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馬とはなすということ。人を理解するということ。

昨日、久しぶりに馬に乗りました。まだ、新馬の7歳。サラブレッドでした。メイショウボーラー産駒で、人懐っこく、元気な馬です。


[↓馬術わからない人はごめんなさい↓]乗馬クラブのお姉さんが最初に回し、下乗りしてくれました。右手前が苦手なようで、まだ上手にハミ受けが出来ません。脚反応が鈍く、その割にはビックリするとすぐに走り出します。障害は、一歩一歩が力強く、踏切りが見えやすかったです。



たった30分の関係なのに…

将来有望な、とても良い馬だ。僕は、乗り終わったあと、そう思いました。

30分程度乗っただけで、その馬の全てが分かったような感覚でした。
「次はこうしたらもっと上手く乗れるな」
とか、
「こういう調教をしたらいいんじゃないか」
と、どんどんアイデアが湧いてきます。

馬はとても素直な生き物です。
出来ることはのびのびと気持ちよくやります。出来ないことは、出来ないと教えてくれて、イヤイヤながらも出来るように頑張ろうとします。

単純で、素直で、分かりやすい。だから、30分で僕はその馬のことを僅かながらも理解出来ることができたんだと思います。


馬とのコミュニケーション

僕が、馬のことを理解するまでにはいくつかのプロセスがあります。

①初めての馬に対してビビっている段階
馬乗りとして失格です。本来は、もっと余裕を持って馬を落ち着かせないといけません…。

②馬に対していくつかの扶助を出す
馬に対して合図を出すことを、「扶助」と呼びます。足に少し力を入れてみたり、手綱を軽く持ってみたり、その馬にとって心地よいところを探します。

③その馬の現状が分かる
いくつかの扶助を出して、今その馬に出来ること、出来ないことが分かります。

④何回か乗って、出来ないことを教えてあげる  or 僕が教えてもらう
馬のレベルにもよりますが、新馬であれば僕が教えてあげられることがあるでしょう。経験豊富なベテラン馬であれば、僕が教えて貰うことの方が多いです。

基本的に、強くあたったり、無理な乗り方をしなければ馬は僕たちのことを受け入れてくれます。
ニンジンをあげれば喜んでくれるし、隣で歩くときに僕が止まれば馬も止まってくれます。

これが、馬とのコミュニケーションです。


人とのコミュニケーションは難しい

人と上手に付き合う上で、必要な要素はたくさんあります。

性別・年齢・性格・話し方・価値観・理解・共感・境界線・協調性・思いやり・柔軟性・誠実さ・寛容さ・忍耐・リーダーシップ・スキル・
話すタイミング・言葉選び・共通の趣味・お酒etc…

キリがないのでこの辺りにします。
僕達は、多くの変数を上手にコントロールしながら常に相手に気を遣い、コミュニーケーションを取ることを求められます。

また、口頭やメッセージ、電話などのツールによってもコミュニケーションのレベルが変化します。


なぜ人付き合いは大変なのか

僕たちが人間関係に疲れる、と感じる理由は、理解しないといけない項目が多いから、だと思います。
多様性が尊重されるこの世の中で、僕たちはたくさんの人や価値観に共感と理解を示す必要があります。
そうしなければならないわけではありませんが、より多くのことに共感・理解してあげられる人の方が良い人だとされます(非モラル的なこと、法律に反することは別)。


馬からみたニンゲン

一方で、馬から見て僕たちはどのような存在なのでしょうか。

優しい or 怖い
おやつをくれる or そうじゃない
上手に乗ってくれる or そうじゃない

くらいなのではないでしょうか。馬目線では、僕たちの性別や身長、年齢、価値観などはどうでも良いことなのです。

だからこそ、僕たちは馬に対して素の自分を出すことができ、それが良い関係構築につながるのだと僕は思います。

もちろん、僕のことをより理解してくれているのは友達や上司、家族だと思います。
けれど、僕のことをより受け入れてくれるのは、もしかすると馬かもしれません


人間関係をより良くするためには

馬と違い、人間は非常に複雑な生き物です。けれど、根底にある欲求は他の動物たちと変わらないと思います。
まだ人生経験が短い僕からは、簡単なアドバイスしか出来ませんが、苦手な相手を動物たちに置き換えてみてはいかがでしょうか。

いつもうるさい人なら犬。
素っ気無い人なら猫。
嫌味を言う人であればキツネ。
鈍い人はウシ。

このように見てみると、少し苦手だった相手が可愛く見えるもしれません笑。


馬の魅力

僕が、久しぶりに馬に乗って感じた魅力は、
「初対面でもすぐに仲良くなれる」
ことです。
馬は、素直で優しい生き物です。

僕も、馬のように優しく、色んな人を受け入れられるような人間になることを目指します。

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