#2『テレサ』デヴィッド・クレーンズ
村上春樹編訳の『恋しくて』には、異なる作家の10編のラブストーリーが掲載されている。
せっかくだから、読んだ記録としてnoteに1編ずつアップしていこうと思っている。そのために、『恋しくて』と一緒に10回写真を撮ろうかなと思っている。
カフェ読書が好きだから、食べたものやコーヒーと一緒に、何気ない風景と一緒に。こんな些細なことでも、やろうかなって決めると、日常がちょっとワクワクしたりする。
ということで、今回撮った写真はこちら。
2作目に読んだのは、デヴィッド・クレーンズ『テレサ』。
正直言えば、そんなに心惹かれる話ではなかったんだけれど、それは私が女だからかもしれない。
主人公は思春期のアンジェロという少年。14歳。
アンジェロは太っちょで大柄だから、一見怖そうにも見えるのだが、だいぶビビりで気が弱めの男の子。それに、14歳だというのにビールをやめられず、常にがぶ飲みしてしまうらしい。将来大丈夫かな。
そんな彼が、ミステリアスな少女テレサに心惹かれる。
常にテレサを目で追ったりするのだけれど、こういうのは懐かしいよね。学生時代、先生が好きだったことがあって、授業中は話そっちのけで姿を見てばかりいたもんね。
アンジェロ少年の場合は、それだけではおさまらず、放課後テレサの後をつけて、家を突き止めようとする。
彼女に気づかれないようにと、物陰に潜みながら不器用に尾行する挙動不審な行動、そして彼女がコンビニに入る姿を見れば、無性に喉が渇いたり、何かが食べたくなってお腹が減ってしまうという素直な欲望、さらに、彼独自のテレサの妄想が広がり、さらに喉が渇いてしまう。笑。
よく考えればかわいらしい。ただ、後をつけられている身になってみれば気持ち悪い気もするけれどね。
ジーザス、テレサ!
後を追っていたら、テレサの衝撃的な事実を知ってしまう。で、アンジェロ少年の脳内大混乱。この辺の描写はおもしろかった。
もしかしたら、ビールをやめられるかも?
こうして、14歳の少年は成長していくのかな。
若いって、どうにでも修正できるから、すばらしいことだよね。若いっていうだけで人生勝ち組。たくさんの得がある。
ただ、若い時はそのことに気づかないものだけれどね。
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