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角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市・東所沢駅)
ところざわサクラタウンには角川武蔵野ミュージアムをはじめとしてコンサートホールやショッピングモール、公園をはじめとした多くの施設が入ったエリアである。ドワンゴの経営する学園も入っており、一種のアニメ聖地としての一面もある。東所沢駅からサクラタウンへ向かう歩道にはアニメの絵柄がデザインされたマンホールが点在しており、駅から10分ほどの距離があっても飽きさせない、
巨大な岩のような特徴的な形をした角川武蔵野ミュージアムは、その名の通り角川書店が運営している施設で、ロビーである2階を除けば1階には企画展示室と本が読み放題のラノベ・マンガ図書館、3階にはEJアニメミュージアム、そして4階と5階もミュージアムとなっており、フロア全体が本を楽しむためのコンセプトで溢れているのが特徴。もともと角川書店の社長である角川源義の「戦争はイヤだ」という想いが反映された角川文庫。その想いを松岡正剛によってプロデュースされた空間ということで具現化し、本に対するリスペクトが感じられる。
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色々なジャンルの本が揃えられており、ライトノベルやマンガが読みたければ1階のラノベ・マンガ図書館でいくらでも読めるし(窓の外には角川源義の名を冠した源義庭園がある)、アニメーションを見たければ3階のEJアニメミュージアムが待っている。また武蔵野の地に特化した5階の武蔵野回廊や武蔵野ギャラリーなどもある。アートに着目した4階のエディットアンドアートギャラリーも良いかもしれない。ちょうどこの時は1階の企画展とリンクしたエジプト展示を開催。
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なんといっても角川武蔵野ミュージアムのメインどころとして知られているのは4階だろう。エディットタウン・ブックストリートで純文学からエンターテインメントまで様々な分野の本を自由に読める本の回廊を潜って行けば、最後に聳えるのが本棚劇場。所狭しと揃えられた角川書店の出版物や角川源義らの個人文庫など、その数は2万冊ほど。さらにプロジェクションマッピングにてこの本棚を舞台にした本のストーリーが上映され、見映えの良さでは追随を許さない。
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個人的にもこの本棚劇場、単純に見映えの良さだけをコンセプトにしているわけでもなく、要所要所で角川書店の歴史が紹介されているのが興味深いところ。角川書店の出版物の第一号である佐藤佐太郎『歩道』やシンボルマーク鳳凰の元となった野溝七生子『南天屋敷』や金田一京助『定本 石川啄木』、「四季」を通じた堀辰雄とのつながりや神西清から広がるロシア文学への関わりなど、角川源義が挑んだ角川書店の歴史もしっかりと紹介している。
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本棚劇場の裏側には書籍に費やした額が5億円とも言われる本の大妖怪こと荒俣宏の蔵書から3000冊ほどを紹介する階段「アティックステップ」がある。また荒俣宏は4階にも自らが監修した「荒俣ワンダー秘宝館」を開設しており、現代のヴンダーカンマー(脅威の部屋)として大量の展示品が集結している。こちらも見所がいっぱいで飽きさせない。
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なお2階と5階にはカフェーもある。ミュージアムのチケットは何種類かあるため注意が必要。常設展示である4階と5階、それに1階のラノベ・マンガ図書館のみであればスタンダードチケットが妥当なところだろうか。平日と土日とで料金が違うのも憎らしい。トイレはウォシュレット式。さくらタウン全体で言えば、武蔵野坐令和神社なども見どころの一つ。
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