楽翁公伝 0050. 緒言 - 萬世不朽の哲人　渋沢栄一著

ああ、偉大な人格とは、まさに永遠に輝く光のような存在だ。世の暗闇を見事に照らし、人生が目指すべき最高の頂となる。万人がそれを仰ぎ見て、喜びに満ちた心で向上の道を進むのだ。楽翁公のような人物は、一代の名宰相であるだけでなく、万世にわたって語り継がれる哲人と呼ぶにふさわしい。
いま、この公の業績を明らかにし、その遺徳を顕彰することは、まさしく後の世の人々を啓発し、国家を正しい道へ導く最善の方法なのだ。