ロメスパはオフィス街にて無双する
ナポリタン スパゲティ屋 くぼやん@西新宿
美味しいご飯を食べる時、僕は日本に生まれてよかったとしみじみ思う。僕が偏愛する料理の多くは日本生まれのものが多いからだ。ラーメン、カツ丼、カレーライス、ハヤシライス。どれも元の料理を日本独自にカスタマイズして生まれたもの。そしてもう一つ忘れちゃならない日本生まれのものが、スパゲティナポリタン。特にロメスパのナポリタンが大好きだ。
ロメスパとは路面スパゲティの略で、立ち食いそばにふらりと入るがごとく気楽に食べられるスパゲティ屋の造語らしい。その造語が生まれるきっかけとなった銀座のジャポネを筆頭にリトル小岩井、カルボ、ミスターハングリー、パンチョ、バルボア、関谷スパゲティ、スパゲッティキング、ボーノボーノなど、各地で根強い人気を誇っている。パンチョみたいにチェーン展開しているお店は繁華街にあることが多いけど、ロメスパって基本的に新橋とか虎ノ門とかのオフィス街にあるイメージが強い。
そして僕が立ち寄るオフィス街・西新宿には「くぼやん」というロメスパがあるのだ。
西新宿駅の周辺ってエリアとしては狭いのだけど、高層ビルが立ち並ぶオフィス街だけに人が多く、この狭さの中にグッとくるお店がギュッと詰まっているのがいい。グッとギュッとは、心躍る。
時間に余裕がある時は、会社がある中野坂上まで電車で行かずに、西新宿で降りて、グッとギュッとすることにしている。
「くぼやん」は西新宿駅を降りてすぐ近くにあるジョナサンの地下にあるお店だ。
実はこのジョナサンの地下こそグッとギュッとする名店が揃っている。「くぼやん」のほかにも、うどん屋と焼肉屋があって、どちらも魅力的なんですよ。いつか記事でも紹介します。
「くぼやん」の名物はもちろんナポリタン。
一応、先にロメスパに共通する3つの特徴を説明しておくと、
1つめは、あらかじめしっかり茹でた極太麺を炒めて調理。アルデンテってなんですか? とばかりにしっかり茹でた極太麺のモチモチの食べ応えが特徴。
2つめは、麺は基本的に大盛。ノーマルで300g(通常のパスタ屋だと150gくらい)MAXで倍の600gで提供されるガッツリ食べたい人も納得の満腹感。
3つめは、値段の安さ。ノーマルで5~700円前後、MAX大盛りでも1000円前後と、とにかくリーズナブルなのでコスパ最強。
そういう特徴があるからだろうか、店内の客の8割が男性。オフィス街だからスーツを着たサラリーマンが多い。そう、ガッツリ食べれてリーズナブルなんてサラリーマンの味方なんだよね。
そんな「くぼやん」はナポリタンのほかにも、しょうゆ、塩、カルボナーラ、明太子の全部で5種類の味があり、さらに全部ニンニクをプラスしたバージョンもあって、選ぶのが実は結構悩ましいのだ。具材はナポリタンと基本ほとんど同じで、味つけが10パターンあるって感じ。
僕はナポリタンのノーマルを注文する。ちなみにノーマルの300gって「CoCo壱」のデフォルトのご飯の量と同じグラム。僕はそのくらいで十分です。
注文してからは混み具合にもよるけど、結構早い。すでに茹でた極太麺だからだろう。中華料理に匹敵する高火力で具材と共に麺をわしゃわしゃと炒めだす。キッチンを見ると結構な炎がフライパンから立ち上っている。そして焼きスパゲティの出来上がり。
卓上にはパルメザンチーズやタバスコなどが置いてあり、僕は大体パルメザンチーズを大さじ1杯分くらいナポリタンにかけて食べる。
旨いんですよ。モチモチ麺。そしてイタリアンの常識にはないジャポネーゼならではのケチャップとトマトソース。それが合わさった甘じょっぱい濃厚な旨みを、口一杯に頬張る喜び! 昭和の香りというか昔懐かしい感じの味わいなんだなぁ。周りもサラリーマンだらけだから、一瞬、半沢直樹とかいるような時代にトリップした錯覚をしてしまうほどだ。
量が多めだから男性が多い印象だけど、もちろん女性も結構いる。一度味わってファンになって、リピートしてしまう人多いんじゃないかな。ジョナサンの地下の他の二つの店も女性一人でも並んでしまうような店だから、「くぼやん」に並んで入ってもあんまり違和感がないので入りづらくないというのが大きいかもしれない。あと、300gって意外と女性も全然食べれちゃうからね。なんなら300g完食して、あれ? 450gくらいならいけたかもと思ってしまうほど。なんなら、もう一口食べたいって思うあと引くおいしさがあるから、早食いの人には物足りなく感じるくらい。
僕が店を出た時にも、店の外には人が並び続けている。ラーメン屋と同じような回転効率と満足感を持つロメスパならではのお昼の光景だ。
さて、日本に生まれた喜びを噛み締めながら、中野坂上まで歩こう!
毎日、炭水化物と脂を取りすぎてるから、少しは運動しないと。
そう思ったのだけど、雨風がとても強いから今日は仕方ないよね。
と、丸の内線のホームへ消えていく僕だった。
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