタイムズが「フラメンコ界の鬼才」と絶賛した、カリスマダンサーの来日公演です。せっかくの機会なので、S席を希望したのですが、運営に関わる友人が1階3列目のA席を勧めてくれました。座席表を見ると、2列~5列がA席でした。良い席なのにA席?? すると友人いわく、1階前方の観客席は段差がなく、ダンサーの足元が見づらい時があるため、A席にしたとのこ

          キモかっこいい!?最高峰のフラメンコ|スペインのカリスマ=ヘスス・カルモナ《THE GAME》を観て

          もの派がもつ日本的なもの/変貌する余白~展覧会「李禹煥」@国立新美術館を起点に考えたこと

          11月5日、終了間近の「李禹煥」展(8/10〜11/7国立新美術館)へ行きました。  「ものともの」「ものと人」の関係性を問う「もの派」を牽引し理論化した、李禹煥の回顧展です。平面作品と立体作品(インスタレーション)の両方を作り続けた李の仕事を見渡せる内容となっていました。   この展覧会を起点にして、「もの派」と李作品について、平面作品を中心につらつら考えました。時間は空きましたが、備忘録としてまとめてみました。 「もの派」が含みもつ日本的なもの美術史家で前国立西洋美術館

          もの派がもつ日本的なもの/変貌する余白~展覧会「李禹煥」@国立新美術館を起点に考えたこと

          展覧会┃ブーダンを光らせた「自然と人のダイアローグ」@国立西洋美術館

          国立西洋美術館(以下、西美)のリニューアルオープンを記念して開催中の「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」は、ドイツのフォルクヴァング美術館とのコラボ企画です。両館の収蔵作品で構成されています。   展覧会名を見ると明らかですが、フォルクヴァング美術館の名前を前面に出していません。海外から持ってきた作品群を人寄せパンダにしない、どこか毅然とした姿勢が感じられ、好感を持ちました。   美術館・博物館は、資料(作品)を収集・保管・展示すること、資料

          展覧会┃ブーダンを光らせた「自然と人のダイアローグ」@国立西洋美術館

          「ゲルハルト・リヒター展」 ~キーワードとともに語ってみました。

          2022年7月初頭、「ゲルハルト・リヒター展」に行きました。   noteを始めたのが今月に入ってから。やむなく、出遅れた感があるかもしれませんが、私なりのキーワードを交えて、感想などをシェアさせていただきます。   本展は、巨匠リヒターのおそらく生前最後となるだろう回顧展です。自ずと気合が入ります。予習をして行く人も周りにいましたが、私はあえて不勉強のまま臨みました。事前にプロの論考を読むと、作品をそれに当てはめて観てしまいそうな気がしたからです。 そして図録に目を通す前に

          「ゲルハルト・リヒター展」 ~キーワードとともに語ってみました。

          パパイオアヌー《TRANSVERSE ORIENTATION》〜美と驚きに満ちた舞台芸術を体感して〜

          2022年7月30日、ディミトリス・パパイオアヌーの舞台《TRANSVERSE ORIENTATION》(彩の国さいたま芸術劇場)に行ってきました!   パパイオアヌーは、アテネ五輪の開閉会式を演出したことで知られる、舞台芸術の世界的アーティスト。3年ぶりの来日公演です。   「TRANSVERSE ORIENTATION」とは、蛾などの昆虫がもつ、月光をたよりにして飛ぶ方向を定める習性を指すそうです。ただし人口的な光が溢れる現代社会では、昆虫たちは飛ぶ方向を撹乱され戸惑って

          パパイオアヌー《TRANSVERSE ORIENTATION》〜美と驚きに満ちた舞台芸術を体感して〜