娘はなぜ「娘」をやめられないか#4
毒母と娘の関係は、不健全であるにも関わらず、断ち切りたくてもなかなか断ち切れないという現状があります。
娘はなぜ「娘」をやめられないのか?
私の実体験エピソードから分析していきます。
今回は#4です。
義父母に理解されない
すべてを失って、ただ時間を消費するだけの、その日暮らしの1年が過ぎた頃、現在の夫との出会いがありました。
彼のもつ価値観は、私とは全く違っていて、いつも何かに縛られて、常に息苦しさを感じていた自分とは、真逆の存在でした。
彼の過去エピソードからは、どんな育ちをしたのか容易に想像できたし、彼がまとう空気は、自由でゆったりしていて、朗らかで気楽で、時を共にした相手まで、自然とその空気に包まれるような人でした。
それまで、男女問わず多くの人と巡り会いましたが、こんな空気をまとった人は初めてでした。
私は、自分を浄化するように、足りない酸素を補うように、彼の存在を自分の中に取り込んでいくようになりました。
私がいま存在していられるのは、彼のおかげだと思います。
年齢や色々なタイミンもあり、私達は、結婚を決めます。
過去の苦い経験から、今回こそは無事に結婚までたどり着けるように、策士ぶりをレベルアップさせ、戦略を練ります。
まずはすべてを彼に伝え、協力をあおぎました。
まず私達が全くちがう価値観という点から想像の通り、親同士はより顕著な価値観の違いがありました。
生まれ育ち、子育て、夫婦のあり方、父親の生業。
(まぁたいてい親同士なんてそんな感じだと思いますが)
義父母は多様性を受け入れるタイプですが、私の両親は(特に母は)自分と異質なものは悪いものととらえ下に見るタイプで、あっという間に、彼一家を敵視するようになります。
両家の顔合わせや結納、結婚式の段取りなど、いくつもの関門がありますが、各ステップごとに、母チェックが入りました。
私をうまくコントロールして、自分の納得いく形に誘導します。
ある程度は聞き入れましたが、私自身が後悔しないよう譲れないラインはしっかり引きましたが(笑)
しかし結果、それほどエスカレートしなくて済んだのは、私が娘であり両親は嫁がせる側、主導権が男側にあるという価値観が、ことを助長させず済んだのではないかと思っています。
皮肉なもので、男尊女卑の考え方が、彼一家を計らう根源になっていました。
実際に両家顔合わせで話してみて、彼も義父母も、母のことは「厳しい難しい人」という印象だったようです。
「自分に厳しく相手にも厳しい」人柄は、言葉の端々や表情に現れ、接しただけでも簡単に伝わるものなんですね。
なので、さほど関わりがないとは言え、結婚前に義父母が息子の身を案じるタイミングもあったようです。
「式までの辛抱、それまでのガマン」と、私はすべての矢の的になって、何とか式までたどりつくことができました。
余談ですが
結婚式の定番「娘からの手紙」。
これは本当にペンが進みませんでしたよね。
公の場で本心は暴露しないにしても、「嘘」も書けないものですね。
…本音を避けた、一見、耳障りの良い微妙な手紙…
なんだか、へんてこりんな文章だったかもしれません。
さすがに当日は、読んで涙は出ませんでした。
最後の花束贈呈で母は、どっちつかずの手紙に不服な表情をチラつかせながらも、自分が主役のように子育てを振り返り、感無量で泣いていました。
こうして、彼の協力の下、結婚式まで完璧に良き娘を演じきり、
「結婚という名の家出」をコンプリートしたわけです。
※ ※
結婚して籍を入れば、名字が変わります。
住む地域も離れ、私は本当に開放された気持ちになりました。
ところが、
義父母からすると、嫁の親とはこれから付き合いが始まるわけで、お歳暮などのモノのやり取りがあると、やはり私を介することになります。
私の母娘関係については想像も及ばなかったのでしょう。
「きっと寂しいだろうから電話してあげなさい」と声掛けされたり、
「一人娘なんだから、あなたが大人になればうまくいくはず」
「育ててもらったんだから親孝行しなきゃ」と言われる始末…
結婚当初、義父母と嫁の歴史は浅いものです。
自分たちが良好な親子関係かつ、息子しか育てたことがない義母には、私達母娘のことをすぐに理解するのは難しかったと思います。
まぁ、理解してもらいたかったわけではないですが、経緯を知らずに一般論で一方的に指南をされ苦しかったことは事実です。
お姑さんですから、言い返せませんしね(笑)
その後は面倒になり、何事もなく仲良くやっている関係を装うようにはなりました。
娘をやめたいのに、それを許さない力、ここでもそんな見えない力を感じました。
#5へつづく
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