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ディオール展でコラボ!繊細でラグジュアリーな切り絵アート~展覧会「柴田あゆみ かみがみの森」より

切り絵アーティスト・柴田あゆみさんをご存知でしょうか。
 
「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展(東京都現代美術館)のB1展示室で、モネが愛したシヴェルニーの庭を連想させる美的空間を「しらかみ」だけで創出したのが、柴田あゆみです。

草木が豊かに茂る川辺に、色とりどりに咲き誇るロマンティックなドレスたち。そこは春爛漫、かぐわしさを感じる空間でした。
使われている紙自体が薄くて白いので、密集しても軽やかだし、また見る側の想像力がぐんと広がります。なによりドレスの美が際立って見えました。
 

「ディオール展」展示風景





本当はぱあっと明るいのですが……
見上げるとこんな感じでした!


 この展示室に足を踏み入れたその時、柴田の仕事だと瞬時にわかりました。というのも、彼女の個展に行って魅了され、強く印象に残っていたからです。
 
訪れたのは約半年前の2022年12月2日、「柴田あゆみ かみがみの森 切りだす光に包まれる 切り絵の展覧会」(西武池袋本店)です。たまたま本展に関わる知人からチラシとチケットをいただき、立ち寄った次第です。が、行って本当に良かった。心が華やぐような出会いをいただきました!
 

「柴田あゆみ かみがみの森」
展覧会チラシ


 会場には、ボトルシップ(瓶に帆船模型が入ったもの)のようなミニチュアから人を包み込む大きさのインスタレーションまで、実に多彩な作品が展示されていました。
 
驚いたのは、どの作品もすべて手切りで作られているということ。下絵を描かず、いきなり切り始めるそうです。しかも先の知人によると、切るスピードが速いのだとか。あんなに繊細で複雑なのに……。すごい。まさに超絶技巧です。
 
よく見ると遊び心も感じられました。草木の間にたまにちょこんと鳥がいたりして、見つけた時には胸キュンです。きっと紙を切りながら、その時々に感じたインスピレーションに従って、自由な気持ちで切り進めているんじゃないかなぁ、と想像します。
 
それでは、ミニチュアな作品からご紹介します。

《夜のしっぽ》*

《回廊》*

《旅人の本》*
和綴じで製本されています!
《太陽の船》*
*4点の写真は「【西武池袋本店】切り絵アーティスト柴田あゆみの展覧会開催」ページ、PR TIMES  HPより引用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001329.000031382.html(2023年5月28日閲覧)


 作品そのものの魅力もさることながら、展示の仕方や会場演出からも彼女の美意識が伝わってきました。素晴らしい感性の持ち主だなぁ、と思いました。
 
では、続いて大型の作品(インスタレーション)です。

「切りだす光に包まれる」とサブタイトルにあるように、光を効果的に使ったインスタレーションは、しらかみのレイヤーが独特の陰影を作り出し、幻想的で魅惑的。神が宿る神聖な森の中へ、吸い寄せられるように分け入ってしまいそうになる。そんな不思議な引力がありました。

そしてこれは私の勝手な想像ではありますが、観客から見えないところであっても、ハサミを入れていそうな気がします。なんとなく、レイヤー一枚一枚の隅々まで手を抜かずに作品を仕上げているんじゃないかと思わせてしまうのです。……あくまで妄想ですが(笑)。
 

チラシなどのメインビジュアルに使われた作品

見る角度や光により、表情が変化……

暖かい光につつまれるようでした。


グラデーションが美しい!


もう一つのインスタレーション

上の作品の左下辺り

さらに接写!
全部手で切り出しています!


モビールのような作品
壁に映し出された影までもが美しい!


こんなに素敵な柴田の作品です。目を付けたのはディオールに限りません。
 
2020年から歌手・森山良子がコンサートツアーの舞台美術を柴田に依頼しています。森山はテレビ番組で見た柴田の作品が気に入って、すぐ展覧会へ行き、その後連絡を取ったのだそう。「かみがみの森」で流された映像で、柴田が担当した舞台美術が紹介されたのですが、広いステージを十二分に埋める力をもっていることが伝わってきました。しらかみというシンプルではかない素材でも、貧弱な印象は全くありませんでした。

森山良子コンサートの風景
「柴田あゆみ かみがみの森」HPより引用
https://www.kamigamino-mori.com/(2023年5月28日閲覧)


この展覧会は東京(池袋)の後、大阪、仙台へ巡回しました。今後の予定はよくわかっていませんが、機会がありましたら、ぜひご覧になってみてくださいね!
 
以上、推しのアーティスト・柴田あゆみの作品紹介でした!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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