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忘れたい人たち

私は結婚してから1年程経った頃から、実親や実弟との連絡を絶っている。

でも、誕生日も結婚記念日も憶えているし、最近実母と目がそっくりになってきた。

仕方のないことだ。
あの人たちの血が通った体なのだから。

現代風に言えば、親ガチャに失敗した人生。

でも、産んでくれたから、今がある。

でも今があるのは、途中人生投げ出しかけた時を自ら乗り越えたからであり、あの人たちのおかげとは思いたくない。

最近よくあの人たちのことをふと思い出してしまうのは何故だ──。

でも、思い出しても胸がざわつかなくなったのは、乗り越えたものがあるのであろう。

定職に就かない実父。
好き勝手遊んで、だらしのない実母。
警察に世話になる実弟。

『よくグレずに育ったね』

と言われる。
期待しないという逃げ道を見付けたからじゃないかな。

とりあえず、顔は変えずに生きたい。
大丈夫。
あの人たちみたいには生きない。
わたしはわたし。




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