北米教育eスポーツ連盟 日本本部 教育的考察(という名のつぶやき)

次世代を担う若者が社会におけるゲームチェンジャーになるための教育に取り組む米国に本部を置く組織。若者に必要な共感力や共創力、想像力、そして問題解決力を培うプラットフォームとして、「eスポーツ」を活用した教育の開発・機会を創出。

北米教育eスポーツ連盟 日本本部 教育的考察(という名のつぶやき)

次世代を担う若者が社会におけるゲームチェンジャーになるための教育に取り組む米国に本部を置く組織。若者に必要な共感力や共創力、想像力、そして問題解決力を培うプラットフォームとして、「eスポーツ」を活用した教育の開発・機会を創出。

最近の記事

子どもたちが夢中になるマインクラフトを知ろう

こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本本部です。初めましての方はこちらをご覧ください。 NASEFでは北米で継続的に「マインクラフト」というゲームを用いた取り組みを実施しています。「マインクラフト」自体は教育ニュースなどでも度々話題にのぼりますが、こういった取組の趣旨、あるいは本作の概要などはゲーム自体に馴染みがない人にとっては分かりにくい側面があるように思います。 そこ

    • eスポーツ活動と議論のルール

      こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本本部です。初めましての方はこちらをご覧ください。 直前の2記事では競技的eスポーツ活動でクリティカルシンキングと問題解決能力を高めるには指導者が環境を整える必要があるという主張をしました。しかしこれまでの記事では「大人が適切な環境を用意すれば」と何度も主張しながら、具体的な案については踏み込むことができませんでした。そこで今回は各分野の

      • 競技ゲーマーはゲームから何を学ぶ?<後編>

        こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本本部です。初めましての方はこちらをご覧ください。 前回の「競技ゲーマーはゲームから何を学ぶ?」が1回に収まりきらなかったので、今回は後編をお届けします。 記事で目指すことは前回と同様、「ゲームをプレイしない方に知ってほしい、有用な前提情報を整理・提供」することです。今回の特集が「いやいや、ゲームは遊びでしょ?」という議論を先へ進めてい

        • 競技ゲーマーはゲームから何を学ぶ? <前編>

          前回の「保護者から見た子どものeスポーツ活動」という記事では北アメリカの調査結果を見ながら「保護者から見たeスポーツ」を取り上げてみましたが、書き終えてしばらく経ち、子どもたちにとっての新しい居場所だという捉え方は浸透していても、競技ゲーミングの教育的価値についてはあまり認知が進んでいないのではないかと思うようになりました。 おそらく一般的であろう設問「ゲームは遊びだし、何も学べないのでは?」という問いでは、多数の要因が混同され、いっしょくたになっているように私は感じていま

          保護者から見た子どものeスポーツ活動

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本本部です。初めましての方はこちらをご覧ください。 直近の記事数回は教員または学生の方の視点で意見を述べることが多かったのですが、スポーツやその他の部活動と同じく、保護者がどれだけ応援してくれるかは、特に学生の皆さんにとっては(ゲームできる環境が学校にあると仮定すると)最大の環境要因であろうと思います。 そこで今回はNASEFで活動する

          eスポーツ活動の行動規範

          どうも、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本本部です。 初めましての方はこちらをご覧ください! 前回の「国内実例に見るeスポーツx教育の本質」を書き終えて、行動規範の部分はもっと掘り下げたいなと感じるところがあったので、今回はeスポーツx教育x行動規範というテーマで書いてみたいと思います。 北米で実際に使われている行動規範 具体的にどんな事をカバーするものなのかを把握するために、ま

          国内実例に見るeスポーツx教育の本質

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本本部です。私たちがどんな組織なのかは過去の記事でまとめておりますので、こちらをご覧ください! 今後はまたeスポーツと教育に関するコラム的な記事を定期的に配信していきたいと思っております。改めてよろしくお願いします。 noteでは報告できていませんでしたが、NASEF日本本部ではこの1年の間にさまざまな活動を進めてきました。中でも私個人

          ダイバーシティ/インクルージョンを部活動で『体験』する

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic eSports Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。 この記事で初めてNASEFという団体を耳にしたという方は、はじめまして。自己紹介はこちらにまとめてあります! 耳にするといえば…最近は多様性、ダイバーシティ(Diversity;お台場のショッピングモールではありません)、インクルージョン(Inclusion)、などの単語を耳にする機会が少しずつ増えているよ

