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スマホに首輪
私は暇さえあればスマホを触ってしまうスマホ中毒者だ。
SNS、ゲーム、YouTubeこのあたりをグルグルと周回していると大体一日が終わっている。
スマホが無ければ生きていけないと言っても過言ではない。片時も離れず生活している。
そんな私からスマホが取り上げられた。
その日は珍しくスマホを風呂に持って行った。
十分に気を付けていたのに、スマホは私の手からスルりと抜け出して浴槽の中に行ってしまった。
「あっ」っと取り上げた時には時すでに遅し。
画面にみるみる縦線が入り、タッチが利かなくなり完全にお亡くなりになった。
間抜けな私がバックアップなどとっているわけもなく
なんなら、アプリのパスワードなどもスマホに記録していたので、スマホ本体が起動しない今となっては完全にお手上げ状態。
全部最初からだ。ゲームもSNSもなにもかも。
「最悪だ。終わったあああ。」声に出た
あんなに課金して育成したゲームも、手の込んだSNSも、沢山保存した音楽も、、、
現実を受け入れられずに、なかなか機能しようとしない頭でなくなったら困るデータは何があったかと一つずつ精査した。
私の生活でなくなったら困るもの。
なくては生活できないもの、それは何だろう
ないと生きてはいけないも、、、
よく考えてみたら、ゲームもSNSもいらないんじゃないのか?
ゲームやSNSは楽しいが無いと困るのか真剣に考えると不必要に思えてきた。
私は死に際になってもスマホ上のデータを大切にするだろうか?
とても大事だと思っていたが、所詮データで全ては私に何も残さないものだった。
スマホの画面に夢中になっていたもののすべては私の生活に何の必要のないものばかりだった。
SNSで様々な情報を手に入れる、今時のメイクや生活の便利グッズ。
確かに、その情報のすべてが無駄なわけではないが取り込む情報が多すぎて私が活用できる情報はほんの一握りだ。
スマホの中に最低でも残しておきたいのは、仲が良いほんの一握りの友人の連絡先と思い出の写真くらいで他のすべては無くなってもいい物ばかりだった。
なのに、私の毎日の大半はその無駄な物に費やす時間に使われていた。
そう気づいたとき急に自分が惨めに思えた。
私は必要でないものにばかり時間をかけて生きていたのか。
スマホを使っていると思っていたが、実際は反対だった。
スマホが私に情報を見せていた。その情報の海に完全に溺れてしまっていた。
活用できないほどの情報なんて実際はなんの意味もなさなかった。
スマホに首輪をつけられていた。
そう思った。
私が私の意思で生きて、生活しているように感じていたが実際はスマホに首輪をつけられた私がインターネットの海をスマホに散歩させられていたんじゃないだろうか?考え過ぎだろうか?
本当に大切な物はなんだろうか。よくよく考えてみると私の周りには無駄ばかりだ。
何故有限な時間を無駄に費やしていたんだろう。
本当に大事な物が小さな画面上にあるはずもの無かった。
じゃあ、私が大事にすべき時間をかけるべきだったものはなんだったのだろう
流れる日々に何も考えずに生きていた。
自分がやるべきことに対して真剣に考えたことなどなっかた。
やらなくていい無駄を理解できていなかった。
活用できないほどの情報なんて要らなかったのだ。
人生に重要なのは情報じゃない。