再掲【詩】「いくつかの恋で」
いくつかの恋を失くしたこと
中には悔やんだものもあった
もっと優しくできたはずと
もっと違うやり方があったはずと
流れる時間に思い出たちは薄れていき
振り返ることも少なくなっていくけど
でもその恋たちがあったから僕はここにいて
君の前で笑ってる
君を想いながら優しくできてるかなと考える
この僕で君を傷つけたりはしてないかなと思う
いくつかの恋で笑ってきた
そしてたまには泣いたりもした
その感情の揺れがあったから僕はこうして
君の前で笑ってる
血の繋がらない誰かを大切に想うということ
差し伸べられる温もりを包みたいと願うこと
その想いには その願いには
たった一つの恋ではたどりつけなかった
たった独りの記憶ではたどりつかなかった
優しくなりたいと 傷つけたくないと
いくつかの階段と いくつかの踊り場を
この身でこの心で上ってきて
僕は君の前で笑ってる