          ダイバーシティ/インクルージョンを部活動で『体験』する

          健康なゲーミングを真面目に考える

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic eSports Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。 突然ですが、eスポーツが今後誰もが営む活動となっていくと過程した場合、皆さんはゲームを健康にプレイしていくためにケアすべき要因は何だと思いますか?私は長らく身体的なトレーニングのことしか意識していませんでしたが、最近は食生活(栄養状態)と睡眠品質、さらにはメンタルケアも取り上げられることが多くなってきました(

          ゲーム関連だけど真面目、なのに楽しめる課題:北米事例と日本での可能性

          eスポーツクラブで「ゲームの枠を飛び出す課題」を出すこんにちは、NASEF(North America Scholastic eSports Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。前回はテーマ:COVID-19 x ツール:『マインクラフト』で Interest-Driven Learning(直訳的には興味駆動学習、噛み砕くと関心分野だからこそ生じる能動的な姿勢が生み出す学び)を促した事例を紹介しましたが、今回は同記事後半で紹介した「B

          ゲーム関連だけど真面目、なのに楽しめる課題:北米事例と日本での可能性

          新しい生活様式下での教育をゲームで豊かに

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。前回の投稿以来COVID19により世界は大きく様変わりし、「The New Normal」(新しい生活様式)という言葉を耳にする機会も多くなりました。 これを受け、日本でも教育関係機関や美術/博物館などによるコンテンツ無料開放や、コミック含む書籍や映像作品無料公開のニュースをご覧になった方も多かったのではないでしょうか。 世

          「好き」と「学び」を繋げる:eスポーツで論理的思考能力と倫理観を養う(米国事例)

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。 前回はNASEFの活動を離れ、「スクリーンタイム」という用語について紹介しましたが、今回はNASEFが提供する高校1~4年生* 向けのカリキュラムについて具体例を交えて紹介してみたいと思います。 * 米国では日本でいう中学3年生の年齢で高校入学となり、その後高校に4年通うため、カリキュラムも4年制となっています。 米国に

          「好き」と「学び」を繋げる:eスポーツで論理的思考能力と倫理観を養う(米国事例)

          スマホなどの利用時間(スクリーンタイム)とeスポーツの関係

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。 今回はNASEFの活動ではなく、eスポーツと教育を語る際に頻出する用語「スクリーンタイム(Screen time)」についてお話ししてみたいと思います。 スクリーンタイム、その意味は?「スクリーンタイム」という単語はiPhoneのiOS 12に同名のツールが導入されたこともあり、見覚えがある方も多いかもしれません。おおまか

          スマホなどの利用時間(スクリーンタイム)とeスポーツの関係

          高校の正式な授業課目でeスポーツを活用している事例(2018年、米国カリフォルニア州)

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。 今回は、前回の記事でお話した「eスポーツを通じて学生に成長を」というビジョンの具体例として、NASEF設立間もない時期(2018年5月30日)にスタートした取り組みを紹介してみたいと思います。 NASEF加盟校は、現在でこそ北米数百校を数えるまでに増加していますが、当初は当然ながら「地元に特化した」取り組みでした。今回紹介

          高校の正式な授業課目でeスポーツを活用している事例(2018年、米国カリフォルニア州)

          eスポーツを通じて学生に成長を:必要な場所に橋渡しを

          こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。 久々の投稿となる今回では改めて、NASEFの北アメリカでの活動、そして日本での活動方針を簡潔にまとめてみようと思います。 NASEF概要と日本での活動現在北米全土に広がるNASEF の本拠地はアメリカ・カリフォルニア州。そのビジョンは、ごくごく端的にまとめると「多くの若者がゲームを楽しむのならそこで彼らの知見を広め、能力開

          eスポーツを通じて学生に成長を:必要な場所に橋渡しを

          【eスポーツが教育教材にっ??】NASEFとは

          日本でも日々eスポーツのニュースが飛び交っている中、「教育とeスポーツ」についてはなかなか取り上げられないていないのが現状です。そのような現状の中、「eスポーツで教育って何?」というご質問をいただくことが増えてまいりました。 eスポーツを教育ツール&プラットフォームによく「eスポーツのプレーヤーを育てる取り組み」と言われることが多いのですが、実はそうではないんです。北米教育eスポーツ連盟(以下、NASEF)は、eスポーツを活用した教育プログラムやコンテンツを開発・提供してい