【シャロウ・グレイブ】ルームメイトに御用心
94年 イギリス ダニー・ボイル監督
デビュー作には神が宿る、とは言い過ぎだろうか。かの『市民ケーン』は異端児オーソン・ウェルズの執念が細部にまで宿っていた。新聞王ケーンが口にした「バラの蕾」。その一言をめぐる、壮大な物語だった。
転がるスノードームが有名だ。ガラスの中の粉雪から、過去に遡る。なぜケーンは成功し、転落したのか。暖炉に燃える幼少期の橇こそ「バラの蕾」の正体だったのだ。
さて、遠く離れたスコットランドでも、ある人物が死ぬ。男は「バラの蕾」の代わりに大量の現